デザイン学研究作品集
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23 巻 , 1 号
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  • 滝本 成人, 益田 博之, 塚原 弘政
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_2-1_5
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
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    本研究は「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトにおける、医療計測装置のデザイン開発である。この簡易型血管機能計測装置は、被験者が座った姿勢で自ら操作を行い、2分間で計測ができる。デザインプロセスは、始めにデザイン画で基本形を決め、3段階の試作機製作と被験者実験を繰り返し、各部の検証を行った。次に公開セミナーにて、来場者を対象に計測実験を行った。医学と工学の研究にデザイナーが参加することで、医療の分野にもデザインの重要性を示すことができた。
  • 木村 圭汰, 岡本 祐輝, 髙野 修治, 加藤 健郎, 松野 史幸
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_6-1_11
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    本作品は背もたれ中折れ機構を備えた室内環境に調和する新しい介護用車いすである。背もたれ中折れ機構は、背面を分割し上部を前傾できる機構を有しており、身体に快適な姿勢を保つことができる機構である。しかし、同機構の快適性に与える影響について、生理的指標による検証は殆どなされていない。さらに、機構が複雑であるため、見た目に与える印象において、室内環境に存在する家具や家電製品などと調和が取れたデザインとは言い難い。
    この問題を解決するため、分析手法を用いて機能を整理しデザイン案を導出した。導出したデザイン案を基に中折れ車いすを試作し、中折れ車いすに座っている高齢者の生理データの計測を行い、同機構の機能性における有効性を確認した。最後に、様々な世代の被験者に対するアンケートにより本デザインの意匠性における有効性を検証した。
  • 梅田 悟司, 中川 諒, 河瀬 太樹
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_12-1_15
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
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    近年、農業人口の減少と高齢化が進み、農家の後継者探しが大きな社会課題になっている。米の一大産地である群馬県桐生市も同様の課題に直面しており、株式会社電通、地元NPO団体キッズバレイ、米農家が協働して、後継者を見つける新たな取り組みに着手した。そこで生まれたのが、求人米「あととりむすこ」である[図1]。
    あととりむすこは、米そのものと農業体験が組み合わされた製品であり、跡取り希望者は田植えから刈り取りまで、無料で参加できる仕組みを開発した。
    本仕組みを伝達するために、パッケージに求人広告の体裁を採用し、本コンセプトをデザインで昇華させた。販売初年度である2016年には、本製品を食べた10人が、後継者候補として農業体験に訪れた。
  • 田中 佐代子
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_16-1_21
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    サイエンスアゴラのキービジュアルデザインを、2011~2016年の間、筑波大学芸術専門学群の演習授業として行ってきた。サイエンスアゴラは日本最大級の公的な科学コミュニケーションイベントであるが、キービジュアルは様々な媒体に使用され重要な位置を占めてきた。
    採択されたキービジュアルを考察すると「多様性をふまえた独創性」が重要で、不採択だったキービジュアルは「子どもっぽい、マンガ・アニメっぽい」等、訴求対象が限定されたものが多かった。このように本論文では、現代における公的な科学コミュニケーションイベントに相応しい、キービジュアルの方向性を示すことができた。また受講生やサイエンスアゴラ事務局からのコメントを収集することができた。こうした継続的な授業におけるデザインプロセスの記録は、今後のビジュアルデザイン教育の進展に活かせると考える。
  • 阿部 眞理, 齋藤 優太, 高木 拓哉, 白石 照美, 小幡 谷英一, 足立 幸司
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_22-1_27
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
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    圧縮加工を施したスギ材をブロック状に切削し、板目面どうしを接着すると弾性を持つ木材(以下、弾性スギ圧縮木材)となる。この性質を家具部材に適用し、スツールとシェルフを試作した。スツールは座面部材に、シェルフは支持部材に弾性スギ圧縮木材を用いた。スツールにおいては、着座時の荷重に応じて座面がたわみ、座った人の身体になじんで心地よさが得られる。シェルフにおいては地震を想定した振動を与えると防振効果を発揮し、倒れにくい家具となることがわかった。弾性スギ圧縮木材は、人にやさしい家具の実現が期待できるこれからの木材料であるといえる。
  • 上平 崇仁, 星野 好晃, 栗芝 正臣
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_28-1_33
