デザイン学研究作品集
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20 巻 , 1 号
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  • 横山 稔, 小田 敬子, 中野 直
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_2-1_7
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     この「五感のデザインワークブック」は、約20年にわたり日米の大学で教えてきた五感を刺激する一連の空間に関わるデザイン演習を体系的なシステムにまとめたものである。デザインに必要な感性には体験力・直感力・創造力・イメージ力などがある。全身を通じ、そのカタチの無い感覚的なものをカタチに出来る力をつける演習に仕立てた。読者が気にもとめなかった日常のささいな出来事や生活空間を、五感を研ぎ澄ませて臨むこの12種類の演習を通じて、新たな発見を楽しみ、好奇心を持ってデザイン制作、活動の素地を養える様、工夫した。また近年、幅広い領域で求められている独創性やクリエイティブマインド、デザインを思考する力も意識して、この教育システムをデザインし、本にまとめた。
  • 雨宮 勇
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_8-1_11
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本作品は、PPシートをほぼ矩形にカットした同型パーツを複数組立てて作った照明器具用シェードである。現在特許出願中であり、審査請求を申請している。(平成26年11月現在)
     特許の発明は、接続方法の違いで各種の形のランプシェードの制作が可能になる、2種のパーツのデザイン特性によるものであり、合計7種の形を組立てることができ、解体の後に他の形への組み換えも行うことができるものである。(特徴①)
     また、端材が殆ど出ないパーツデザインと、シート状でのストックが可能な商品管理などコストパフォーマンスの良いデザインを得ることができた。( 特徴②)
     各種ある組立方法は、概ね矩形パーツを円環状に連結し、その内部から補助パーツにより円環状パーツを中心部に引き寄せて組み立てる。組立ては大変容易であり、初心者でも10分ほどで完成させることが出来る。(特徴③)
  • 手島 信洋
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_12-1_15
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     筆者は博士課程で「リンク機構を用いた家具の研究~一挙に展開、変形し空間に変化をあたえるもの~」をテーマに研究を行った。リンク機構を用いた家具の一例は折り畳み式のパイプ椅子などである。これらに用いられているのは単体のリンク機構だがリンク機構を複数組み合わせることで複雑な折り畳みを簡単な動作で行うことができる。この性質を用いて必要な機能の家具を必要な時に移動して展開することで狭小空間でも快適かつ豊かでめりはりのある生活ができるのではないかという提案を行い結論とした。博士論文ではプロダクトとして最も現実的な方向性で最終的な結論に至った。しかし研究を行う過程で気になる方向性として「演出的な効果」というものもあった。これはリンク機構特有の不思議に感じる動作を前面に出してそれを演出的な効果として使用するものである。本作はその方向性で制作した新作である。
  • 八田 興, 原 寛道, 田原 哲, 鈴木 健一
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_16-1_19
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     植物工場技術の発展に伴って、身近な生活の場に農業の要素を取り入れることが可能となり、近年多様な施設内に植物工場を設置する事例が増加している。しかし、それらの事例の多くは、大規模植物工場をそのまま取り入れたものに留まっている。本デザイン開発ではその技術を身近なものにすることを目指し、食生活を改革するシンボルとして、飲食店で活用するデザイン開発を行った。人と野菜の物理的・心理的距離を縮めることで、飲食店内における食事に新たな価値を付加することを目的とする。実際の飲食店にて栽培・利用実験を行い、その場で採れた野菜の料理への反映と、美味しく食べる行為の具現化について、大きな可能性があることが明らかとなった。
     また本デザイン提案を開発するにあたって、私たちは装置自体をデザインするのみでは成立しないと考え、栽培方法・ビジネスモデル・流通までの全てを関連づけた包括的な提案を行った。
  • 出原 立子, 前田 祐太朗, 藤井 朝比
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_20-1_23
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     平成27年北陸新幹線金沢開業に向けて、新しい金沢のイメージを表現し、開業に向けての気運を市民と共に高めることを目的として、金沢駅もてなしドーム正面に位置する「鼓門」におけるプロジェクションマッピングのイベントを2013年10月12、13日に開催した(図1)。「鼓門」は、金沢の伝統文化を象徴した構造物であり、それに対しプロジェクションマッピングを行うことで、伝統の上に最先端の技術と感性により新しい金沢のイメージを表現し、さらにICTを活かし人々と街(場)をつなぐ付加価値を創出するデザインを実践的に追求した。
