日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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38 巻, 9 号
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総説
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研究論文
研究論文
  • 木原 幸一郎, 杉山 竜之, 杉林 俊雄, 田口 広一, 安西 哲也, 山辺 秀敏
    2002 年 38 巻 9 号 p. 321-328
    発行日: 2002/09/01
    公開日: 2014/10/31
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    前報で二軸負荷試験機と円形の接着面を有する十字形接着継手を用いた接着剤のせん断強度評価方法について示した。本報告では矩形の接着面を有する十字形接着継手に対して,この評価方法の妥当性を明確にしている。まず,有限要素法を用いて十字形接着継手の接着層内での応力分布を計算した。計算結果からミーゼスの相当応力には垂直応力が影響をほとんど及ぼさず,せん断応力が支配的であることを示した。次に,実験結果よりミーゼスの降伏条件に従う接着剤を用いた十字形接着継手の破断強度は各負荷割合においてほぼ一定の値となることを示した。このことは種々の組合せ負荷に対して接着層内のミーゼスの相当応力値がほぼ一定となることと一致する。すなわち,接着層がほぼ全域で塑性域に達した時の相当応力値で接着継手の破断が生じている。これに対して,ミーゼスの降伏条件に従わない接着剤を用いた十字形接着継手の破断強度は一定の 値とならなかった。これらのことより,本報告で提案した二軸負荷試験法は種々の組合せ応力に対する接着強度の増減傾向も予測することが可能な評価方法であることを示した。
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