日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
45 巻, 10 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
総説
総説
技術論文
  • 金子 貴昭, 羽田 臣利, 岡下 和彦, 田中 直人, 野原 和宏, 宮入 裕夫
    2009 年45 巻10 号 p. 382-386
    発行日: 2009/10/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,実鋼構造物での接着接合部の物理的劣化因子に対する耐久性を検証し,接着接合が実鋼構造物に適用可能なことを証明することである。まず,実鋼構造物での接着接合部の物理的劣化因子を「地震や風による繰り返し変形」と「温度変化に伴う熱応力の繰り返し」による疲労に絞り込んだ。これらの条件を基に目標値を設定し,疲労試験を行った結果,目標を満足するだけではなく,構造上必要な接着せん断強度の約1.5倍の応力でもほぼ永久に破壊しないことが分かった。本結果は第1報で提示の劣化促進試験で90年相当の化学的劣化を与えた試験体で疲労試験を行うという過酷な条件での試験であるだけに,信頼性が高い結果だと考えている。第1報及び本報告により,接着接合部の耐久性を化学的にも物理的にも保証出来る有効な寿命推定手法を提示すると共に,本仕様の耐久性が住宅の品質確保の促進等に関する法律の最高レベル(90年以上)であることを証明出来た。
研究論文
  • 塩手 秀直, 佐藤 千明, 大江 学
    2009 年45 巻10 号 p. 376-381
    発行日: 2009/10/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,通電により接着界面の強度が低下する通電剥離接着剤を取り上げ,その接着接合部の強度低下に及ぼす通電処理の影響を実験的に調べた。試験には,組み合わせ応力状態での強度を測定できるARCAN試験法を用い,本試験片に通電を行った後の残存強度を測定した。この結果,通電条件が同じ場合は,強度の低下が応力成分の比率に依存しないことが分かった。また,同一の応力成分の比率では,試験片の残存強度は通過電気量面密度に依存し,かつ印加電圧には依存しないことが分かった。この二つの結果から,応力状態や印加電圧によらず,継手の残存強度を,各応力成分比率における初期強度と,通過電気量面密度より予測可能であることを明らかにした。さらに,本理論を実際の分離機構に応用できるか検証するため,バイアスばねを有する簡易な分離機構を作製し,試験を行った。この結果,本報告で示す残存強度評価法により,分離機構の挙動を良好に予測できた。
研究論文
  • 林 隆紀, 古田 雅一, 林 壽郎
    2009 年45 巻10 号 p. 368-375
    発行日: 2009/10/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    非水溶性高分子担体として,多孔性キトサン粒子を選択し,それにトリプシンを共有結合で固定化して得られる非水溶性トリプシンの酵素活性および安定性について実験的評価を行った。本研究では高分子担体と酵素分子の間に長さの異なるアルキル鎖のスペーサーを導入し,酵素活性および安定性に及ぼすスペーサー効果について検討した。スペーサーを介在させずに共有結合法によってキトサン粒子に酵素固定させた場合は,酵素分子の部分的変形などにより,遊離酵素に対する酵素反応の相対活性(RA)の低下が認められた。特にカゼインのような高分子基質に対しては顕著な低下が示された。他方,スペーサーが介在する系では,固定化に際しての酵素の変形の度合いが比較的軽微であるため,RAの低下の度合いが少なかった。また,共有結合による担体結合法で固定化した酵素の熱および保存安定性は大きく改善された。これは,担体と結合した酵素の高次機造が強固に保持されるためと考えられる。さらに,担体と酵素の間に介在するスペーサーの長さに応じて酵素の安定性が変化し,一般に,スペーサーの長さが増すに従って固定化酵素の安定性は遊離酵素の場合に近づいていくことが示された。固定化酵素は,反復あるいは長時間連続使用が可能となり,実用的にも有用であることが明らかとなった。
feedback
Top