接着歯学
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16 巻, 3 号
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  • 永井 正洋, 艾 紅軍, 杉田 拓也, 宮入 裕夫, 安田 登
    1998 年 16 巻 3 号 p. 125-134
    発行日: 1998/08/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, フィラーを含有していない接着材 (SB) とフィラーを含有する接着材 (PV) を対象に, 双片持はり (DCB) 試験を応用し, 定変位の繰返し負荷下における疲労き裂進展挙動について, き裂進展面の形態学的観察を踏まえて検討した。得られた主な結果は次の通りである。疲労き裂進展過程におけるPmax/[Pmax] o-n線図, いわゆる疲労き裂進展挙動は, SBとPVとでは特徴的な傾向を示した。SBでは, 負荷レベル (κ=0.5, 0.6, 0.7) に関係なく, Pmax/[Pmax] o値が0.95近傍で急速に低下する傾向が認められたが, κ=0.3, 0.4では, 荷重の低下はn=105回まで認められなかった。PVでは, すべての負荷レベル (κ=0.7, 0.8, 0.9, 0.95) において, 全体的に緩やかなPmax/[Pmax] o-n線図として示された。疲労き裂進展面は, SBでは, 静的での凹凸の著しい破壊様相とは異なり, 平坦的な破壊様相として観察され, κ値の小さいほどその平坦的な領域が支配的となっていた。しかし, κ=0.3, 0.4では, 疲労き裂進展領域は認められなかった。PVでは, すべての負荷レベルにおいて, その破壊様相は静的の場合と同様であり, うねりの小さいき裂進展面として示された。
  • とくにプライマー塗布面へのエアブローがエナメル質接着強さに及ぼす影響について
    高垣 謙二
    1998 年 16 巻 3 号 p. 135-145
    発行日: 1998/08/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    臨床操作ステップの簡略化から、その接着操作を2ステップとした製品が開発された。そのいずれのシステムも、セルフエッチングプライマーあるいはセルフプライミングアドヒーシブを歯面に塗布した後に、揮発成分を飛散させるためにエアーによる乾燥が行われる。しかし、このエアブロー時間が歯質接着性に及ぼす影響については検討が少ない。そこで著者は、2ステップ製品を用い、そのエナメル質に対する接着性を検討することを企画した。すなわち、被着エナメル質面にそれぞれのプライマーを塗布し、それぞれ0、2、5、10、20および30秒間のエアブローを行った後、レジンを接着させ、その接着強さの測定を行った。その結果、これらのシステムを用いた時のエナメル質接着強さは、プライマー塗布面に対するエアブロー時間の影響を受けることが判明した。
  • ライナーボンドIIΣの被着面処理効果について
    伊東 孝介, 鳥井 康弘, 鈴木 一臣, 井上 清
    1998 年 16 巻 3 号 p. 146-151
    発行日: 1998/08/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    直接修復と間接修復で共用可能である接着システムライナーボンドIIΣが、クラレ社によって開発された。このシステムでは、新規に開発されたセルフエッチングプライマーと、用途を直接修復法だけでなく、審美インレー等の間接修復法に応用するために重合様式が光重合単独あるいは光化学重合型と選択可能なボンディング材が採用されている。
    そこで、本研究ではライナーボンドIIΣの接着強さ、接着耐久性、および接着界面の様相について検討した。その結果、以下のことが明らかになった。
    1.ライナーボンドIIΣは優れた接着強さを示し、またサーマルサイクル負荷後も良好な接着強さを保った。
    2.プライマー処理後の歯面にはプライマー成分、歯質とプライマーの反応生成物が存在し、これらが薄く緻密構造の樹脂含浸層を生成することに影響していると考えられた。
  • 菊竹 一代, 早川 徹, 根本 君也
    1998 年 16 巻 3 号 p. 152-160
    発行日: 1998/08/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    リン酸エステル系モノマーであるPhenyl-PとHEMAとから成るセルフエッチングプライマーに水溶性光重合開始剤QTXを添加し、研磨象牙質に対するコンポジットレジンの接着性に与える影響について検討した。
    研磨牛歯象牙質にQTX添加試作セルフエッチングプライマーを30秒間作用させ、乾燥後、クリアフィルフォトボンド (クラレ) を塗布し、次にクリアフィルAP-X (クラレ) を充填、光硬化させ、37℃水中に24時間保存後に引張接着強さを測定した。5%Phenyl-P/35%HEMA水溶液にQTXを0.5~3%添加すると平均で約6~7MPaの接着強さが得られ、QTXを添加しないときの約2倍の接着強さが得られた。また、30%Pheny1-P/35%HEMAにQTXを3%添加した場合にも、接着強さは向上し、約14MPaの値が得られた。
    SEM観察より塩酸に不溶な樹脂含浸層が約2~3μmの幅で明瞭に観察された。
  • 二階堂 徹
    1998 年 16 巻 3 号 p. 161-163
    発行日: 1998/08/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
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