接着歯学
Online ISSN : 2185-9566
Print ISSN : 0913-1655
ISSN-L : 0913-1655
最新号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 渡邊 慧, 新谷 明一, 八田 みのり, 石田 祥己, 三浦 大輔, 中島 健太郎, 五味 治徳
    原稿種別: 原著
    2025 年43 巻2 号 p. 42-47
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/15
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究の目的は,各種被着面処理材の塗布がPEEK(Polyetheretherketone)へのレジン系装着材料の接着強さに及ぼす影響を明らかにすることである.PEEKディスクから10×10×3 mmの被着体を切り出し(Isomet TM LS,BUEHLER,USA),常温重合型レジン(Palapress,Kulzer,Germany)にて包埋したものを試験体とした.PEEK表面にアルミナブラスト処理後,各種被着面処理材とMMA溶液を塗布したのち,レジン系装着材料にて円柱状ステンレス(直径6 mm,高さ10 mm)を接着し,すべての試料は37℃の超純水に24時間保管した.その後,圧縮せん断試験を行い,せん断接着強さを計測した(n=15).その結果,プライマー処理なし(CO)と比較して歯科レジン用接着材料(CAD/CAMレジン用アドヒーシブ,松風,京都)(RA),歯科用象牙質接着材(ビューティボンドXtreme,松風,京都)(BX)の接着強さが有意に大きくなった(p < 0.01).一方でCOと,シラン処理材である歯科セラミックス用接着材料(松風ポーセレンプライマー,松風,京都)(SP),歯科用汎用アクリル系レジン(PROVINICE,松風,京都)のMMA溶液(PE)間では有意差は認められなかった(p > 0.05).以上の結果から,RAとBXの塗布がPEEKへのレジン系装着材料の接着強さを向上させることが示唆された.
  • 三浦 大輔, 石田 祥己, 中島 健太郎, 新谷 明一
    原稿種別: 原著
    2025 年43 巻2 号 p. 48-53
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/15
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では,PEEKに対する4-META/MMA-TBBレジン系装着材料(スーパーボンド,サンメディカル,滋賀,SB)と各種プライマーがせん断接着強さに及ぼす影響について検討した.実験では,CAD-CAM用PEEKとして松風PEEK(松風,京都)を用いた.アルミナブラスト処理後,スーパーボンド用キャタリスト液(キャタリストV,サンメディカル,TBB),スーパーボンド用モノマー(モノマー液,サンメディカル,MMA),キャタリスト1滴とモノマー液4滴混合液(MIX),ポーセレンジルコニア用前処理材(PZプライマー,サンメディカル,PZP),非貴金属用プライマー(メタファストボンディングライナー,サンメディカル,META),マルチプライマー(M&Cプライマー,サンメディカル,MC)を塗布した.被着体には円柱状ステンレス鋼を用いた.その結果,METAが最も高いせん断接着強さを示した.これは,PEEKに着色剤として含まれる酸化チタンと4-METAとの化学的相互作用が接着強さの向上に寄与し,さらにMMAによって形成されたレジンコーティング層がSBと共重合したためであると考えられる.以上から,PEEKの接着には,プライマーの成分,PEEKの表面性状および添加物がせん断接着強さに大きく影響することが示唆された.
症例報告
  • 三木 仁志, 田代 浩史
    原稿種別: 症例報告
    2025 年43 巻2 号 p. 54-61
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/15
    ジャーナル オープンアクセス

     健全な残存歯質が乏しく,一般的には支台築造後に間接法による被覆冠を用いて歯冠形態を回復する補綴治療が第一選択となるような症例に対して,象牙質接着システムの高い歯質接着性能を活用して限られた残存歯質を最大限活用する直接法コンポジットレジン修復(以下,ダイレクトCR修復)が新たな治療方法として活用されるようになっている.本方法は,失活歯に対する支台築造のポストとコアに相当する部分を,ファイバーポストをはじめとする補強材料を使用せずに,歯冠形態を回復する充塡術式を適用したCR修復である.これまで保存が困難と診断されるような残存歯質量が極めて少ない症例においても,最終手段の一つの選択肢となりえる可能性が期待されている.

     本稿では,残存歯質が極めて少なくフェルール効果を期待できない上顎前歯部の失活歯に対するダイレクトCR修復の概要と術式を示すとともに,適用後の経過観察を行ったので報告する.

特集:第43回日本接着歯学会学術大会 Topic講演「PEEK」
連載:接着の世界に迷い込んで!
連載:世界の研究室から
feedback
Top