日本接着学会誌
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42 巻, 10 号
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総説
総説
研究論文
  • 木本 正樹, 日置 亜也子, 西田 英夫, 有本 邦夫, 池田 能幸, 佐々木 宗夫
    2006 年42 巻10 号 p. 408-414
    発行日: 2006/10/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    カルボキシル基含有アクリルシリコーン溶液中においてテトラエトキシシランおよびシランカップリング剤の加水分解,重縮合により撥水性複合シリカ微粒子分散コロイド溶液を調製した。調製の際に溶媒中に添加する水の量を変化させ,得られたコロイド溶液をガラス基板に塗布して接触角,ヘイズ,表面粗さなどにおよぼす影響について検討した。合成時における水分含有率の増大にともなって,コロイド溶液中において得られる粒子の粒子径は大きくなり,接触角および塗膜の表面粗さも大きくなる傾向が見られた。さらに水分含有率が増大し 10-15vol%を越えると接触角および表面粗さは急激に増大し,接触角は 150°以上の超撥水性を示した。得られた結果から,撥水膜表面の凹凸度の増大に伴って接触角が増大する機構 (Wenzelの式)と,ある粗さの閾値以上では,水滴下部にエアポケットを生じ接触角が急激に増大する機構 (Cassie-Baxterの式)の二つの撥水機構の存在が示された。
研究論文
  • 岩佐 正明
    2006 年42 巻10 号 p. 401-407
    発行日: 2006/10/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    ガラス繊維強化プラスチックス/ステンレス鋼接着継手を対象とし,応力特異場パラメータを用いたはく離評価線図を開発した。まず,二重重ね合せ接着継手に面圧を付与することができる装置を開発し,はく離強度に及ぼす面圧の影響を検討した。面圧を付与した状態で,二重重ね合せ継手の引張せん断試験を行った結果,引張せん断はく離強度は面圧の増加とともに増大した。次に,面圧を与えた状態で,二重重ね合せ継手の圧縮せん断試験を行った結果,圧縮せん断はく離強度は面圧によらずほぼ一定となった。面圧を与えた状態での二重重ね合せ継手の引張せん断試験,圧縮せん断試験結果とT字型継手の試験結果をまとめて3次元応力解析・応力特異場解析を行った結果,垂直応力による応力特異場の強さとせん断応力による応力特異場の強さを用いた2パラメータはく離評価線図により,接着継手のはく離強度を評価することができることが分かった。
研究論文
  • 山田 雅章, 前田 理恵子, 滝 欽二, 渋谷 光夫
    2006 年42 巻10 号 p. 393-400
    発行日: 2006/10/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    アセトアセチル (AA) 化PVAとpMDI (ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート)とを混合した場合の架橋反応やこれらを接着剤とした場合の木材接着性能について検討するため,PVAの重合度,疎水基量および疎水基の分布状態を示すブロックキャラクターを変えた一般PVAおよびAA化PVAを用いて,接着剤フィルムの動的粘弾性測定や木材接着試験を行った結果,以下のことが明らかになった。pMDIの分散性能が良好なPVAほど混合物フイルムの動的粘弾性のE”ピークが高温側にシフトし,同時にゴム状平坦部のE’値が上昇した。中でもAA化PVAはE”ピークのシフト量が全サンプル中で最大であった。ガラス転移温度のずれからNielsenの経験式1) を用いて算出した架橋密度とゴム弾性理論により導かれた式2)を用いてゴム状平坦部におけるE’値から算出した架橋密度とを比較したところ,ユリア結合などのNCO誘導体の効果が反映される後者からの架橋密度の方が高い値を示した。また,分散性が良いPVAほどどちらの式から算出された架橋密度も高い値を示した。架橋反応に関与したPVA中の官能基の割合(架橋率)を検討した結果,分散性の良いPVAほど架橋率が高く,特にAA化PVAは架橋率が非常に高かった。またpMDI添加比が多くなるほどこの傾向は顕著になった。分散性が良好でフィルムの架橋密度が高いPVAほど高い木材接着性能を示し,分散性能と木材接着性能には高い相関が認められた。
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