現在,接着接合法は様々な分野で用いられているが接着剤の耐久性に関するデータは不足している。さらに,接着剤の衝撃疲労強度に関する研究報告は見当たらない。そこで,繰り返し衝繋試験機を製作した。円筒突合せ接着継手に繰り返し衝撃負荷を加えることにより,アクリル系接着剤の衝撃疲労強度を求めた。被着体材料にはアルミニウム合金A5052-H34,接着剤にはアクリル系接着剤ハードロックM-372-20を用いた。室温下(23±2℃)で実験を行った。この結果,最大入射応力値が低くなると,破断までの打撃回数は増加し,最大入射応力値9MPaでは打撃回数100万回でも破断しない。.本接着剤の疲労限度は9MPaであると考えられる。
グリシドキシ基あるいはアミノ基を含有し,アルコキシ基の数が2と3のシランカップリング剤で球状シリカ粒子の表面処理を行い,多分子被覆層のシラン分子鎖の運動性を1Hパルス核磁気共鳴(パルスNMR)で評価した。パルスNMR測定の結果,グリシドキシ基では処理後の加熱温度が120℃の場合,アルコキシ基の数が2,3ともにシラン鎖はリジッドであった。赤外分光分析から加熱でエポキシ基の開環が起こり,アルコキシ基による網目形成反応に関与している可能性が示された。加熱温度80℃では,アルコキシ基の数が2の場合はシラン鎖がフレキシブルであった。アミノ基の場合も,アルコキシ基の数が2,3ともにシラン鎖はリジッドであった。アミノ基とシリカ表面のシラノール基との水素結合の影響と考えられる。また,アルコキシ基の数が2より3の方がわずかに緩和がゆるやかであった。熱重量分析から,アルコキシ基の数が3の場合は,2の場合より吸着水がシラン処理層により多く残存しており,これが影響したものと推定した。
エポキシ樹脂/カルボキシル基含有・リン含有フェノキシ樹脂混合硬化物は,良好な電気絶縁信頼性を維持しつつ,硬化前接着剤のフロー性をエポキシ樹脂/リン含有フェノキシ樹脂混合系およびエポキシ樹脂/カルボキシル基含有フェノキシ樹脂混合系よりも低減改良できた。これは,リン源である 9, 10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide (DOPO)の剛直な分子構造とカルボキシル基の反応性の相乗効果と考えられる。しかし,ピール強度は,わずかな向上効果しか示さず,課題として認識した。