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
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    FIELD MUSEUMは地域の自然公園をまるごとミュージアムに見立て、その中で親子が楽しく利用できる自然科学の学習キットを地域のコミュニティと協働しながらデザインするプロジェクトである。2016年度は制作された8点の学習キットをもとに展示会とワークショップを開催し、関係するコミュニティの立場からこのデザインの妥当性の検証を行った。本稿では、モノとしての学習キットだけでなく、フィールドの周辺に存在する大学、小学校、サイエンスミュージアムという三者を中心に構築した地域協働のモデルと、コミュニティと地域資源が関わり合ってデザインされた活動の全体性をデザインの作品と位置づけて論じた。
  • 駒宮 祐子, 茂木 常浩, 寺部 亮紘
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_34-1_39
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    昨今、パソコンなどのデジタル機器やネットワーク技術の進歩により、従来の紙のドキュメント中心のワークフローが減少し、デジタルドキュメントによるワークフローが急増している。また、直観的に操作できるスマートフォン(スマホ)やタブレット型パーソナルコンピュータ(タブレットPC)の普及により、ユーザの操作感も変化している。
    今回、デジタル複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)コントロールパネルのユーザインタフェース(UI)を刷新するに当たり、想定したユーザの利用シーンからUIコンセプトを立案、新しいUIデザインを組み込んだ技術試作機を作成し、想定利用シーンに合わせたタスクを用いた実ユーザによるユーザビリティ評価を行った。評価と同時に、各被験者の通常のMFP利用状況をヒアリングした結果、UIコンセプトと使いやすさの有効性が確認された。
  • 八城 朋仁, 迎山 和司, 原田 泰
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_40-1_45
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    本作品は、子どもたちが協調してプログラミングを行うためのタンジブルなプログラミングツール「プラグラミング」である。特徴として、プログラムの実行の流れを視覚化するための形態を持つ。プログラミングにおいて、実行の流れを把握することは重要である。本作品による実行の流れの視覚化は、プログラムの基本要素を体験する機会をユーザたちに提供し、議論のきっかけを提供する。
    プラグラミングは、工作等のディスプレイ外のものを動作させる事を主な機能としている。また、工作同士を連結させる事もできる。そのため、作品同士を組み合わせて新たな作品を作るといった活動を行うことができる。開発は、タンジブルなプログラミングツールのプロトタイプとScratch[注1]による数度のプログラミングワークショップ実践を通して行った。
  • 工藤 芳彰, 藤原 あゆみ
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_46-1_51
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    東京都八王子市に伝わる昔話「とんとんむかし」を題材とするボードゲーム型総合学習ツール『とんとんならべ』は、将来のソーシャルデザインの基盤づくりの視点から、小学校中・高学年の「教科以外の学習の時間」の一つである「総合的な学習の時間」に着目し、児童の学習に対する主体性と協同性の向上を支援するために、授業内検証を踏まえて開発したものである。縦横21㎝、高さ5センチほどのかぶせ箱式のパッケージに、読み聞かせ用の「物語シート」、4つ折りの「ゲームボード」、得点となる「お宝チップ」、それを囲み取るための「手札」、高学年児童向けの「オリジナルゲーム制作キット」が含まれる。ゲームプレイには読み聞かせをとおした物語の理解が必要で、中学年児童は物語を拠り所として地域の歴史や文化を学ぶ。高学年児童は「調べ学習」等の成果をオリジナルゲームに変換する作業をとおして、知識の定着と共有を促すとともに、創造性を育む。
  • 今泉 博子, 山口 浩平, 石田 莉菜, 原 寛道
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_52-1_55
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    子どもは高所に居ることを好む。そこで子どもが自ら工夫し、全身を使って登り降りすることを楽しむ遊具の開発を行った。アイデア展開より、奥行きで位相が異なる2枚の波形状の壁の間を多様に登り降りする遊び方に着目した。数度の試作の調査分析により、壁の間で突っ張り、高さのある位置で体勢を維持する行動と、そこから体を持ち上げようとする行動を複数回繰り返して登る様子が見られ、四肢だけでなく腰や背中を使って登っていることが明らかになった。また壁の特定の奥行きの場所から登る行動が多く見られ、子どもが試行錯誤の中で、登りやすい場所を見つけて登っていることが示唆された。最終的な提案物を幼稚園へ4週間仮設置して検証を行い、デザインの有効性を確認できた。
  • 横溝 賢, 千葉 智美, 冨田 奈津美
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_56-1_61
