日本接着学会誌
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42 巻, 6 号
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総説
総説
研究論文
  • 永井 大介, 八尾 隆慶, 西澤 理, 落合 文吾, 遠藤 剛
    2006 年42 巻6 号 p. 231-237
    発行日: 2006/06/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
     本論文では,溶液系での過酸化物や酸素による水素引き抜き反応を利用した低密度ポリエチレン(LDPE)へのメタクリル酸(MA)のグラフト重合と得られたグラフト共重合体のアルミニウム箔に対する接着性を評価した。アルゴン雰囲気下,過酸化物として2,5-ジメチルー2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン(BBPOH)を,溶媒として連鎖移動定数の小さいクロロベンゼンを用い,130℃で211時間反応を行うことにより,グラフト化率最大0.91mol%であるグラフト共重合体が得られた。得られたグラフト共重合体をフィルム成形した後,これとアルミニウム箔を200℃,3分間の条件で加圧して多層フィルムを作成し剥離試験を行ったところ,非常に高い接着性を示し,材料の破壊に至るまで剥離が起こらなかった。グラフト化率の接着強度への影響を評価するために低温(175℃),短時間(20秒間)で,より低強度の多層フィルムを作成し,剥離試験を行ったところ,グラフト化率の増加に伴い接着性が向上することが分かった。さらにグラフト共重合体とアルミニウムの接着界面の状態を評価するために,200℃,3分間の条件で作成した多層フィルムを液体窒素中で破断した後,破断面のSEM観察を行った。その結果,グラフト化率0.42mol%のグラフト共重合体は破断時に一部アルミニウムが剥離しているのに対し,グラフト化率0.91mol%のグラフト共重合体は破断後も接着面を維持していることが分かった。このことからも高いグラフト化率を有する共重合体は非常に高い接着性を有することが明らかとなった。
研究論文
  • 岸 肇, 植澤 和彦, 稲田 雄一郎, 西田 裕文, 松田 聡, 佐野 紀彰, 村上 惇
    2006 年42 巻6 号 p. 224-230
    発行日: 2006/06/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    単官能エポキシを添加した数種のエポキシ接着剤組成について,アルミニウム被着体へのせん断接着強さを評価し,その接着強さ発現機構を添加剤の極性や接着層の残留内部応力との関連にて考察した。イミド骨格を有する高極性単官能エポキシ(グリシジルフタルイミド:GPI)の添加により,ビスフェノールA型エポキシ樹脂/アルミニウム被着体の引張りせん断接着強さが向上した。別の単官能エポキシであるt-ブチルフェニルグリシジルエーテルを添加した系では同様の効果は認められず,単官能骨格導入による残留内部応力の低下のみではこの現象を説明できない。FT-IR解析を行ったところ,GPI添加系の場合,イミド骨格(カルボニル基)が接着界面近傍に高濃度に存在することが知られた。高極性を有するGPIは高極性表面を持つ金属被着体との親和性が高く,被着体表面近傍に硬化中に引きよせられ,両者の引力的相互作用により接着強さ向上をもたらしたと考えられる。
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