日本接着学会誌
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45 巻, 8 号
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総説
総説
研究論文
  • 林 隆紀, 淀谷 真也, 古田 雅一, 林 壽郎
    2009 年 45 巻 8 号 p. 290-297
    発行日: 2009/08/01
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    リポ蛋白リパーゼ(LPL)を固定化用担体としてコポリ(γ-メチルーL-グルタメート/L-ロイシン)(ML)微粒子を調製し,これに酵素を固定化させることにより,酵素の触媒活性や熱安定性,保存耐久性などの安定性,および反復あるいは長期連続使用の可能性などにどのような効果が得られるかを検討した。また,トリグリシンを共有結合法により高分子担体と酵素との間にスペーサーとして介在させた場合,酵素活性や安定性に及ぼす効果を調べた。不溶性高分子に固定化された酵素は遊離酵素に比較して,酵素活性は若干低下したが安定性は大きく改善された。一方,スペーサーを介在させることにより,安定性はある程度低下するが酵素活性が増大した。酵素活性を測定するための低分子基質にはパラニトロフェニルラウレート(pNPL)を選択した。それぞれの系について,ミカエリス定数(Km, Vm)を求め比較評価した。
ノート
  • 谷口 孝, 下山 直樹
    2009 年 45 巻 8 号 p. 304-307
    発行日: 2009/08/01
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    3官能性オルガノポリシロキサン系ハードコート膜(OPS系HC膜と略記)において表面硬度に及ぼす有機置換基の影響を調べ,以下のことが明らかとなった。(1) 表面硬度向上には,脱水縮合反応における立体障害を小さくする必要がある。(2) 有機置換基としてはメチル基がもっとも優れ,スチールウール摩耗に耐える表面硬度が得られる。(3) 炭素数2以上の有機置換基を有するOPS系塗膜は高度な3次元架橋網目構造とならない。(4) メチル基とビニル基を有するシラン化合物を併用したOPS系HC膜は優れた表面硬度と射出成型PMMA基材に対しても良好な接着性を示す。
技術論文
  • 佐野 敦子, 篠田 まゆ, 山田 雅章, 滝 欽二, 吉田 弥明
    2009 年 45 巻 8 号 p. 298-303
    発行日: 2009/08/01
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    木質構造の接合部に接着剤を併用する場合,現場接着操作終了後の接着性能の変化を知ることは施工管理上重要である。市販の常温硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いて作製した接着試験片を施工現場で想定される20℃から60℃で養生し,接着性能試験を行った。さらに同条件で養生したフィルムの動的粘弾性測定から求めた損失弾性率のピーク温度を硬化度の指標として接着性能と硬化度の相関を調べた。動的粘弾性測定の結果から,エポキシ樹脂の硬化は温度の上昇または時間の経過とともに進み,ある程度まで進むと横ばいになること,またその程度は異なる温度で養生した場合は一致しないことが明らかになった。一方,木材接着の接着強さには,接着剤の硬化度の影響がほとんど認められなかった。これは接着剤の硬化が進むと,接着剤の凝集力と木材界面の接着力が木材の凝集力を上回るようになり,接着強さが木材の強度に依存するようになるためである。
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