日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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36 巻, 12 号
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総説
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研究論文
  • 小川 俊夫, 薗頭 貴雄, 大澤 敏
    2000 年 36 巻 12 号 p. 486-493
    発行日: 2000/12/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    材料表面の低エネルギー化は,材料自身に掻水・接油性や低摩擦係数などの機能性を持たせるのに有用な手段である。本研究では,コロナ放電処理法により極性官能基が導入されたポリエチレンを出発物質とし,フッ素化を行って二,三のフッ素化試薬の改質効果を調べた。その結果,いずれの試薬でも水との接触角が100.以上という優れた播水性を持つフィルムが得られた。このときの表面自由エネルギーは13.8mJ/m2であり,ポリテトラフルオロエチレンの値に匹敵する値であった。また,フッ素の導入により摩擦係数の低減化が可能であることがわかった。これらの効果は分子末端に至るまでフッ素化された試薬ほど効果的であることが明らかとなった。
研究論文
  • 宮入 裕夫, 鄭 剛, 永井 正洋
    2000 年 36 巻 12 号 p. 480-485
    発行日: 2000/12/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    歯科用コンポジットレジンは,歯科修復用材料として厳しい環境の中で重要な役割りを果している。歯の唆合面に充填されたコンポジットレジンは,毎日の岨噌力に耐えるために,高い圧縮強さや優れた耐摩耗性が要求するばかりか,歯質との優れた接着性,シール性をも要求される。したがって,コンポジットレジンの接着強さに関する研究は数多く報告されているが,衝撃試験による接着強さの検討についてはほとんど行なわれていない。またコンポジットレジンの接着材は,歯軸に向かって斜め下方に走行するエナメル小柱内や象牙細管内にレジンタッグ(長さ:5~100m)として形成されるが,そのレジンタッグが接着強さに及ぼす。効果について検討した報告は見当たらない。本研究では,被着材として牛歯エナメル質と象牙質を対象に,衝撃方向を変化させたせん断接着衝撃試験により,コンポジットレジンが形成するレジンタッグの効果について検討した。その結果,コンポジットレジンのエナメル質に対する衝撃接着強さは,エナメル小柱に形成されたレジンタッグの効果によって,負荷方向が歯根方向である場合のせん断接着強さは,もう一つの負荷方向のそれに比べ,かなり高い値を示すことが明らかとなった。またこのようなレジンタッグの効果は,象牙質を被着材とした場合には,認められなかった。
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