アクリル系ブロックコポリマーの,プローブタック試験によるタックにおよぼすポリエチレンテレフタレート(PET)基材厚さと粘着剤層厚さの影響を検討した。ポリメタクリル酸メチル-bloch-ポリアクリル酸ブチル-block-ポリメタクリル酸メチルトリブロックコポリマー独(A),これにポリメタクリル酸メチル-bloch-ポリアクリル酸ブチルジブロックコポリマーを加えた系(B),およびポリアクリル酸プチルオリゴマーを加えた系(C)を試料とした。PET基材厚さは,25-75μmの範囲で変化させた。タックの接触時間依存性から,Aは基材厚さ38μm,B,Cは50μmでわずかながら高い値を示し,いずれも25μmで低かつた。タック試験時の応力-時間カーブの比較から,タックに基材の変形が大きく影響しており,変形しないガラス基材では,タック,破壊エネルギーともに低かった。粘着剤の弾性率に応じてタックや,破壊エネルギーを高める最適の基材厚さが存在した。粘着剤層厚さは,10-200μmの範囲で変化させた。A,B,Cともに粘着剤層厚さの増加とともにタックが上昇した。約30μmまでのタックの粘着剤層厚さ依存性が著しく,それ以上ではより緩やかに上昇した。
高分子材料の表面構造の制御と,高分子/高分子界面における緩和および拡散を経て界面層が形成されていく過程を解明することは重要である。表面構造を制御する方法の一つとして,側鎖の化学構造に着目し,ブロック共重合体が形成するミクロ相分離構造を自発的に表面に析出させる分子設計について提案した。時分割中性子反射率測定と拡散方程式を組み合わせた解析により,分スケールの時間分解能,および,ナノメートルスケールの空間分解能で高分子/高分子界面の形成過程を明らかにする方法を開発した。環状ポリスチ レンと線状ポリスチレンの相互拡散挙動を比較し,分子の構造が界面の形成過程に大きな影響を及ぼすことを示した。
近年,地球環境に対する意識の高まりから接着剤に対しても環境への様々な配慮が求められている。その中で「無溶剤化学反応系接着剤」としての植物由来原料の活用が,切望されている。本研究では植物油脂を由来とする原料を用い,架橋性官能基として低毒性なアルコキシシリル基を有する硬化性樹脂を合成した。その硬化物を作成し,硬化触媒の違いによる加水分解劣化性の評価を行った。その結果,ルイス酸触媒である三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体は,従来用いられてきた有機スズ触媒に比較して硬化速度がきわめて速いのみならず,植物油脂由来のエステル結合・ウレタン結合の加水分解劣化が起きにくい,優れた硬化触媒であることが分かった。