第二乳臼歯へのCRインレーの適合性を知る目的で, 抜去乳臼歯に2級の種々の窩洞を形成後, 2つの石膏模型を作成した.1つは窩洞形態の検索に, 一方はCRインレー (クラレ社製) の作成に用いた.その後, ボンディング材の併用下でCRセメントで合着し, 窩縁からの微少漏洩ならびにセメント層の厚さから, CRインレーの窩洞適合性を検討した.その結果, 窩洞内の各隅角部はラウンド形態で, その角度は約115~135度, 咬合面に対する頬舌側壁は65~70度であった.微少漏洩は, ベベル付与で多く, 部位は, 髄壁から軸壁, 歯肉壁にかけての隅角部であった.さらに, インレー体が厚い (1.7mm以上) かセメント層の厚い部位で漏洩が多かった.また, スライスカットの方がボックス型よりもセメント層は厚かった.以上から, 各隅角がゆるやかで, 窩縁がバットジョイント, また, 窩洞の深さが咬合面中央で, 1.3~1.5mm以下で, ボックス型の隣接面を有する窩洞が適合性のよい形態と考えられた.
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