日本接着学会誌
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38 巻, 8 号
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総説
総説
研究論文
  • 松川 公洋, 井上 弘
    2002 年 38 巻 8 号 p. 288-294
    発行日: 2002/08/01
    公開日: 2014/10/31
    ジャーナル フリー
    ビスヒドロキシフェニルジシロキサンおよびビスフェノール-Aよりニトロフェニルエーテル化,水素還元により芳香族ジアミン,1,3-ビス(4-(p-アミノフェノキシ)フェニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)(BAPPSi)および2,2-ビス(4-(p-アミノフェノキシ)フェニルプロハパン)(BAPPA)を合成した。これらの芳香族ジアミンを用いて,3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA)や1,2,4.5-ピロメリット酸二無水物(PMDA)なドとのポリアミド酸を経て全芳香族ポリイミドを合成した。イミド化の加熱条件はFT-IRスペクトルの変化より求め,200℃1時間とした。シロキサンを含んだBAPPSiからのポリイミドの5%重量減少温度は,シロキサンを含まないBAPPA からのポリイミドと同程度で,500°C以上の耐熱性があった。シロキサンの導入により対水接触角は大きくなり接水性が増すことが確認できた。また,ガラスとの密着性は,湿度95%,温度120°C中に長時間放置した場合の碁盤目試験でも著しく向上した。BAPPSiとBAPPAから合成した共重合ポリイミドとそれぞれのポリアミド酸をブレンドして硬化させたブレンドポリイミドを比較したところ,ブレンドポリイミドではシロキサン含量が少なくてもその効果が大きいことが確認できた。
研究論文
  • 永田 員也, 児子 英之, 日笠 茂樹, 伊藤 亮治
    2002 年 38 巻 8 号 p. 280-287
    発行日: 2002/08/01
    公開日: 2014/10/31
    ジャーナル フリー
    粒子に対して2,4,6wt%のアルキルスルホン酸塩(帯電防止剤)帯電防止剤処理CaCO3(平均粒子径0.9μm)の充填がPPの帯電防止機能に与える影響を複合材料の力学および電気特性の解析から考察した。試料破断面の走査型電子顕微鏡観察の結果,帯電防止剤処理によりCaCO3粒子はPP中に均一に分散していた。複合材料の10日放置後の体積固有抵抗は帯電防止処理CaCO3を40wt%以上充填した場合試料の体積固有抵抗は1O 16Ω・cm以上から10 12Ω・cm以下へと低下した。CaCO3を帯電防止剤で処理することにより試料の弾性率は低下した。未処理CaCO3充填PPの降伏強度は粒子充填量増加にともない24MPaから17MPa(50wt%充填)まで低下した。一方,帯電防止剤処理 CaCO3ではその降伏強度は粒子充量増加にともない40wt%までは同様に低下するが,それ以上の充填量ではほぼ一定となった。帯電防止剤処理粒子充填PPの衝撃強度はマトリックスの14kJ・m-2より大きく改善されており,粒子充填量に依存していた。最大衝撃強度となる粒子充填量は40wt%であった。以上の結果から帯電防止剤処理CaCO3充填複合材料にはCaCO3粒子近傍のPPマトリックスに粒子表面から帯電防止剤が拡散した領域が存在していることが明らかとなった。一定の粒子充填量以上でこの領域がマトリックス中で重なり合うことにより複合材料の帯電防止機能が発現すると考えられる。
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