日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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46 巻, 12 号
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総説
総説
研究論文
  • 坂木 博之, 高島 瑛太, 松田 聡, 岸 肇
    2010 年 46 巻 12 号 p. 473-478
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    異種高分子の組み合わせは一般には相溶性や相互の接着性に乏しいため,これらの多層成形体には界面剥離が生じやすく,単一樹脂成形体より脆性・低強度なものになりがちである。回転成形でも同様,ポリエチレン層とポリプロピレン層の2層成形体は,層間剥離が生じる。しかしながら,これら2層の間に,ポリエチレンとポリプロピレンの混合パウダーを中間層として投入することで,剥離強さが著しく向上することを見出した。また,その中間層のポリエチレンの密度を変化させると,剥離強さが変わることが知られた。この中間層の相構造や,剥離表面の観察を行ない,中間層におけるポリエチレンの塑性変形挙動と剥離強さ発現メカニズムについて検証した。
研究論文
  • 中村 吉伸, 今村 圭吾, 伊東 慶子, 茄子 由香利, 大田 和栄, 藤井 秀司, 佐々木 眞利子, 浦濱 圭彬
    2010 年 46 巻 12 号 p. 466-472
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    接着強さは被着体との界面の密着性と接着剤自身の凝集力の2つの因子に依存する。アクリル系ブロックコポリマーの接着特性をプローブタック試験で評価した結果から,界面の密着性と凝集力の相対的な寄与の割合について考察した。ポリメタクリル酸メチル-block-ポリアクリル酸ブチル-block-ポリメタクリル酸メチルトリブロックコポリマー単独(A),これにポリメタクリル酸メチル-block-ポリアクリル酸ブチルジブロックコポリマーを加えた系(B),およびポリアクリル酸プチルオリゴマーを加えた系(C)を試料とした。タックの接触時間依存性では,タックはB≒C>Aで接触時間とともにゆるやかに上昇した。タックの温度依存性では,室温以上にタックのピークが出現し,ピーク温度はA>B>Cの順に高かった。引張試験,動的粘弾性による凝集力を反映する強度や弾性率はA>B≒C,1Hパルス核磁気共鳴法によるポリアクリル酸ブチルセグメン|、の分子運動性は,C>B>Aであった。以上の結果から,検討した系では接着強さに対する相対的な界面の密着性の寄与がC>B>Aの順に大きいと推定した。
研究論文
  • 木原 幸一郎, 鈴木 久貴, 磯野 宏秋, 森 きよみ, 松井 新一, 杉林 俊雄
    2010 年 46 巻 12 号 p. 457-465
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    ホプキンソン棒法を応用した高温衝撃試験装置を開発し,この試験装置により,高温環境下における接着接合体の衝撃引張強度評価方法について実験的に検討した。本試験装置では下部被着体などの重量により接着面に加わる静的負荷を補償し,接着接合部の加熱には高温炉を用いた。試験片は円筒突合せ型接着接合体とし,2種類の被着体及び耐熱'性無機接着剤を用いて強度評価を行った。温度環境を変化させて衝撃試験を行った結果,高温下において,、温度上昇に伴い衝喋引張強度は低下する。しかし被着体と接着剤の組み合わせにより,1500Kの環境下でも接着強度を維持できることがわかった。曲げ共振法を用いて接着剤の高温下におけるヤング率を調べ,さらに走査電子顕微鏡により高温下に置かれた試験片を観察した結果,高温下における衝撃引張強度の低下は接着剤のマトリクスである無機ポリーが軟化することに起因すると予測できた。
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