日本接着学会誌
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42 巻, 7 号
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総説
総説
技術論文
  • 江部 和義, 妹尾 秀男, 山崎 修
    2006 年 42 巻 7 号 p. 280-286
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    半導体集積回路形成済みチップの積層に用いるペースト状接着剤に起因する問題の解決と半導体製造プロセスを簡略する目的で,アクリル酸エステル共重合体,紫外線硬化型樹脂およびエポキシ樹脂からなる粘接着剤を開発した。紫外線硬化型樹脂の添加量および紫外線照射光量が過剰になると接着物性は低下することがわかった。一方,メタクリル酸グリシジルをアクリル酸エステル共重合体中に含み,エポキシ樹脂として多官能ノボラック型エポキシ樹脂を用いることにより良好な接着性および耐熱性が得られた。本テープは紫外線硬化と加熱硬化を段階的に行うことにより,汎用のダイシングテープならびにペースト状接着剤より優れた性能を示し,ダイシング機能とチップ接合能を兼備した全く新しい半導体製造用粘接着剤に成り得ることがわかった。
技術論文
研究論文
  • 岸 肇, 小林 友作, 長尾 厚史, 松田 聡, 浅見 敏彦, 村上 惇
    2006 年 42 巻 7 号 p. 264-271
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    カルボキシル基末端ブタジエンニトリルゴム(CTBN)をエポキシ樹脂に反応ブレンドしたポリマアロイ樹脂により金属板を接着し,制振特性および接着強さを評価し,物性発現機構をアロイ樹脂の動的粘弾性,力学特性や相分離構造と関連づけ考察した。CTBN/ジグリセロールポリグリシジルエーテルアロイ樹脂(CTBN添加量30wt%)には,ゴムリッチ相が連続相,エポキシリッチ相が分散相となるミクロ相分離構造が硬化中に形成された。硬化樹脂の低強度・低伸度を反映し接着強さは低く,また拘束型制振鋼板の損失係数(η)の温度・周波数依存性は大きいものであった。一方,CTBN/ビスフェノールAジグリシジルエーテルアロイ樹脂硬化物(CTBN添加量60wt%)には明確な相分離構造は認められず,両成分がナノレベルにまで相溶化が進んだと考えられる。硬化樹脂の広温度範囲における高損失正接(tanσ)を反映し,広い温度・周波数領域にて拘束型制振鋼板のηが0.1以上となる高制振性を発現した。ηの温度依存性や樹脂組成間の序列は,硬化樹脂のtanσ,せん断弾性率および制振鋼板の形状因子をパラメータとしたRoss-Unger-Kerwin式により概ね説明できる。また,CTBN/ビスフェノールAジグリシジルエーテルアロイ樹脂の高せん断・はく離接着強さは,バルク樹脂の高エネルギー吸収能力とアルミ板への高界面接着性によりもたらされたと考えられる。
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