日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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51 巻, 3 号
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総説
研究論文
  • 瀬本 貴之, 山内 毅, 吉澤 一成
    2015 年 51 巻 3 号 p. 80-88
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー

    熱可塑性樹脂のポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS)と熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂との接着機構を分子動力学計算により理論的に解析した。PPSは結晶化しやすい分子であることを考慮し,アモルファスモデルと結晶表面モデルの両方を作製した。PPS表面の化学構造が接着性に与える影響を調べるため,未処理のPPSとプラズマによって酸化されたPPSのモデルを用いた。分子動力学シミュレーションにより,PPSとエポキシ樹脂との接着界面の構造を得た。PPS-エポキシ樹脂界面での結合としてはファンデルワールス力が支配的であるが,PPSを酸化することで静電力が強まり,結合が強固になることが明らかとなった。続いて,接着界面分離のシミュレーションを行い,界面分離に伴うエネルギーの変化を解析した。界面剥離過程におけるエネルギー変化の曲線を微分することで接着力を求めた。PPSを酸化することで接着応力が大きくなることを示した。

研究論文
  • 原田 裕也, 柿部 剛史, 岸 肇
    2017 年 51 巻 3 号 p. 74-79
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー

    自然エネルギーを安定に供給するため,蓄電システム(二次電池)の高性能化が重要視されている。特に性能の向上と共に安全性の向上や小型化の観点から固体電解質が注目されている。しかし,電解質の固体化は運動性の低下を意味し,固体でありながら高イオン伝導性を保持した電解質の設計が重要である。我々はマトリクスとしてナノレベルで相分離構造を形成するブロック共重合体を用い,イオン源として構造デザイン可能なイオン液体を用いることで,目的の相にイオンを高密度に選択配置させた固体高分子電解質を試作した。本研究では,固体高分子電解質のマトリクスとして30nm程度のラメラ構造を形成するp(MMA-bnBA-b-MMA)を用い,添加するイオン源としてイミダゾリウム型イオン液体を用いた。イオン液体の構造とマトリクスポリマーの親和性を調整することでイオンを選択的に配置させ,高イオン伝導体設計の指針を得た。

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