日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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48 巻, 8 号
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総説
研究論文
  • 宮城 善一, 江尻 裕之
    2012 年 48 巻 8 号 p. 283-289
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    粘着剤の低負荷に対する微小せん断変形特性の評価を目的として,最高分解能0.08nmで測定可能な測定装置を開発した。この装置により,アクリル系粘着剤のせん断試験を低荷重下で実施し,微小変形領域の静的粘弾性特性を評価した。粘弾性力学モデルの係数を特性値として,微小せん断特性における架橋剤添加量と被着体温度の影響の有意差検定を行った結果,要因の交互作用の効果が負荷時間の経過に大きく依存していることがわかった。また,開発した試験装置による結果とバルク試料の動的粘弾性試験の結果を比較した結果,静的試験においてせん断ずれ変位が指数関数的に変化する領域の被着体温度依存性は,動的粘弾性試験における貯蔵弾性率と損失弾性率に対する測定温度の効果と同様の傾向を示した。以上の結果より,開発した試験装置は,負荷時間の経過に伴う実試料の微小変形領域におけるせん断歪と粘弾性特性の評価に有効であることを確認した。
研究論文
  • 浦漬 圭彬, 伊東 慶子, 楠本 圭太, 中村 吉伸
    2012 年 48 巻 8 号 p. 276-282
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    粘着剤単独の応力-歪み曲線を測定し,第1報で確立した粘着剤剥離時の粘着剤の歪みおよび粘着剤歪み速度から,粘着テープが被着体から剥離しているときの糸曳き時の粘着剤内部応力を求める手法を確立した。これは剥離途中の非平衡な状態での粘着剤内部応力を求めることになる。すなわち,剥離途中の非定常状態であっても,粘着剤歪み速度から粘着剤内部応力を求めることが可能となった。その結果,被着体により剥離速度が異なっていても,掛けられた剥離荷重に応じて粘着剤内部応力はほぼ一定の値を示すことが明らかになった。
研究論文
  • 吉田 知弘, 滝 欽二, 山田 雅章
    2012 年 48 巻 8 号 p. 269-275
    発行日: 2012/08/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    化石資源使用量の抑制と熱圧条件を緩和させることを目的として,アカシアの樹皮に多く含まれる天然物のミモザタンニンでフェノール樹脂(PF)中のフェノール(P)の一部を代替する木材用接着剤の合成を行った。熱機械分析(TMA)スプリング法を用いて合成したタンニン代替フェノール樹脂の硬化挙動を解析し,合板の接着性能との関連性を検討した。フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比(F/P)1.2.1.4としたフェノール樹脂中のフェノールをミモザタンニンで30~50%代替することにより硬化温度を低くでき,合板の熱圧条件を緩和することができた。また,モル比1.4の樹脂の方がモル比1.2のそれよりも硬化温度が低い温度で硬化し,接着性能が発現することが判明した。
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