     イベントは2種類のプロジェクションマッピングのコンテンツで構成し、一つは、新しい金沢のイメージを表現するための映像投影による“鑑賞型プロジェクションマッピング”。もう一つは、市民と共に創り上げる“参加型プロジェクションマッピング”で構成した。
  • 伊藤 孝紀, 高橋 里佳
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_24-1_27
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     老夫婦のための終の棲家である。自宅で不自由なく暮らし続けたいという希望を実現するために、歳を重ねることが苦にならない居住環境を目指した。高齢者を対象に、脳科学や身体運動など機能評価と心理評価の両面から研究を進めている。
     研究で得られた知見を基礎データとしながら、下記の4つの指針を提示し、老夫婦の個別解に対応させデザインした。
    (1)操光と照明環境の調和
    (2)インテリアのゾーン化
    (3)機能のユーモア化
    (4)素材と色彩による演出
     「アオイハナ」は、機能と性能と共に感性を刺激する仕掛けを施せないだろうかという視点で設計した。高齢者が歳を重ねても住み続けられる住宅の実現と普及を目指している。
  • 榎本 文夫, 篠原 幹明
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_28-1_31
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     日本は、国土の約七割が森林であり、そのうち四割が人工林であるが、その43%に杉が植えられており、その多くの杉が伐期を迎えているため、高付加価値な利活用が求められている。
     このプロジェクトは、東日本大震災の被災地である宮城県の杉を使い、杉の持つ柔らかさや軽さを生かして県内の医療施設や介護老人保健施設のデイルームなどで利用するための家具を開発するものである。杉の柔らかさや軽さを生かして、高齢者に優しい家具をデザインする事を目標とした。また、震災被災地の木材を使うことで地域林業の復興と、木材利用の促進により国内の森林再生を目的としている。
  • 秋田 直繁, 平井 康之, 松尾 紘出子, 中村 守男, 田中 恭子
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_32-1_35
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     薬は性質上、食べ物と違い噛むことができないため、唾液の代わりに水で飲み込むが、子供は、水ばかり飲んで薬が口に残ったり、うまく飲み込む(嚥下する)ことができずに薬が喉に付着してしまうなど、服薬を苦手とする子供が多い[注1]。また、家庭外で服用する機会がある学童期の子供は「 人前で飲むのが恥ずかしい」「煩わしい」などの理由から薬の飲み忘れ・飲み残し、服薬アドヒアランス低下の問題がある[注2]。
     そこで、服薬時の子供や服薬管理を行う保護者の身体的・精神的負担の軽減、安心・安全を担保に子育てしやすいQOL(Quality of Life)向上につながる服薬のデザインの可視化を目的に、嚥下のしやすさを追究した株式会社モリモト医薬の服薬補助ゼリーキットをもとに「こんな薬があったらいいな」を子供たちと共に考え、子供の気持ちにそった飲みやすい服薬デザイン開発を行った(図1)。
  • 永盛 祐介, 西岡 仁也, 中島 瑞季
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_36-1_41
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本デザインの目的は聴覚障がい学生に特化した自習用Eラーニングシステムをデザインすることである。
     本稿ではその取組の一環である、文脈追従型字幕のデザインについて報告をする。文脈追従型字幕は状況に合わせて字幕の表示位置が変化する字幕である。これは注視すべき点と文字情報を近接させることにより、注視点移動をより少なくし、快適に学習するねらいから考案したものである。
     また本デザインに対する評価実験も行った。ストレスには通常型字幕との差がなかったものの、視線の移動距離は有意に減少した。加えて、聴覚障がい学生にとって、Eラーニングコンテンツ視聴には字幕が最重要であることが確認された。今後は本デザインの適用範囲を詳細に検討していきたい。
  • 高橋 延昌
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_42-1_45
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本作品は、福島県会津地方に古くから伝承されている郷土玩具(張子)を新しい商品として開発するためのデザイン・プロジェクトによるものである。本稿は、「リサーチ」「デザインワーク」「プロダクション」という三つの視点で述べている。
     リサーチから、張子の実用性やトレンドに注目し、「現代の若い女性を癒す」がコンセプトとなった。
