日本接着学会誌
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50 巻, 4 号
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研究論文
  • 山崎 諒太, 藤井 秀司, 中村 吉伸, 永田 員也
    2014 年50 巻4 号 p. 131-136
    発行日: 2014/04/01
    公開日: 2016/11/05
    ジャーナル フリー

    3-アミノプロピルトリエトキシシラン(A)と3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(B)の2種類のシランカップリング剤の混合物による炭酸カルシウムの表面処理を行い,これを充てんしたイソプレンコンポジットの応力-歪カーブを測定した。その結果,混合処理系は,未処理粒子充てん系と比較して同一歪の応力,破断応力,破断伸度ともに向上した。A,B単独による表面処理,混合物のインテグラルブレンドによる添加,A,Bのアルコキシ基の数を2にした混合処理では,同一歪の応力,破断応力,破断伸度を同時にすべて向上させることはできなかった。炭酸カルシウムのシランカップリング剤処理により,以下の3つの条件が揃った場合に,上記力学特性がすべて向上することが分った。a)Aのアミノ基と炭酸カルシウム表面のイオン的相互作用。b)Bのメルカプト基とイソプレンゴムとの化学結合。c)A,Bのシラノール基相互の重縮合反応によるネットワーク状の処理層の形成。

研究論文
  • 門多 丈治, 岡田 哲周, 平野 寛, 上利 泰幸
    2014 年50 巻4 号 p. 123-130
    発行日: 2014/04/01
    公開日: 2016/10/29
    ジャーナル フリー

    酵素の協同的酸塩基触媒作用にヒントを得た新規有機重合触媒を駆使して,分子量,分岐構造が明確に制御された多分岐ポリ乳酸を精密合成し,接着剤に適したバイオマス新素材の開発を試みた。まず,新規有機重合触媒を用いることで,分子量15万,直鎖状から4分岐までの分子量分布の狭い精密ポリ乳酸が得られ,それらのガラス転移温度,融点,結晶性等の熱的性質を評価した。さらに,バイオマス材料を接着するためのバイオマス接着剤が望まれている現状から,得られた精密多分岐ポリ乳酸の接着性を調べた結果,ポリ乳酸フィルムを被着体とした時のはく離強度で2000N/m,ポリ乳酸成形品,木材を被着体とした時の引張せん断強度で最大6MPaと,必要十分な接着強度が得られることを見出した。さらに,接着性と分子量,分岐度との間に明確な相関関係があり,その接着性発現メカニズムについて考察した。

研究論文
  • 大高 翔, 鉄本 卓也, 宮田 壮, 後藤 康夫
    2014 年50 巻4 号 p. 115-122
    発行日: 2014/04/01
    公開日: 2016/10/29
    ジャーナル フリー

    多層カーボンナノチューブ(MWCNT)をウレタン系およびアクリル系軟質ポリマーに溶液状態で混合・キャストすることにより約20種類のコンポジットを作製し,MWCNT分散状態,導電性およびポリマーの表面自由エネルギーの関係を調べた。ポリマーの表面自由エネルギーの分散成分(γsd)がMWCNTの分散性とコンポジットの導電性に大きく関与することが分かった。MWCNTとポリマーのγsdとの差が大きな試料では,コンポジット中でのMWCNTの分散性は低く大きな凝集体が存在する一方で,抵抗率は低くなった。これに対しMWCNTと近いγsdを有するポリマーでは,相対的に分散性は良好であるが,抵抗率は大きくなる傾向を示した。以上の結果より,γsdの差が大きい場合には,ポリマーとMWCNT間の相互作用が小さく,コンポジット中でMWCNT同士が凝集・連結し,導電性の高いコンポジットが得られることが示唆された。

研究論文
  • 木原 幸一郎, 吉田 瞬, 上野 正寛, 杉林 俊雄
    2014 年50 巻4 号 p. 107-114
    発行日: 2014/04/01
    公開日: 2016/10/29
    ジャーナル フリー

    単純重ね合せ接着継手を用いた接着剤のせん断強度の評価方法について検討した。接着剤としてエポキシ系接着剤とアクリル系接着剤を用いた。異なる被着体材料,被着体厚さ及び接着面積の試験片を用いて引張せん断及び圧縮せん断試験を行った。その結果,圧縮せん断試験において,試験片が座屈しない場合,その破断強度は接着剤のせん断強度とほぼ一致する。また,オイラーの座屈荷重を用いて,試験片が座屈する荷重と被着体厚さの関係を算出し実験結果と比較した。算出結果と実験結果はほぼ一致した。試験片内で接着面形状を回転することにより,接着層内の応力状態が異なる実験を行い,接着層内の応力状態によらず試験片の破断強度がほぼ一定になることを確認した。以上の結果から,圧縮せん断試験により試験片が座屈しない被着体厚さを算出し,これを満足する試験片により実験を行うことで,接着剤のせん断強度の評価が可能であることを示した

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