日本接着学会誌
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42 巻, 2 号
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総説
研究論文
  • 土井 幸夫, RANBY Bengt
    2006 年42 巻2 号 p. 70-77
    発行日: 2006/02/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    乳化重合における乳化剤の化学的役割を知るために乳化剤ラジカルの生成とその反応性が電子スピン共鳴(ESR)法によって検討された。乳化剤ラジカルの生成反応はレドックス系 TiCl3-H2O2から発生する水酸基ラジカルにより開始され,次の結果が得られた。オキシエチレン基を親水基として持つ乳化剤のESRスペクトルはオキシエチレン基からの水素引抜きで生ずるラジカル-CH2OCHCH2OCH2-によるものと同定され,疎水基の構造が異なっていても全て同じであった。PVAラジカルは2級アルコール炭素,-CH(OH)-,からの水素引抜き,それに続く主鎖切断によって生成する構造,-CH2CH(0H),と同定された。アラビアゴムおよびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドからはシグナルが観測されなかった。ビニルモノマーの添加により乳化剤ラジカルの生成は抑制された。ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルラジカルについて,乳化剤ラジカル同士の停止反応速度定数 k3,および乳化剤ラジカルのVAcへの付加反応(VAcの乳化重合において優れた安定剤として働くことが期待される PVAc-b-polyoxyethylene nonylphenol etherなるブロック共重合体を与える開始反応)速度定数 k3がそれぞれ~106 l/mol・sec および~102 l/mol・sec と算出された。
研究論文
  • 池田 修, 伊藤 文就
    2006 年42 巻2 号 p. 64-69
    発行日: 2006/02/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    電子デバイスの配線や電極などに使用されている,導電ペーストの腐食性ガスによるコロージョン試験と接着性について研究した。導電ペーストとしては,導電フィラーとして銀が使用され,バインダーとしてポリエステル,シリコーンならびにエポキシ樹脂が使用されているポリマータイプの3品種を使用した。2層ポリイミドフレキシブルプリント配線板上に塗布,硬化した導電ペーストを,腐食性混合ガスを用いた槽内加速試験で腐食させた。この時,腐食性混合ガス試験は,東南アジアにおける一般環境5年暴露に相当の,硫化水素ガス 2ppm,二酸化窒素ガス 4ppm,試験温湿度 30℃,70%RHの条件で,77.3時間行なった。腐食度合いの分析は,サイカス斜め切削法により深さ方向に対して,電子顕微鏡のEDX成分分析で硫黄成分の分析を行なった。その結果,いずれの導電ペーストも,想定した深さ約2μm まで腐食が進んでいることが明らかになった。接着性についても,サイカス法により測定した。水平剥離強さは,エポキシ樹脂をバインダーに使用した導電ペーストの接着が,最も強固で,コロージョン試験後においても,大幅な強度低下は見られないことが確認できた。
研究論文
  • 田淵 智美, 延命 正敏, 松川 公洋
    2006 年42 巻2 号 p. 56-63
    発行日: 2006/02/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)とγ-メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシランを用いて,銀製品の防錆用コーティングをゾル・ゲル法により作製した。まず,MPTMS または MPDMS のラジカル重合及び MPDMS とメチルメタクリレート(MMA)との共重合を行い,それぞれにテトラエトキシシラン(TEOS)を加えたゾルを金属基板(銀,銅,アルミニウム)上に製膜して150℃で熱処理した。その結果,どのゾルからも無色透明でクラックのない1μm厚の膜が得られた。エタノール,アセトン,テトラヒドロフランに対する溶解性を調べた結果,MMA を含まないコーティングは不溶性を示し,MMA を含む膜はいずれの溶媒にも溶解性を示した。また,前者のコーティングは後者のそれより優れた耐磨耗性及び耐熱性を示した。更に,MPDMS-TEOS 系においてメルカプトプロピルトリメトキシシランが銀基板に対する密着性の向上に寄与することについて,X線光電子分光法を用いて調べた。
研究論文
  • SRIBURI Pensiri, 小川 俊夫
    2006 年42 巻2 号 p. 45-55
    発行日: 2006/02/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    ヤシの繊維とポリ乳酸(PLA)あるいはポリブチレンサクシネート(PBS)からシクロヘキサンを溶媒として複合材料を作成し,キャラクタリゼーションを行った。ヤシの繊維量と樹脂の種類の比を変えて複合材料としての最適化を検討した。具体的には,水分量,顕微鏡観察,見掛け密度,樹脂および成形物の物理的および機械的性質について調べた。その結果,PLA および PBS のヤシの繊維への含浸状態が複合材料の性質に著しく影響を与えた。両樹脂を含浸した複合材料はほぼ似たような性質を示した。すなわち,樹脂含量の増加とともに,見かけ密度,曲げ強度,および弾性率は増加し,内部の接着力も向上した。しかし,あまり樹脂量を増やすと,複合材料の均一性が損なわれてくる結果となった。一般に,PLA からの複合材料と PBS からのそれと曲げ強度や弾性率は同じような値を示した。ただし,PBS が高濃度の場合,あまり良い性質が得られなかった。結局,ヤシの繊維約 50%と PLA 約 50%から成形した場合,複合材料として最も好ましい物理的,機械的性質を示した。
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