     デザインワークでは、試行錯誤しながら、通常の絵付けをしないで、羊毛を着せるという新しい発想で試作品が完成した。販売をすすめていく都合上、2015年の干支である羊(未)が題材に選ばれた。
     試作品が完成した後のプロダクションでは、生産性などを改良しつつ、図1に示すように、最終的に新しい張子「ふわもこ羊」として商品化された。
  • 中島 聡, 森 真弓, 石垣 享, 中島 啓之
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_46-1_49
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     2002年に日本で初めて車いすカーリングが紹介されてから、北海道や長野県を中心として全国でチームが誕生している。しかし現在車いすカーリングで使用されているキューの入手は、海外から購入する方法が一般的である。種類も少なく、国際大会では各国チーム共にほとんど同じキューを使用している。また使用しづらいキューによりカーリングへのモチベーションが低下し、このことが車いすカーリングの普及の妨げになっている可能性は十分に考えられる。
     競技者との話し合いを通じて数多くの機能確認モデルを制作し、現在初級者用と上級者用に分けて開発を進めている。本稿ではこれまでの調査・試作の概要と、初級者用キューの開発内容を解説する。
  • 橋田 規子, 久保 美月
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_50-1_53
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     近年、国内ガラス瓶の出荷量は年々減少し、瓶製造会社は苦しい経営を続けている。主な理由としては、ペットボトルをはじめとする軽量で割れない樹脂容器が普及したことがあげられる。しかし、耐熱性や衛生性の点では瓶は樹脂容器よりも勝っており、瓶製容器は今後も需要があるといえる。本作品は、食品用瓶のデメリットの一つである「蓋の開けにくさ」について研究を行い、筋力が弱い女性、高齢者にも開けやすい瓶を開発したものである。
     開発ステップとしては、はじめに市販の食品用瓶を集め、蓋をあける動作の観察と主観評価を行い、開けやすい瓶の形の特徴を把握した。また、動作観察により「開けやすさ」には「持ちやすさ」も関係していることを導き出した。次に、得られた結果をもとに、6つのモデルを試作し、モニターを行った。主観評価を行うとともに、筋電計を用いて蓋を開ける時の力の入れやすさを計測した。結果、平行四辺形断面の案が最も力が入れやすいことが分かった。最後に、製品としての魅力度についてアンケートを行い、現行品よりも良い評価であることを確認した。
  • 矢崎 智基, 藤田 顕吾, 柴田 詠一, 山崎 和彦
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_54-1_59
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本稿では、新たな価値を持つプロダクトやサービスを創出することを目的に、ワークショップや人間中心設計を応用したデザインプロセスについて述べ、創出したコンセプトに基づく「影を着替えるシステム“Chameleon”」の特徴について述べる。
     Chameleonとは、自分の影を思いのままに着替えるというコンセプトを具現化したシステムである(図1)。Chameleonは、ウェアラブルなプロジェクターとスマートフォンを組み合わせたシステムであり、好みの静止画や映像を自分の新たな影として地面に投影し楽しむことができる。また、複数人での利用シーンとして投影した互いの影を重ね合わせることで、インタラクションを楽しむこともできる。
  • 村松 充, 神山 友輔, 江角 一朗, 阪本 真, 西谷 圭, 飯澤 大介, 山中 俊治
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_60-1_65
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本稿では、スマートハウスやInternet of Thingsが普及した近未来における映像情報機器のプロトタイプ“ Bio-likeDisplay”(図1)について述べる。
     “Bio-like Display”は、生物のように意思を持って動く情報端末の集合であり、互いに協調動作を行ったり相互作用を行ったりしながら、ときには漂いながらアンビエントな情報を提示し、またときにはユーザーに近づきながら積極的に情報を提示する。
     映像端末はモーターによって回転する3本のアームによって保持されている。情報端末に生き物のような動きを与えることで、それぞれの関係性をゆるやかに暗示することを目指す。“Bio-like Display” は映像情報と生物的なモーションの組み合わせによる様々な人とのインタラクションを探るためのプラットフォームである。
  • 山崎 和彦, 酒井 芳樹, 鈴木 崇史, 鈴木 正義, 石原 幸一
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_66-1_71
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本作品は、株式会社東新製作所と千葉工業大学デザイン科学科山崎研究室の産学プロジェクトの活動の成果である。この産学プロジェクトは、株式会社東新製作所の精密な板金加工技術を活用して、新しいビジネスモデルのプラットフォームを構築することを目的としている。
