本研究では、久保田(2010)によって提示された「同一化アプローチ」に基づき、ブランド・リレーションシップの測定尺度を開発した。具体的にはブランド・リレーションシップの実体を、認知的要素、情緒的要素、および評価的要素から形成される高次構成概念としてとらえたうえで、9項目から成る測定尺度を開発し、これを経験的に検証した。
本研究は、消費者の認知的精緻化を促進させる「適度な不一致」に焦点を当てている。本研究の目的は、製品拡張に対する「適度な不一致」の適用可能性を探ることである。そこで、本分析では、MCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ)法による階層ベイズによって、製品拡張に対する消費者の認知的精緻化のモデリングを試みている。その結果、(1)「適度に不一致」な製品拡張は、階層的カテゴリー構造の下位レベルにおいて同定され、ゆえに、(2)「適度な不一致」製品は、消費者選好構造において、市場の境界線を拡張させることを明らかにしている。
本研究では、ブランド・コミュニティ内の消費実践に着目し、複数の消費者によってブランドの意味が創造されるという創発的な現象を探求する。自動車MINIに関する広告の内容分析とブランド・コミュニティでの8カ月に及ぶフィールド調査によって明らかにされたのは、オーナーたちが企業の意図とは異なる意味を創造している点である。具体的には、製品のカスタマイズ、他のブランドやその所有者からの差別化、社会的絆の構築という相互関連した3つの消費実践を通じてブランドの意味が創造されている。
本稿では、北海道経済部(2003)による『平成14年度 来道観光客(満足度)調査報告書』の基礎となった個票データを用いて、来道観光客の食事に関する満足度について順序プロビットモデルを用いた分析を行う。その際、順序プロビットモデルの説明変数として、来道観光客が期待する北海道の食べ物の評価を加えている。また、順序プロビットモデルの応答確率に対する観光客が期待する食べ物の評価の部分効果も併せて考察する。
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