アクリル系紫外線硬化型接着剤の中で,室温の弾性率が比較的高く,高いTgを特徴とする接着剤は被着体表面の形状を平坦から鋸歯状とすることで,初期の接着強度は大幅に向上する。一方で,信頼性試験60℃90%RH環境下では強度劣化の速度が加速して大幅に低下する傾向がある。そこで,初期の大幅な強度向上と強度劣化の抑制を目的に,接着剤の架橋密度の影響について検証した。その結果,信頼性試験後の接着強度は接着剤の架橋密度を低減することで,被着体表面の形状を鋸歯状とした場合でも信頼性試験後の強度劣化を抑制できることを明らかにした。これは,60℃90%RH環境下で接着界面に生じる応力に対し,接着末端の自由度が向上して分散できたためと考えられる。以上より,高い接着強度で高信頼化を実現するためには,被着体表面の形状を鋸歯状とし,かつ架橋密度を低減した接着剤を用いることが重要である。
高温連続ラジカル重合によるアクリルモノマーの重合は,その製造方法及び生成するポリマーにおいていくつかの特徴を有している。具体的には,①低分子量ポリマーが容易に得られる,②不揮発分100%の樹脂が容易に得られる,③組成分布が小さい,④開始剤,連鎖移動剤等の副原料の使用量が少なく,不純物含有量が少ない,⑤重合時間が短く,生産性が高い等の特徴が挙げられる。このようなアクリルポリマーをシーリング材の可塑剤に応用した結果,耐候性の向上および耐汚染性(耐ブリード性)の向上が認められた。また,シーリング材の基材の一部に応用した結果,配合物の低粘度化と耐候性の両立を実現できることが確認された。