     この産学プロジェクトでは、調査、アイデア展開、試作、評価と実験販売のプロセスを通して、「STAILE ZOO」という名称で、株式会社東新製作所の技術を活用した動物のミニチュアシリーズの作品を完成させた(図1)。この作品は、「精密な板金加工技術を生かしたデザイン」、「エコデザインを考慮した捨てる部分がほとんどないデザイン」と「ユーザ自身が参加できるデザイン」という特徴がある。
  • 瀧 知惠美, 上田 絵理, 水田 千惠
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_72-1_77
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本研究は、企業の開発プロセスにおけるコトづくりの方法の有効性を明らかにする目的で行われた。おでかけサポートアプリ「way」は外出先で、今いる場所の近くにある魅力的なスポットやイベントを推奨し、ユーザーの行動に「ゆらぎ」(予定外の行動目的)を提供する。新しい出会いや気づきの機会を与えるスマートフォンアプリとして2013年4月から1年間に渡りサービス提供を行った。
  • 齋藤 美絵子
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_78-1_81
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     全国で甚大な水災害が発生している一方、岡山県は「気象災害が少ない土地」というイメージが定着していることから、県民の減災意識が希薄である。日常時の減災意識の低さが実際に避難を必要とするような気象災害に直面した時の岡山県民の行動に影響することは言うまでもない。
     本研究は、平常時に使用することで減災意識を高めることのできるツールとしてのハザードマップに注目し、従来の印刷物によるハザードマップの現状においてアンケート調査を中心に問題点を抽出し、インタラクティブ技術やAR技術によって可視化すべき情報を明らかにし、「ウェブ版 洪水・土砂災害ハザードマップ」へ改良するものである。
  • 原田 泰
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_82-1_87
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本作品は、人形劇、音楽ライブ、映像を組み合わせた参加型エデュテインメント・コンテンツである。人形劇単体としての上演だけでなく、プログラミング系のワークショップやイベントでのメインコンテンツへの導入などのツールとして組み込むことも想定し、基本的なストーリーを分割したり組み変えたりすることで、他のコンテンツやイベントとの組み合わせが可能である。人形(リアルパペット)とバーチャルパペットの掛け合いが特徴で、ストーリーも観客の参加によって構成的に変化する。バーチャルパペットを含め劇の展開に「Scratch[注1]」を利用しているので、子どもたちがこのコンテンツをヒントにプログラミングに取り組むことができる。また場所を選ばず上演できるよう、最小限のスタッフと機材で移動が可能だ。開発については、最初の着想からプロトタイピングを繰り返し、上演を通してバージョンアップしながら進めてきた。
  • 金 在檉, 金 尚泰, 大城 幸雄, 福永 潔, 大河内 信弘
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_88-1_93
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     近年、IT技術の進歩に伴い、医学教育現場へ新技術が応用されており、外科教育にもEラーニングなどが導入されている。また、現役の外科医は紙の教科書で学習を行い、「現場の指導On the Job Training(OJT)」によって一人前となってきた。今日の医学教育で使用される医学書は、いまだ紙の教科書が主流となっている。紙の教科書や手術書は典型的な臓器のイラスト、手術写真、術式の手順が記載されているだけで、実際の術野とのギャップを埋めるのに多くのフィードバックと時間を要している。そのため、マルチメディアによる学習の利点を最大限に生かした電子書籍の積極的な活用は、効率的な医学教育を実現する可能性を持っている。本研究で開発中のダイナミック・インタラクション手術テキストは、3DCGモデルや動画、インタラクティブ画像、音声など多彩な素材が収められており、手術手技を3次元的に習得可能とする医学教材である。
  • 富山 祥瑞, 石川 奈津紀
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_94-1_97
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     全国の国立大学は10年前の2004年に一斉に独立法人化した。それまでの永い間、私立大学と比べると国立大学は受験生対策も脆弱であった点は否めない。
     国立大学法人・愛知教育大学は教育学部のみの単科大学で、22の教育コースがある。筆者が所属する教員養成課程/美術選修・専攻([びじゅつ科])は、表現教育を担うコースで、学内の社会や国語などの選修・専攻と比較すると、受験生にはやや特殊なコースのように思われがちで、敬遠される傾向がある。
     全学レヴェルの受験生向けPR活動と並行し、[びじゅつ科]として「イメージ改革」をコース内の全教員が意識し、その「御旗」として当VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)によるデザイン戦略を展開した。
