粘着剤は日常生活から工業,医学領域等に広く使用されている。特に,天然ゴム由来の粘着剤は強い粘着力を発揮する。その理由の一つとして,天然ゴム由来の粘着剤は,剥離中に粘着剤層中のゴム分子が配向・結晶化することで多数の微結晶相が発生することによるとされていた。天然ゴムそのものは延伸することにより結晶化することはよく知られているが,剥離過程中に微結晶相の発生を直接観測した事例は報告されていなかった。われわれは放射光を利用することにより,剥離過程中の粘着剤層中に高度に配向した微結晶相が発生することを直接観測することに成功し,これら微結晶相が物理架橋点として働き,高い粘着力の発揮に寄与していることを明らかにした。
標記スカーフ接着継手の接着界面での最大主応力分布を二次元および三次元FEMにより解析し,二次元計算より三次元計算の値が大きいことを示した。接着長さ一定の場合の継手の接着界面最大主応力は被着体幅一定の場合のそれより大きいことを示した。