日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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41 巻, 7 号
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総説
研究論文
  • 高橋 紳矢, 小池 効矢, 炉村 知之
    2005 年 41 巻 7 号 p. 266-274
    発行日: 2005/07/01
    公開日: 2014/11/30
    ジャーナル フリー
    メトキシ基末端ポリエーテル側鎖を有するメタクリル酸エステル(MMA[メチルメタクリレート]/MPEGMA[メトキシポリエチレングリコールメタクリレート])共重合体を合成し,その詳細な動的濡れ性と防曇性能を検討した。これらの共重合体試料は試料/水界面で高い親水性を示した。これらの表面は大きな接触角のヒステリシス(△θ)を示し,環境媒体に対応したセグメントの応答性が比較的高いことが分かった。これらの防雲性は,MPEGMA含量の増加に伴って向上した。この種の重合体が環境応答型の防曇材料として応用できる可能性を示した。さらに,これらの試料表面をPEGDMA(ポリエチレングリコールジメタクリレート)でUV硬化処理を行い,動的濡れ性と防曇性の両面から元試料表面との比較検討を行った。UV硬化処理試料について,その動的濡れ性解析からPEGDMA添加量により2つの表面構造モデルを提案した。これらの試料表面は高い親水性を示したが,同時に非常に小さい△θを示し,セグメント運動性が大きく抑制されていることを明らかにした。また,これらの試料表面はすべて高い防雲性を示し,その持続性もほぼ良好であった。
研究論文
  • 平野 寛, 田中 光秋, 門多 丈治, 上利 泰幸, 長谷川 喜一
    2005 年 41 巻 7 号 p. 259-265
    発行日: 2005/07/01
    公開日: 2014/11/30
    ジャーナル フリー
    硫黄が金属に対して強い相互作用を示すことや金属と結合することによって錯体を形成することはよく知られており,このことから硫黄を含有するポリマーが金属との密着性や接着性に優れていることは容易に推測できる。そこで,硫黄を主鎖に含む直鎖状ポリマーをbis(4,4'-mercaptophenyl) sulfide(MPS)やbis (4,4'-hydroxyphenyl) sulfide (TDP)から合成し,その金属に対する接着性について引張せん断法を用いて検討した。その結果,MPS由来のポリチオエステルは,TDPからのポリエステルに比べて高い接着強度を示し,これら2つのポリマーの化学構造の違いから,チオエステル部分が金属接着性に大きく貢献していることがわかった。 MPSポリチオエステルが,市販のポリエステルであるPBTやPETに比べて高い接着強度を示したため,これらをPETへ添加した際の挙動について調べた結果,冷間圧延鋼板に対する接着性はポリチオエステルを添加することによって格段に向上することがわかった。しかし,銅板に対する接着性はむしろ低下した。
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