  • 深谷 崇史, 鈴木 聡, 飯野 滋, 藤本 直明, 譜久原 尚樹
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_98-1_101
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本作品は、「月」の超高精細な3次元CG(以後、3DCGと記す)の鑑賞システムである。鑑賞者は月球儀を改造した月型コントローラーを手にとり、見たい場所を自分の方へ向けることで月の3DCGを連動させ、目の前の大型ディスプレイに表示することができる。この実物を手がかりとしたユーザーインターフェイスと、4KリアルタイムCGを組み合わせ、超高精細な月の3DCGを鑑賞する作品「月面旅行」を、2013年11月に「NHK文化祭2013」で展示した。また、2014年6月7日から8月31日にかけて、東京都現代美術館で開催された「ミッション[宇宙×芸術]展」でハイビジョン版の「月面旅行」の展示を行った。
  • 植村 朋弘, 刑部 育子
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_102-1_107
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     CAVScene(Collective Analysis of Visual Scenes)は、研究者が保育における学びの活動を観察するためのツールとして研究開発された。CAVSceneはiPad用に開発されたソフトウェアである。観察者はCAVSceneによって、子どもと保育者の活動の重要な場面を動画や静止画で切り出し、気づいた内容を注釈として画面上に直接記述していくことができる。観察後はより詳細に観察を加えたり、簡易な編集をもとに保育者を交えてリフレクションをおこなう。そこでは観察者と保育者の双方の視点が融合され理解を深めていく。本報告ではCAVSceneの機能特性をもとに出来事を観察する仕組みを捉えた。1)出来事全体から時間の流れに従った「切り出し」と「位置づけ」を明確化すること、2)時間を越えて出来事の全体と部分の関係を俯瞰して見ること、3)言語と記号の記述方法で意味を理解すること、の3つである。
  • 田邉 里奈, 若林 尚樹, 政倉 祐子
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_108-1_113
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     本研究は、ワークショッププログラムをパッケージ化し、水族館以外の場所でも体験を通した観察や学びを実現するための手法について検討することを目的とする。その実証研究のひとつとして、病院に入院している子どもたちを対象にしたワークショップを企画設計し、そこでの観察や体験の仕方を検討してきた。今回実施したワークショップではオットセイを題材に、実際のオットセイの大きさや特徴を実感してもらうことをねらいとした実物大の段ボール模型を使用した。この模型には3ヶ所にセンサーを仕込み、体に触れると鳴き声がなるような仕組みになっている。この模型を用いることで、体験の要素が増えコミュニケーションのツールとして活用できることが確認できた。本論文では、本物の生物を感じとれる擬似的な体験のためのコンテンツ設計の事例について報告する。
  • 金 尚泰, 黒瀬 克也, 原 智彦
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_114-1_119
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     工業製品業界での3DCG活用は、CAD・CAMによるデザイン・設計・モデリング・検証・製造までのデータを一貫管理できるメリットから業界標準となっている。その反面、加工食品業界(飲料、菓子、冷凍食品、インスタント食品など)では、パッケージデザイン版下作成にはCGを用いるものの、完成品イメージ画像の作成は、現物もしくはモックアップと呼ばれる模型を用いて写真撮影を行う事が一般的である。食品メーカーは、「企画・生産・販売のサイクル」が短いため、特に広報用画像に力を入れている。新商品をいち早く市場に送り出すためには、パッケージデザイン完成後いかに速やかに目的に応じた商品画像を用意できるかが大きな課題であり、模型制作・写真撮影・背景抜き・画像合成などの作業にかかる手間とコストは、会社にとって大きな負荷となっている。本研究は、このような食品業界の課題に着目し、その工程改善に特化したリアルタイム3DCGソフトの開発を行ったものである。
  • 髙橋 克実, 幾原 武志, 松本 真司, 徳村 篤志
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_120-1_125
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     ユビキタス社会の進展とともに、様々な工業製品にコンピュータ組込機器が多くを占めるようになった。これらの組込機器は高度な機能が可能となったのと同時に、新デバイス、センサやタッチパネルによる操作が増加したことで、誰もが安心して使え、使い勝手の良い製品デザインがこれまで以上に重要となっている。また、この組込機器はこれまでにない新しい体験をデザインするエクスペリエンスデザインの領域を拡大している。
