日本接着学会誌
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42 巻, 12 号
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総説
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研究論文
  • 角田 正樹, 高橋 辰宏, 宮田 剣, 杉本 昌隆, 谷口 貴志, 小山 清人
    2006 年 42 巻 12 号 p. 506-512
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    ホットタック強度 (HTS) と高分子鎖の絡み合いの関係を調べるため,分子量分布の異なるポリスチレン (PS) を用い検討を行った。ホットタック強度測定用の試験片として基材にポリエチレンテレフタレート (PET) フィルムを用い,溶媒に溶かした試料を研究室製のフロートコーターを用い基材へコートした。HTSは1.0~100sec間 140℃でヒートシールした直後にT型はく離試験を行い測定した。各ヒートシール時間内に,試料中の高分子鎖1本あたりが新しく組み替える絡み合いの個数を動的粘弾性測定から求め評価した。HTSが0以上の値を示すために必要な臨界絡み合い個数は,高分子鎖一本あたりおよそ0.02個程度で平均すると炭素原子6個程度の末端であることが分かった。また分子量分布が広い場合には臨界絡み合い個数が若干少ないことが分かった。破壊の様式は2種類のPS共に絡み合い個数に依存することが分かった。
研究論文
  • アラムシャ エカ・ムリヤ, 山田 雅章, 滝 欽二, 吉田 弥明, 稲井 淳文
    2006 年 42 巻 12 号 p. 499-505
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    熱帯早生樹種を用いた木材製品の接着性能を評価するため,前報ではインドネシア産早生樹の接着について報告したが,本報告では3種類のマレーシア産樹種 (Shorea sp, Acacia mangium Willd, Acacia hybrid) の接着性に関する研究を行った。我が国の代表的な木材接着剤であるPVAc, UF, API, PRF を用いて2プライの集成材を作製した。接着性能を決定するため,構造用集成材のJAS規格により,常態および促進劣化処理後にブロックせん断試験を行った。いずれの接着剤を用いても低密度のShorea sp (平均密度 0.47g/cm3) は全体に高い木破率を示し,接着性は良好であった。一方,樹脂分が多いと思われる中密度のA. mangium (同 0.63g/cm3) では,PVAcによる常態接着性は悪く,ついでUF でも温水浸せき後の接着性は良好といえない。しかし構造用木材接着剤のAPI, PRF であれば良い接着性能を示した。一方A. mangium よりも密度がやや高い A. hybrid (同 0.70g/cm3) では,PVAc やUF による接着性能は良くない。また煮沸繰り返しおよび減圧加圧処理後の接着試験ではAPIよりもPRFの接着性能のほうが良好であった。使用した3樹種の密度と接着強さ,木破率の関係を見ると中-高密度側になるほど木破率のばらつきがかなり大きくなるが,接着強さは全体に大きくなり正の相関が見られた。
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