有機化クレー(ステアリルアミン変性モンモリロナイト,以下C18-Mtと略記)と0~0.25g/g-C18-Mtのステアリン酸(SA)をトルエン中で混合した後,トルエンを留去する方法で,C18-MtのSA処理を行った。得られたSA処理C18-Mt(C18-Mt(SA)と略記)の構造,及びC18-MtのSAの吸着状態をX線回折(XRD)測定,示差走査熱量(DSC)測定から検討したところ,以下のことが明らかになった。 C18-Mt(SA)の面間隔はSA処理量の増加に伴い増加し,処理量0.15g/g-C18-Mtで一定になった。このとき面間隔は2.1nmから3.0nmまで増大した。このXRDの結果は,SAがC18-Mtの層間に吸着されること示している。SA処理量0.10g/g-C18-Mt以上のC18-Mt(SA)のDSC曲線には,SAの融解ピークが69℃付近に出現し,その融解エンタルピーは処理量の増加に伴い増加した。この結果は,過剰のSAがC18-Mtの粒子表面に吸着することを示している。また,C18-Mt(SA)のトルエンで洗浄前後の強熱減量測定から,C18-Mt(SA)中のSA量を見積もった結果は,SAの一部はC18-Mt層間に強く吸着され,多くは層間及びC18-Mt粒子表面に物理的に吸着していることを示唆した。
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