日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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45 巻, 4 号
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総説
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研究論文
  • 中村 吉伸, 足立 学, 橘 祐太, 酒井 悠, 仲野 慎治, 藤井 秀司, 佐々木 眞利子, 浦濱 圭彬
    2009 年 45 巻 4 号 p. 130-138
    発行日: 2009/04/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    ポリメタクリル酸メチルブロックとポリアクリル酸ブチルブロックからなるアクリル系ブロックコポリマーとタッキファイヤを成分とするモデル粘着剤を作製し,粘着剤におけるタッキファイヤの役割を明らかにしようとした。ベースポリマーと相溶性の高いタッキファイヤを用い,これと比較するためにポリアクリル酸プチルオリゴマーを加えた系も作製した。ローリングタック試験機で温度と試験速度を変化させてタックを測定し,時間-温度換算則からマスターカーブを作成した。その結果,タックは試験速度とともに上昇し,破壊モードは凝集破壊から界面破壊に変化した。タックは,タッキファイヤ添加系の方がオリゴマー添加系より高かった。動的粘弾性のマスターカーブも同様に作成して比較した結果,試験速度にともなうタック値や破壊モードの変化が粘着剤の粘弾性に依存していることが分った。タッキファイヤ,オリゴマーともにベースポリマーの易動性,つまり界面の密着性を向上させるが,タッキファイヤのみに同時に凝集力も高める効果があった。
研究論文
  • 林 隆紀, 淀谷 真也, 古田 雅一, 林 壽郎
    2009 年 45 巻 4 号 p. 124-129
    発行日: 2009/04/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    水溶性合成ポリペプチド担体として,コポリ(L-グルタミン酸/L-アラニン)(EA)による修飾リポ蛋白リパーゼ(LPL)(EA-LPLと略称)を用いたポリε-カプロラクトン)(PCL)繊維の酵素分解特性について,酵素分解に伴う繊維の乾燥重量減少率および抗張力低下の度合いを測定することから検討し,未修飾LPLの場合との比較を行った。未修飾LPLによるPCL繊維の分解は当初,繊維表面から進行するが,酵素分解の進行に伴い,繊維の抗張力,低下の度合いは重量減少率よりも速やかに進行した。これは,酵素分解の進行に伴い,酵素分子が次第に繊維内部へも侵入することを示唆するものと考えられる。それに対して,EA-LPLの場合には,酵素活性そのものは未修飾LPLに比べて若干低下するが,酵素分解によるPCL繊維の重量減少に伴う抗張力低下の度合いが効果的に抑制され,PCL繊維表面のみでの分解がかなり長期にわたって維持された。これは,水溶性高分子担体の嵩高さと繊維表面層のPCLとの相互作用に基づくものと考えられる。また,PCL繊維の延伸処理により,繊維配向性および結晶性が向上すると,酵素分解速度が顕著に低下することが明らかとなった。
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