接着歯学
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18 巻, 2 号
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  • 井上 哲, Bart Van Meerbeek, 阿部 泰彦, Paul Lambrechts, Guido Vanherle, 佐野 英彦
    2000 年 18 巻 2 号 p. 85-92
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    オールインワン・セルフエッチングタイプ歯質接着材の接着性能を, 接着界面のTEM観察および種々の接着条件下 (光照射の有無, 修復材料がコンポマーかコンポジットレジンか) での微小引張り接着強さにより評価するとともに, 低粘性レジン (LVR) の併用が接着強さに及ぼす効果についても検討した.本材と象牙質の接着界面には, 厚さ2~3μmのハイブリッド層, レジンタグ, 細管壁および細管側枝のhybridizationなどが観察され, トータルエッチング接着材における界面の超微細構造に類似していた.微小引張り接着試験において, 試料作製中に高頻度に破壊が認められたため, 測定成功率を算出した.LVRを本材と修復用レジンの間に介在させたところ, 接着強さはLVRを使用しない他の群と差は認めないものの, 測定成功率は有意に向上した.以上より, 本材の接着性能には, 非常に薄いレジン層が影響しており, さらにLVRがより安定した結果をもたらしたのは, レジン層を重合させるためのair-barrier効果あるいは, 修復用レジンの重合収縮を部分的に補償するshock-absorbing効果によるものと考えられた.
  • 井上 哲, Bart Van Meerbeek, 阿部 泰彦, 吉田 靖弘, Paul Lambrechts, Guido Vanherle ...
    2000 年 18 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    残存象牙質の厚み (RDT) が, レジン接着用光硬化型グラスアイオノマーセメントの微小引張り接着強さ (MTBS) に及ぼす影響を検討した. 14歯のヒト抜去歯から得た平坦象牙質面に, Fuji BONDLC (ジーシー) を用いて, コンディショナー処理の有無の条件下でコンポジットレジンを接着した. 37℃で24時間水中保存後, 試料をダンベル型に調整し, 微小引張り試験を行った. その結果, RDTが大きくなると, 有意に高いMTBSを示した。また, コンディショナー未処理群よりも処理群の方が, 有意に高いMTBSを示した. さらに, 処理群においては, RDTにかかわらず, 本材とコンポジットレンジ問の界面破壊を多く認めた. 未処理群では, 本材とコンポジットレンジ間での界面破壊を認めず, 象牙質と本材間の界面破壊および混合破壊を多く認めた. 以上より, 本材の象牙質への接着強さは, スミア層の除去により向上すること, および機械的接着を担うハイブリッド層を形成する管間象牙質の面積に影響を受けることが示唆された.
  • 杉崎 順平, 山田 敏元
    2000 年 18 巻 2 号 p. 100-108
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    ワンステップ・トータル・プライミング・ボンディングシステムとして, 三金社により開発市販されたXeno CF修復システムにおけるレジンー歯質接合界面のFE-SEM観察と, 接着界面下象牙質へのフッ素の浸透深さの測定を行った. その結果, 健全エナメル質・象牙質, ならびにう蝕除去後の象牙質に対してXeno CFは緊密な接合状態を示し, 象牙質接合界面には約1μmの幅でハイブリッド層の形成が認められた. また健全象牙質, う蝕除去後の象牙質のいずれについても, 修復後1週で接着界面下約10数μmの深さまでフッ素の浸透が認められた. 本システムは, 接着操作の簡便さと良好な歯質接着性に加えて, フッ素の徐放による二次う蝕の予防効果からも臨床的に大いに期待されるシステムと考えられる.
  • 硬化後の仕上げについて
    根本 美佳, 川本 善和, 島 弘光, 河原 一茂, 桟 淑行, 五十嵐 孝義
    2000 年 18 巻 2 号 p. 109-118
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    オールセラミックスの接着にレジンセメントを用いる方法は臨床で広く行われてきているが, 余剰セメント除去後のセメントライン周辺の状態については不明な点が多い.今回の実験の目的は, セメント硬化後に回転切削器具を用いて余剰セメントを除去する方法についてセメントライン周辺の性状の評価を行うことである.
    レジンセメントを用いてセラミックスを牛歯に接着し, セメント硬化後にダイヤモンドポイント (DT), 12枚刃カーバイドバー (CT), ホワイトポイント (WT, WM), コンポジット研磨用ディスクを用いて修正・研磨を行った.セメントライン周辺の状態は表面粗さ, 削除高さの測定とSEM観察によって評価した.
    その結果, DT, CT, WT, WMは余剰セメントを除去することができたが表面は粗であった.これにディスク研磨を行うことによって表面は滑沢となったがセメントラインにditchingが観察された.
  • 風間 龍之輔, 中條 和子, 石川 和之, 福島 正義, 岩久 正明
    2000 年 18 巻 2 号 p. 119-125
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    歯科用CAD/CAM「Cerec2」システム (以下「Cerec2」) によるクラウン修復物の適合性を検討し, ロストワックス法を応用したIPS Empress2システム (以下「IPS Empress2」) によるキャスタブルセラミッククラウンと比較した.まずヒト抜去下顎大臼歯にショルダータイプの全部被覆冠の支台形成を行った.一条件につき10個の修復物を製作し, クラパールDCセメントを用いて合着した後, 試料を近遠心的に半切して切断面上の7点のセメント層の厚さを計測した.
