日本接着学会誌
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43 巻, 3 号
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総説
総説
論文
  • 堀 靖郎, 穂永 信, 石部 功
    2007 年 43 巻 3 号 p. 97-103
    発行日: 2007/03/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    粘着テープを被着物から剥離する時の帯電について,その帯電量の測定手順,帯電の2次元分布測定を含めて,基礎的な研究を行った。ファラデーケージと前置増幅器,XY型帯電2次元分布測定装置を新たに作製した。用いた粘着テープは5種類,被着物は15種類を用い,それぞれの組み合わせについて剥離時帯電の測定を行った。得られた粘着テープの剥離時帯電量は,粘着剤がゴム系・アクリル系に拘わらず,普通の接触帯電と同様に被着物の帯電列に沿って,大きな負帯電(被着物:ポリメチルアクリレート(PMMA))から大きな正帯電(被着物:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))まで順番に変化した。但し被着物との組み合わせによっては,帯電量の大きさが順に並ばないものや,その帯電極性までも反対に出る組み合わせも有った。現在のところ,この原因は粘着剤に含まれる主剤以外の化合物と被着物との接触帯電作用によると推測している。剥離時帯電による,被着物の帯電2次元分布も測定し,いろいろな分布形態が有ることを見つけたが,この分布形態と接着形態及び剥離時放電との関係も考察している。
  • 柴田 健一, 白井 光義, 井上 剛, 赤木 雄
    2007 年 43 巻 3 号 p. 104-111
    発行日: 2007/03/01
    公開日: 2015/10/31
    ジャーナル フリー
論文
  • 古川 信之, 川崎 佳代子, 居村 加奈代, 嬉野 智也, 山本 道方, 竹市 力
    2007 年 43 巻 3 号 p. 89-96
    発行日: 2007/03/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    近年,ベンゾオキサジンは,高耐熱性,高ガラス転移温度等の優れた特性を有し,低硬化収縮性を有する開環重合性の熱硬化性樹脂であることが報告されている。本研究では,フェノール樹脂を原料に合成される新規なベンゾオキサジン樹脂の熱硬化反応性,硬化物の熱的特性および機械的特性について検討を行った。DSCの測定結果から求めた,これらの樹脂の反応温度はいずれも230℃~250℃の範囲であった。架橋反応後の熱分解は,結合基の種類にかかわらず,いずれも300℃付近から始まることが分かった。架橋反応後の樹脂の700℃に於ける残渣率は,フェノール間の結合基をメチレン基とした樹脂が最も高い値を示した。さらに架橋反応物の動的粘弾性測定の結果から,結合基がメチレン基の樹脂のガラス転移温度が最も高く,ガラス転移温度未満での貯蔵弾性率も高いという結果が得られた。また,動的粘弾性の測定結果から架橋密度を算出した。架橋密度とガラス転移温度,熱膨張係数の関係を調べた結果,架橋密度が高い樹脂ほどガラス転移温度は高くなるが,熱膨張係数は大きな違いが観られなかった。また,ガラス転移温度以下における弾性率は,架橋密度が高いほど弾性率が大きな値を示した。これらのベンゾオキサジンの動的粘弾性測定の結果から,結合基の購造により架橋密度が異なり,これが弾性率やガラス転移温度に影響を及ぼすことが示唆される。
論文
  • 岩崎 玲奈, 佐藤 千明, 山辺 秀敏
    2007 年 43 巻 3 号 p. 81-88
    発行日: 2007/03/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    接着界面における吸水による界面破壊の起こりやすさを予測する手段として,ステンレスにエポキシ接着剤を塗布した試験片の水中浸漬試験,引張せん断試験および蛍光物質をトレーサとして使用した接着界面の観察を行った。樹脂としては,ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤,複素環式ジアミン変性物又はDDM (p,p'-メチレンジアニリン)を硬化剤に用いた。まず,樹脂を塗布したステンレス(SUS304)板を水中に浸漬し,質量の時間変化を測定した。その結果,硬化剤にDDMを用いた樹脂系で,樹脂硬化物以上の飽和吸水量が確認された。さらに,引張せん断試験を実施し,強度を確認した。また,エポキシ樹脂を塗布した金属片をローダミンB水溶液に浸漬し,その断面を蛍光顕微鏡で観察した。その結果,硬化剤にDDMを用いた樹脂系では,界面で特異的に高い輝度が見られた。
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