日本接着学会誌
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44 巻, 12 号
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総説
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研究論文
  • Kongpun Teerin, 小椎尾 謙, 古川 睦久
    2008 年 44 巻 12 号 p. 458-465
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    セグメント化ポリウレタン(SPUs)のミクロ凝集構造と接着特性への硬化温度の影響を調べるため,SPUsを4,4'‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),1,4‐ブタンジオール(BD),ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)を用いてプレポリマー法で合成した。硬化温度を50,75,100,125℃と変化させた。膨潤試験,偏光顕微鏡観察,示差走査熱量測定,接触角測定,アルミ板とのT型剥離試験により,ミクロ凝集構造と接着特性を評価した。硬化温度が上昇すると,SPUのハードセグメント(HS)が成長,凝集し物理架橋を生成するため,HSドメインの融点(Tm,H),ソフトセグメントのガラス転移温度(Tgs)とも上昇し,接着強度と表面エネルギーは減少した。また,ソフトセグメントドメインの融点(Tm,S)は硬化温度の上昇ともにいったん上昇するが,さらに硬化温度が高いと観察されなかった。興味あることには100℃以上で硬化したSPUsの(Tm,H)はそれより低温硬化したSPUsより極端に高い温度であった。100℃以上で硬化したSPUsの表面自由エネルギーの極性成分(γsp)と接着強度は低温硬化のそれより弱かった。これらの結果は極性であるハードセグメメント成分がSPUsの極表面ではわずかしか存在しないことを示している。よって,接着強度は接着強度はSPUsの極表面に存在するハードセグメントに強く依存した。とりわけ,全てのSPUsにおいて凝集破壊が観察された。これは,高い極性を持つアルミ基板とSPUs接着剤との分子間相互作用が,SPUs接着剤の分子内相互作用よりより強いことによると考えられる。
研究論文
  • 瓦田 研介, 鈴木 吉助, 斉藤 吉之, 飯田 孝彦, 田村 靖夫
    2008 年 44 巻 12 号 p. 451-457
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    軽量・軟質のスギ間伐材から調製したフレークチップを表層に用いて表層圧縮比の異なる3層パーティクルポードを調製し,表層圧縮比および細孔構造が材質に及ぼす影響について調べた。その結果,目標ボード密度や表層比率が大きくなると表層圧縮比も高くなるが,芯層圧縮比はあまり変化しなかったことから,表層に配置された低密度のスギフレークチップは熱圧締時に負荷された圧力を速やかに緩和していることが推察された。また,表層圧縮比が高くなると曲げ強さ,湿潤時曲げ強さおよび吸水厚さ膨張率が大きくなることがわかった。水銀圧入法によりボード表層の細孔分布を調べた結果,熱圧締時に高い圧縮力がチップに負荷されると仮道管が変形して負荷された圧力を緩和するが,細孔は完全には閉塞せず,1㎛以下の細孔が開口しているため圧縮比が高くなっても十分吸水でき,吸水厚さ膨張率の原因であるスプリングバックを引き起こしていると考えられた。
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