    その結果, クラウン修復物の全平均セメント厚さは, 「Cerec2」システム「Spacer」0μmの条件設定で製作された場合は222±57μm, 「Spacer」30μmの条件設定では193±32μmであったが他方「IPS Empress2」群では125±37μmであり, 「Cerec2」の2群と「IPS Empress2」群の間に統計学的有意差が認められた.しかし, マージン部の適合において「Cerec2」「Spacer」30μm群と「IPS Empress2」群の間に統計学的有意差は認められなかった.また, マネキン上で実際の臨床に準じて「Cerec2」システムによる各治療ステップにおける所用時間を計測した結果, チェアーサイドで即日修復を行うためには形成から合着まで約1時間30分を要することが予測された.
  • 表面の形態的変化について
    亀山 敦史, 河田 英司, 瀧澤 雅一, 天谷 哲也, 牟田 具城, 保坂 誠, 小田 豊, 平井 義人
    2000 年 18 巻 2 号 p. 126-132
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    Er: YAGレーザー照射ウシ象牙質が, 各種酸処理によって受ける形態学的な変化を走査電子顕微鏡 (SEM) によって比較, 検討した.ウシ象牙質に対しEr: YAGレーザーを照射 (100mJ/pulse, 10pps, 注水下) したもの (レーザー群) と照射を行わなかったもの (非照射群) に分け, 各種酸処理剤を所定時間応用した象牙質表面をSEM観察した.Er: YAGレーザー非照射象牙質に対して酸処理剤を応用しなかった場合, スミヤー層に覆われて象牙細管は観察されないが, Er: YAGレーザー照射象牙質ではスミヤー層は認められず, その表面は鱗片状を呈していた.Er: YAGレーザー照射象牙質に酸処理を施すと, その鱗片状構造の凹凸は緩やかになり, その傾向は脱灰能力の高い処理剤ほど強かった.また, レーザー照射のスポット辺縁部では酸処理により管周象牙質と管間象牙質の脱灰度合いが異なると思われる像が認められたのに対し, スポット底部ではレーザー非照射象牙質に近似した構造が観察され, Er: YAGレーザー照射象牙質を酸処理した場合にはその部位により形態学的特徴が異なることが示唆された.
  • とくにエアブレージョンによる切削面が象牙質接着性におよぼす影響について
    宮崎 真至, 廣幡 直志, 安藤 進, 小野瀬 英雄
    2000 年 18 巻 2 号 p. 133-141
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    光重合型レジン修復システムの歯質接着性の向上は, 従来型の窩洞形態の原則に変革をもたらし, 歯質保存的小窩洞を可能とした.これに伴って, 高速タービンを用いた切削以外に, エアブレージョン切削法が登場し, 臨床応用されているものの, 光重合型レジンの歯質接着性におよぼす影響の詳細については不明である.
    そこで, 2ステップ接着システムを用いて, エアブレージョンによる切削象牙質面がその象牙質接着性におよぼす影響ついて検討を加えた.すなわち, ウシ下顎前歯唇側象牙質面を, 耐水性SiCペーパーあるいはエアブレージョンによって処理した後, 各製造者の指示に従って光重合型レジンを接着させ, その象牙質接着強さの測定などを行った.その結果, エアブレージョン切削象牙質面に対する接着強さはSiCペーパー切削に比較して低下する傾向が認められ, この傾向は, 使用する接着システムによって異なることが判明した.
  • 岸川 隆蔵, 岩本 奈々子, 稲井 紀通, 田上 順次
    2000 年 18 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    歯質保存的治療が注目されるなか, 非回転系切削器具の1つとして期待されているエアーブレイシブシステムが, 象牙質の接着に及ぼす影響について検討した.
    2種類のボンディングシステムを用い, 牛歯象牙質に対する引張り接着試験, エアーブレイシブされたヒト象牙質面および象牙質・ボンディング材接合界面のSEM観察によって評価した.
    セルフエッチングシステムおよびウエットボンディングシステムを使用した場合, エアーブレイシブ処理したものと, 未処理のもので, 引張り接着強さに統計学的有意差は認められなかった.また, エアーブレイシブ処理したものでは, 樹脂含浸層の厚みが不規則なものとなった.セルフエッチングシステムを用いた場合, プライミングされた被着面および引張り接着試験片の破壊形態に相違が観察されたものの, エアーブレイシブによって歯質を切削しても象牙質に対する接着強さに影響はないことが示唆された.
  • 安田 登
    2000 年 18 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
  • 田上 順次, 島田 康史, 北迫 勇二, 中島 正俊, 二階堂 徹, 大槻 昌幸
    2000 年 18 巻 2 号 p. 154-159
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
  • 従来型治療法からの脱却
    加藤 正治
    2000 年 18 巻 2 号 p. 160-169
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
  • 井上 孝, 宮越 照一, 下野 正基
    2000 年 18 巻 2 号 p. 170-176
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 亨
    2000 年 18 巻 2 号 p. 177-182
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
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