日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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49 巻, 8 号
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総説
総説
論文
  • 中野 博子, 大宮 祐也, 関口 泰久, 沢 俊行, 朴 文官
    2013 年 49 巻 8 号 p. 282-292
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2017/06/15
    ジャーナル フリー

    静的引張り荷重を受ける接着界面で部分的に接着されるバンド接着スカーフ接着継手の接着界面応力分布を三次元FEM解析により明らかにし,異種材料被着体の縦弾性係数比E1/E2が小さくなるほど,接着層縦弾性係数E3が小さいほど,接着層厚さtnが小さいほど,接着領域数Nが大きくなるほど,接着界面に生じる最大主応力は小さくなった。スカーフ角θが約60°で界面端部の最大主応力は最小になった。部分的に分布する荷重がバンド接着の位置の被着体上部に作用する場合には,バンド接着部分が効率的に外荷重を負担することが示された。バンド接着面積を全域接着に対して約30%減らしても,全域接着と同程度の強度が得られることが示された。ひずみに関するFEM計算と測定結果がかなりよく一致し,本研究の解析の妥当性を示した。継手強度測定実験も行い,強度推定結果は実験結果とかなりよく一致し,スカーフ角θが約60°でやや大きくなることを示した。

研究論文
  • 日笠 茂樹
    2013 年 49 巻 8 号 p. 275-281
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2016/07/31
    ジャーナル フリー

    ポリプロピレン/エラストマー/フィラー複合材料に関して,フィラー添加による衝撃強度の変化にマトリックス相の衝撃破壊状態がどう影響を及ぼすかについて検討した。フィラーとして粒子径数μmの炭酸カルシウムを用いた。 低温あるいは低エラストマー量でマトリックス相が脆性破壊する場合には,フィラー添加は衝撃強度をわずかに向上させた。一方,温度の上昇あるいはエラストマー量増加によってマトリックスが延性破壊する場合には,フィラー添加は衝撃強度を顕著に低下させた。さらに,より高温でマトリックスの延'性が高くなると,フィラー添加は衝撃強度を再び向上させた。このように,数μmのフィラー添加が衝撃強度に与える影響は,マトリックス相の衝撃破壊の状態に大きく依存していた。以上のように,プラスチック複合材料の耐衝撃性に関するフィラーの役割を明らかにした。

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