日本接着学会誌
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45 巻, 9 号
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総説
総説
研究論文
  • 高倉 剛, 熊谷 隆秀, 稲垣 慎二, 山田 英介, 曽根 一祐
    2009 年 45 巻 9 号 p. 338-345
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    合成した熱可塑性ポリウレタンエラストマー(PUE)をマトリクスとし,フラーレンC60(以下C60と略記)や混合フラーレン(C60,C70,高次フラーレンの混合物,以下MFと略記)およびフラーレン製造時に生成する溶媒不溶のフラーレン類似炭素(以下FBと略記)との複合化およびそれらの諸物性を測定し,相構造と物性の関係を検討した。まず,溶媒を用いて得た複合物の引張物性は,フラーレン類(C60, MF)の添加量が100~数百ppm程度で初期モジュラスの向上が認められた。また,市販のTPUにフラーレン類の粉末を2本ロールにて混練する方法においても,溶媒法と同様の結果が得られた。また,FBも同様に検討したところ,どちらの方法によっても数phrの添加で機械的特性が向上し,添加量と共に引張応力が増加することが分かった。これらの示差走査熱量および動的機械測定から作用機構を推察した。また,このような極めて少量の添加は,加工性および成形性をほとんど損ねることがないため,有用な工業材料と期待される。
研究論文
  • 横山 直樹, 雨澤 修, 会田 勝之, 小倉 有紀子, 新田 宏二, 高橋 紳矢, 䋆村 知之
    2009 年 45 巻 9 号 p. 330-337
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    ハロゲンフリー難燃性FPC接着剤への展開を目的に,エポキシ/フェノキシ混合硬化物およびエポキシ/フェノキシ/CPP混合硬化物のモルフォロジーと特性に及ぼすフェノキシ配合率およびCPP配合率の影響を研究した。その結果,フェノキシ混合硬化系は,従前のNBR混合硬化系で問題となっている,Tgの低下および電気絶縁信頼性の低下をおのおの引き起こすことなく,フェノキシ配合率30wt%でピール強度および破断伸びを極大化できることがわかった。さらに,硬化物のモルフォロジーは,エポキシ硬化物リッチ相とフェノキシリッチ相が共連続構造を示した。したがって,前記の極大化は,高凝集力性のエポキシ硬化物リッチ相と高靭性なフェノキシリッチ相の各特性が良くバランスし,相乗効果を示した結果であると考えられる。一方,CPPは,配合率3wt%(リン含有率0.4wt%)という少量でVTM-0難燃性を付与でき,同配合率においては硬化物特性に悪影響を及ぼさないことも確認された。
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