単純重ね合せ継手を用いて,接着時及び硬化時の湿度,硬化時間及び接着層厚さが一液性湿気硬化型シアノアクリレート系接着剤の接着強度に及ぼす影響について調べるとともに,接着強度と重合反応の分析結果との相関関係について調べた。被着体は一般構造用圧延鋼材SS400 を用いた。接着面はフライス加工後,研削加工を施した。また,接着時と硬化時の湿度は一定とした。まず,接着強度の要因を特定するため,赤外線分光とラマン分光を用いてC=C( 二重結合) の吸光度と硬化時間との関係を調べ,硬化時間,接着強度及びC=C( 二重結合) の吸光度の関係について示した。さらに,接着剤の硬化過程と接着強度との相関関係について提示した。
非接触で変位の測定ができるレーザー変位計を用いたクリープ測定装置を作成した。測定結果からクリープコンプライアンスを求め,さらに時間の対数で数値微分することにより粘着剤の遅延スペクトルを求めた。SIS/石油樹脂系タッキファイヤ組成物において,副成分であるタッキファイヤの軟化点の差が遅延スペクトルのどの時間領域に表れるかを検討した。また,クリープコンプライアンスとプローブタックの接触時間依存性との関係について考察した。クリープコンプライアンスは累積変形量から求まる弾性率の逆数である。つまり,或る決められた時間までに流動もしくは変形した量の指標であり,粘着剤が被着体に接触していく過程の変形量に関係すると思われる。その変形速度の時間依存性はクリープコンプライアンスを時間微分した遅延スペクトルにて表現される。これらの測定値は,被着体への接触に必要な粘着剤の変形の時間変化を数値化したものとみることが出来,タック解析に寄与する評価法となる。