1µmの薄膜域における粘着力制御を目的に,ポリウレタンおよびアクリル系共重合体を用いた粘着シートを作製し,プローブタック(P.T.)エネルギーおよび粘着力の測定を行った。またこれらウレタン系粘着剤とアクリル系粘着剤を積層した積層粘着シートの粘着物性についても検討した。ウレタン系粘着剤においては,主に被着体凹凸追従性と凝集力を制御することでP.T.エネルギーおよび粘着力の上昇が認められた。またアクリル系粘着剤においては粘着剤一被着体界面の極性効果を高めるここで粘着力が上昇した。一方高P.T.エネルギーが得られたポリウレタン(0.8 µm)とアクリル酸n—ブチル—アクリル酸共重合体(0.2/µm)の積層化においては,高い被着体凹凸追従性と極性効果の相乗効果により単層粘着シートの2倍以上の高い粘着力(5.1N/25mm)を有する積層粘着シートが得られた。以上より薄膜粘着剤においては粘着物性に対する界面化学的因子の寄与が相対的に大きく,上記因子を考慮した粘着剤設計が有効であることが示唆された。
種々の高温曝露下における接着構造物の強度評価を非破壊検査で行う手段として,接着剤の表面色と接着強度との関連付けを行った。すなわち,高温曝露の履歴を有する接着継手の引張負荷に対する変形挙動及びその強度と接着剤の表面色とを関連付けて評価した。これらの実験結果から接着接合部と同一環境下で曝露した接着剤の表面色を定量的に測定することにより,接着継手強度の評価及び予測が可能な評価方法を提示した。