3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS)を1%水溶液として調整後,鋼板上に塗布・乾燥し,それを表面からToF-SIMSにて調査した。GPSに起因するシロキサン構造からの派生フラグメントの質量が,水溶液混合後の時間経過とともに増加した。これは水溶液中での自己縮合に起因すると推定され,特に48時間以上の経過でより高分子成分のフラグメントが観察された。同時に,鋼とGPS間の結合に起因するフラグメントは混合後48時間以上で大きく減少した。自己縮合によるGPS分子の高分子量化は,溶液塗布時の吸着を阻害し,鋼との結合を減少するものと推定される。