日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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38 巻, 2 号
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総説
研究速報
研究論文
  • 高谷 政広, 森井 哲, 北山 隆, 岡本 忠
    2002 年 38 巻 2 号 p. 46-49
    発行日: 2002/02/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    ユリア樹脂接着剤の性能を増進するために加えられた添加剤の影響を検討した。すなわち,ユリア樹脂と添加剤の混合接着剤で作製したパーティクルボードの機械的特性とこれらの接着剤のDSCに よる熱的挙動を測定することによって接着性と硬化に及ぼす添加剤の影響を検討した。添加剤として 繊維状セルロース粉末,アラミド繊維,ブナ爆砕木粉を用いた。その結果,混合接着剤で作製したパーティクルボードは,特に30%の爆砕木粉,30%のセルロース粉末,および10%のアラミド繊維を含有する接着剤において,ユリア樹脂単独で作製したものよりも良い性能を示した。またDSC分析の結果,接着剤の重合による発熱ピークは,爆砕木粉の添加によって高温度側に少し移動したが,爆砕木粉以外の添加剤ではほとんど変化しなかった。
研究論文
  • 永田 員也, 日笠 茂樹, 児子 英之, 前川 一彦, 吉原 資二, 古宮 行淳
    2002 年 38 巻 2 号 p. 39-45
    発行日: 2002/02/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    疎水ユニットのポリプロピレン(PP)と極性ユニットとしてカルボン酸官能基を有したポリアクリレートとからなるブロックポリマー(ジブロックポリマー:分子量17,000,PPブロック:ポリアクリレートブロック=10,000:7,000)に水酸化マグネシウム(Mg(OH)2).水酸化アルミニウム(Al(OH),アルミナ,シリカ,タルク,炭酸カルシウム(CaCO3)などの表面化学特性の異なるフィラーとのコンパウンドをトルエン溶媒湿式法で調製した。得られたコンパウンドの動的粘弾性を測定した結果,Mg(OH)2,Al(OH)3,アルミナ,CaCO3,などのアルカリ性表面を持つフイラーではジブロツクポリマー のtanδピーク温度温度は10℃以上高温側にシフトしたが,シリカ,タルクのtanδピーク温度温度はほとんど変化しなかった。ジブロックポリマーで表面改質したMg(OH)2,CaCO3,タルクなどのフィラーをPPに30wt%充填し,得られた複合材料の力学特性を測定した。Mg(OH)2,CaCO3などのアルカリ性表面を持つフィラー充填複合材料ではジブロックポリマー添加にともない弾性率は徐々に低下し,降伏強度は表面改質量増加にともない3wt%付近まで増加し,それ以降一定となった。一方,タルク充填フィラーではジブロックポリマーの添加によりこれら力学特性はほとんど変化しなかった。以上の結果から,マトリックス/フィラー界面の相溶化剤が強固な界面層を形成するためには疎水鎖がマトリックスと同様の構造を有しているだけではなく,親水鎖の官能基であるカルボン酸とフィラー表面の相互作用も重要な因子であることが明らかとなり,動的粘弾性の結果と一致していた。
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