日本接着学会誌
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45 巻, 3 号
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総説
総説
研究論文
  • 大塚 恵子, 松本 明博, 木村 肇, 長谷川 喜一, 平野 寛, 岩井 利之
    2009 年 45 巻 3 号 p. 94-101
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    ジアリルフタレート樹脂は,優れた耐熱性,高温高湿下における電気絶縁性,寸法安定性などから,電気・電子部品や電子部品封止材料として使用されている。しかし,近年の各種電気・電子部品の小型化・精密化に伴い,電気部品の金属インサート部や電子部品のリードフレームに使用されている銅に対する接着性の改善が要求されている。本研究では,ジアリルフタレート樹脂の金属に対する接着性向上を目的として,金属に対する界面相互作用を強化すると考えられる硫黄原子を含む官能基とジアリルフタレート樹脂と共重合するアリル基を持つアリルエステル化合物を合成し,改質剤としてジアリルフタレート樹脂に配合した場合の接着性を評価した。ジスルフィド結合を構造中に持つアリルエステル化合物を配合した場合,ジアリルフタレート樹脂と比較して銅に対するはく離接着強度は3.5倍,せん断接着強度は2倍になった。また接着試験後の試験片はく離表面の走沓型電子顕微鏡観察から,ジスルフィド結合を構造中に持つアリルエステル化合物の配合による界面接着力の向上が示I唆された。
研究論文
  • 佐々木 眞利子, 本田 裕彰, 仲野 慎治, 藤井 秀司, 中村 吉伸, 永田 員也
    2009 年 45 巻 3 号 p. 88-93
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    メルカプト基を含有するシランカップリング剤による球状シリカ粒子の表面処理を行い,単分子層以上の被覆層を形成させた粒子を作製した。シランカップリング剤は,アルコキシ基の数が2と3のものをもちい被覆量は単分子層被覆に必要なシランの量の約1倍から8倍の範囲で変化させた。アルコキシ基の数が2の場合のシラン鎖は直鎖状,3の場合はネットワーク状になるはずである。この表面処理シリカ粒子のパルスNMR測定を行い,表面の処理層のシラン分子鎖の易動性を評価した。その結果,パルスNMRの緩和時間はアルコキシ基の数が2の方が3の場合より長かった。アルコキシ基の数が2の場合は,被覆量の増加にともなって緩和時間が長くなったが,3の場合はこの影響がなかった。アルコキシ基の数が2の場合のシラン鎖はフレキシブルであり,鎖長とともにこれがより顕著になるのに対し,3の場合は被覆量にかかわらずリジッドであることが分った。
研究論文
  • 林 隆紀, 淀谷 真也, 古田 雅一, 林 壽郎
    2009 年 45 巻 3 号 p. 81-87
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    適切な水溶性高分子担体に酵素を共有結合で修飾して得られる修飾酵素が,高い酵素活性を維持し酵素安定性が改善される最適反応条件と技術の確立を目指すため,本研究では高分子担体としてコポリ(L-グルタミン酸:/L-アラニン)(EA)を選択し,酵素には脂質分解酵素であるリポ蛋白リパーゼ(LPL)を選んだ。種々の条件で調製した修飾LPLの酵素活性および安定性を実験的に評価した。本研究における修飾LPLは未修飾の場合に比べて相対活性を大きく低下させることなく,熱安定性,保存安定性を顕著に改善された。さらに,実用性の点からも,取扱いの簡便化,反復使用耐久性が得られることが示唆された。一方,水溶性(親水性)アミノ酸を主成分とし,それに適当な疎水性アミノ酸を共重合させることにより酵素-基質反応性を改善する可能性が認められた。
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