ポリアクリレートと金属との界面における相互作用を,ポリアクリレートが金属から受ける影響,金属がポリアクリレートから受ける影響の両面から検討した。金属に接触させたポリアクリレートの薄膜に対して,示差走査型熱量測定(DSC),誘電緩和測定を行うことで,金属が高分子に与える影響について調べた。ボリアクリレート中のカルボニル基と界面金属との相互作用によって,高分子鎖の運動性が低下した界面相の形成が見られた。一方で,高分子から金属への影響を調べるために低融点の合金を高温でポリアクリレーと機械的に混合することによって,両者のコンポジットを得た。このコンポジット中での金属の融解・結晶化挙動や構造をDSC,透過型電子顕微鏡観察,X線回折測定,レオロジー測定などから考察した。コンボジット中ではナノサイズの金属微粒子の形成が観測され,界面相での金属融点の低下が見られた。
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