日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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42 巻, 4 号
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総説
総説
技術論文
技術論文
  • 中村 吉伸, 藤田 和也, 足立 学, 橘 祐太, 飯田 健郎, 浦濱 圭彬
    2006 年 42 巻 4 号 p. 138-145
    発行日: 2006/04/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
     碁盤目テープはく離試験で,セロハンテープが広く用いられているが,塗膜の表面状態やはく離条件に依存せずに一定のビール粘着力を示すことが必要である。この試験の精度に影響する粘着テープに関する因子について検討し,以下の結果が得られた。JISで規定されている粘着テープの貼り付け方法,放置時間,試験時のはく離角度や速度はこれに従うことが有効である。粘着テープのリールからの巻き戻しは,低速で一定にする必要がある。JISでは測定時の温度,湿度が規定されているが,保管時の注意も必要である。特に湿度は,はく離試験時の影響のみならず,保管時の粘着テープへの影響も大きい。セロハンテープ(ニチノン)と同じく汎用の粘着テープであるメンディングテープ(3M)を用い,ビール粘着力に及ぼす被着体の表面性質と表面粗さの影響について検討した。SUS,フェノール樹脂等の4種類の被着体を用い,表面をサンドペーパーで表面を研磨して粗面化した。セロハンテープは,これらの因子の影響がほとんどなかったが,メンディングテープは影響を受けた。セロハンテープは,碁盤目テープはく離試験の粘着テープとして適していることが分った。
研究論文
  • 谷中 一朗, 木賀 大悟, 堀 成人, 竹村 彰夫, 小野 拡邦
    2006 年 42 巻 4 号 p. 129-137
    発行日: 2006/04/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
     エマルション型アクリルポリマーとエマルション型ロジン系タッキファイヤーから構成した粘着テープを被着体に貼り付けた時の初期剥離強さはタッキファイヤー配合量に比例する結果が得られた。また,長期保存の場合には,剥離強さが経時的に上昇する現象が確認された。 長期保存による剥離強さ上昇の理由の一つとしてタッキファイヤーの表面層移行が考えられる。この検証のため,タッキファイヤーの粘着剤中の濃度と粘着剤表面層の濃度を赤外分光法での透過法とATR法を用いて検討した。吸収スペクトル中のタッキファイヤーおよびベースポリマーの特性吸収を利用して検量線を作成し,長期保存での表面タッキファイヤー濃度の変化を調べた結果,剥離強さとの間に高い正の相関を見出した。 以上の結果から,この経時的変化の原因の一つが粘着剤表面層へのタッキファイヤーのマイグレーションによるものであると結論づけた。
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