     本作品のHOTMOCKはこうした組込機器製品の開発において、アイデア段階から使い方を体験できる電子機器のプロトタイプを、デザイナーがプログラムスキルを必要とせず、回路設計知識がなくても、素早く作成できるように開発された電子キットである。
     HOTMOCKはPCと接続するハードウエアとPC上でインタラクションを作成、評価するソフトウエアによって構成されている。
  • 梅田 悟司, 浜島 達也, 森本 泰平, 土屋 貴弘
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_126-1_129
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     年々縮小している缶コーヒー市場を活性化させるために、新たな突破口を見つけることが急務であった。
     そのためには、従来のイメージ形成を主目的としたテレビCM中心のマス広告ではなく、缶コーヒーを飲むという行為から近いコミュニケーションが必要であった。
     我々が注目したのは、缶コーヒーを飲みながらスマートフォンを見るという飲用スタイルである。事実、缶コーヒーのメインターゲットである30 ~ 50代男性において、スマートフォンの新規加入率は半数を超えている。
     そこで開発されたのが、飲みながら読むスマートフォンマガジン「週刊ジョージア」である。週刊ジョージアは、日本人労働者の短い休憩時間に最適化された、マイクロコンテンツを日々更新する、新しいメディアである。
     スローガン「世界は誰かの仕事でできている。」を体現する表紙とコンテンツをはじめ、楽しめる情報の提供と体験を通じて、ブランド価値の向上に貢献している。
  • 梅田 悟司, 浜島 達也, 坂本 陽児, 坂本 弥光
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_130-1_133
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     東日本大震災が発生した2011年3月11日以降、東北地方への観光客は激減した。当時、全国的に起こっていた自粛ムードは、東北の経済を深く傷つける結果となることは自明であった。
     そこで我々は、東北各県の夏の風物詩である「祭り」を再デザインし、東北復興の第一歩を、東北自ら踏み出す様子を全国発信することを発案。東北6大祭り(青森ねぶた祭、秋田竿灯まつり、山形花笠まつり、盛岡さんさ踊り、仙台七夕まつり、福島わらじまつり)を一つにまとめた新しい夏祭り「東北六魂祭」を実施した。
     震災後わずか4ヶ月である2011年7月に仙台市で行なわれたこの祭りは、東北に、一丸となって乗り越えるモメンタムを生み、観光客を東北に呼び戻すことに成功した。2012年は盛岡市、2013年は福島市、2014年は山形市で開催し、計111万人を集客。各県の行う夏祭りへの集客にも貢献している。
  • 梅田 悟司, 浜島 達也, 井上 政幸, 坂本 弥光
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_134-1_137
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     製品パッケージは製品の性能やイメージを体現する顔である。しかし、店頭での競争激化により、製品棚でのインパクトや同類他製品との差別化を図るための、広告としての主張の強さが、求められるようになったことは否定できない。
     その一方で、実際に製品が使用されるリビングなどの生活空間において、その広告としての主張の強さが原因で調和せず、景観を損ねる結果になっていることも事実である。
     そこで、キリンビバレッジ株式会社と株式会社電通は、日常的に使われる2リットルペットボトル天然水において、生活空間に調和し、インテリアとしても機能するデザインをコンセプトに、製品開発を行った。
     また、販売チャネルをウェブに限定することでより表現の幅を広げることが可能になり、製品としての強みを、デザインそのものに持たせることに成功した。新しいコンセプトで作られた製品は、多くのメディアとSNSで話題になった。
  • 石丸 みどり
    2015 年 20 巻 1 号 p. 1_138-1_143
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
     2012年、愛知県高浜市で市民映画「タカハマ物語」を製作した。地域活性化を目的とした映画で、出演者、エキストラ、ボランティアスタッフはすべて高浜市民及び関係者によるものである。筆者は、この映画の脚本と監督を務め、地域に密着し、地域の新たな価値を発見した。高浜市民の情熱に感動した経験と、伝統産業の鬼瓦からヒントを得て「熱い鬼たちが住む町」というコンセプトで物語を作った。
     筆者は、地域に密着し、地域の新たな価値を発見した。これを、映画にすることの意義の一つ目は、わが町の価値を理解しやすくなることであり、二つ目は、この非日常的な創造行為に市民が様々な形で参加できることだろう。
     メインキャストをはじめこの製作に関わっていた人々は、この製作を通して大きく成長し、確実に変化した。この結果を見て、映画製作は、地域の魅力を再発見し、人を育てることで地域を活性化する方法として効果的であると考えている。
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