日本接着学会誌
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46 巻, 1 号
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総説
総説
研究論文
  • 林 隆紀, 古田 雅一, 林 壽郎
    2010 年 46 巻 1 号 p. 4-10
    発行日: 2010/01/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    水溶性高分子担任体として,コポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)(MAMEC)を選択し,それにリポ蛋白リパーゼ(LPL)を共有結合で修飾させて得られる水溶性高分子修飾リポ蛋白リパーゼ(MAMEC-LPL)によるポリ(ヘキサノー6-ラクトン)(PCL)繊維の酵素分解特性について,酵素分解に伴うPCL繊維の乾燥重量減少率および抗張力低下の度合いを測定することから検討し,未修飾LPLの場合との比較を行った。未修飾LPLによるPCL繊維の分解は,当初,繊維表面から進行するが,酵素分解の進行に伴い,繊維の抗張力低下の度合いは重量減少率よりも速やかに進行した。これは,酵素分解の進行に伴い,酵素分子が次第に繊維内部へも侵入することを示唆した。一方,修飾LPLの場合には,酵素活性そのものは未修飾LPLに比較して僅かに低下するが,酵素分解によるPCL繊維の重量減少に伴う抗張力低下の度合いが効果的に抑制され,繊維表面のみでの分解がかなり長期にわたって維持された。これは,水溶性高分子担体の嵩高さとPCL繊維表面層との相互作用に基づくものと考えられる。また,PCL繊維の延伸処理により,繊維配向性および結晶性が向上すると,酵素分解速度が顕著に低下することが明らかとなった。
ノート
  • 谷口 孝, 森 薫, 下山 直樹
    2010 年 46 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2010/01/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル 認証あり
    透明プラスチック基板の光学用途への展開において,表面高硬度化,可携‘性,可染性に加えて反射防止特性の付与が必須となる。筆者らは溶液コーティング法を用いた反射防止特性付与に関して,高屈折率材料および低屈折率材料の選定,さらに複層膜化に適した表面の前処理方法について検討し,以下のことを明らかにした。(1) 高い表面硬度を有する反射防止膜を得るためにはプラスチック基板上にハードコート特性を有する高屈折率材料を設けることが必要である。(2) 低屈折率材料としては表面硬度,可染性の観点から,フッ素含有ポリシロキサン系材料からなる組成物が好適である。(3) プラスチック基板および高屈折率材料塗膜上へのコーティングに際しては,密着性付与のためにアルカリ処理や低温酸素ガスプラズマ処理などの前処理を施すことが好ましい。
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