富山県の立山山麓の有峰と瀬戸蔵のブナ林からツヤタマゴダニ属の2新種を見い出し,それぞれLiacarus luscus sp. n. (タテヤマタマゴダニ),Liacarus teuilamellatus sp. n.(ケタボソタマゴダニ)と命名し記載した.タテヤマタマゴダニは,アシュウタマゴダニL. latilamellatus Kaneko et Aoki, 1982に極めて似ているものの,吻両側に浅い切れ込みがあること,桁遊離部の外側が強く突出し,歯をもつこと,桁毛の基部が露出していること,桁毛が桁間毛より短い点において相違している.また,ケタボソタマゴダニは,切れ込みのある吻,細い縦桁,桁遊離部からまっすぐ伸びる太くて長い桁毛,中央に三角形の突起を持った不完全な横桁,棍棒状に膨らんだ短い胴感毛,桁毛よりはるかに長い桁間毛などによって,同属の既知種から区別される.
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