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    人と社会の営みをより良くするためのデザイン学研究は、技術革新や専門分野の多様性を取り入れながら高次に展開している。しかし、その研究構想や知識を市民と共有できる場づくりの方はあまり進んでいない。とりわけ人口減少による社会構造の変革が予測される地方では、デザイン学研究の知識をより直接的に地域社会に還元していく活動が必要とされる。このような背景から、筆者らは日本デザイン学会第1支部大会(北海道・東北地区)が2016年10月に青森県八戸市にて開催されることを機に、デザイン学研究に取り組む専門家の研究構想を市民と直接的に共有できる学会活動の在り方を模索した。同大会では、口頭発表を櫛引八幡宮、ポスター発表を館鼻岸壁朝市にて実施し、地域文化に触れながら段階的に学会を市民に開いていく活動を展開した。本稿では学会という学術研究者による閉ざされた共同体を市民主体の営みの場(市場)に持ち出すことにより、市民と学生、研究者および社会人らが相互に知識交流していった過程を省察し、一連のデザイン活動が参加者に与えた影響について考察する。
  • 安 浩子, 稲舩 仁哉, 川嶋 一広, 矢田 由紀, 佐野 文子
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_62-1_67
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    新しいメディアやデバイスなどの最新技術と、様々な人のアクセスのしやすさや使いやすさに配慮した「最新のアクセシビリティ」への取り組み事例として、NEC公式サイトのデザインとその検討方法を紹介する。
    企業のウェブサイトは、生活インフラとなる重要な情報発信を担っており、迅速で確実な情報提供を行うことが求められている。一方、企業が「最新のアクセシビリティ」に対応したデザインを維持する難しさは年々増し、継続的に適切な対応が出来ている企業は少ない。本事例では「最新のアクセシビリティ」に対応する「ウェブサイトのデザイン」と、その状態を維持するための「社員の誰もが対応できるデザインのしくみ」、「持続的に対応するための組織と体制づくり」を整理し解説する。
  • 石井 晴雄
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_68-1_73
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    愛知県犬山市は国宝犬山城とその城下町を有する観光地であったが、大幅な観光客の減少に見舞われていた。そのような状況の中で、犬山市観光協会からの依頼でwebサイトやスマートフォンサイト、観光マップ、ガイドブック、インテリア、コスチュームなどの多様な媒体やデザインアイテムのデザインをおこなった。それらの媒体やデザインアイテムのデザインに際してはシンボルマークやロゴタイプ、パターングラフィクスなどのビジュアルアイデンティをデザインし、犬山観光について一貫した明快なメッセージを対外的にアピールするとともに、多様な媒体やデザインアイテムに一貫したイメージを与えて、トータルな犬山観光のイメージを醸成することを目指した。
  • 大姶良 義将, 岡崎 章, 荒井 脩人
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_74-1_77
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    本アプリは、痛みの「強さ」と「周期」を用いて視覚的に痛みを捉え、患者が痛みを表現できる評価ツールとして研究開発したものである(図1)。医療現場では患者の痛みを把握することが重要となっている。しかし、痛みという感覚は主観的で曖昧であり、第三者に伝えることは容易ではない。
    本アプリの特徴は、感覚モダリティ変換を用いて直感のまま痛みを伝えることができる点である。タブレット用に開発したアプリとして、画面に表示された痛みの3Dモデルを上下左右のスワイプで操作する。左右のスワイプは痛みモデルの凸の大きさが変化し「痛みの強さ」を表現する。上下のスワイプは凸の反復速度が変化し「痛みの周期」を表現できる。認定看護師の資格を持つ看護師やがん患児が本アプリを操作した時のフィードバックより、本アプリは痛みのイメージが伝わりやすく客観的に理解できるという評価を得た。
  • 三野宮 定里, 原田 泰
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_78-1_83
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    本作品は工芸品のひとつである「貼り箱」の製造コストを寸法、材料、製造方法、加工の有無などから計算するWEBアプリケーションである。経験則ではなく計算モデルに基づいて製造コストを算出したいという貼り箱職人の思いに応えるため、箱の設計に合わせて必要な作業工程と作業工程ごとの人件費を計算するアルゴリズムを開発した。貼り箱の製造フローを視覚的に表現したインタフェースデザインにより、単に自動的に見積もり金額が算出されるのではなく、貼り箱職人がなぜその価格になるのかを説明できるようになることを目指した。
    本作品は貼り箱製造会社M社との協働デザインの成果物であり、デザイナーの参与を通して本作品のデザインプロジェクトが始まった。M社が抱える悩みに対してM社のメンバーの専門性とデザイナーの専門性を活かしあうことでアプローチしたデザインプロセスが特徴である。
  • 勝部 里菜, 牟田 将史, 益子 宗, 内山 俊朗
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_84-1_89
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    近年心拍が計測できるウェアラブルデバイスの市場が伸びており、健康管理や生活の記録を目的とした製品が多くリリースされている。しかし、ウェアラブルデバイスのエンターテインメント分野における活用には発展の余地がある。そこで、心拍の変化を活用し、みんなで手軽に楽しめるエンターテインメントシステム「heartbeat」を制作した。偶然性が重要な要素となるエンターテインメントに、自分の意思によって完全にはコントロールできない心拍を活用することによって、ユーザーはゲーム感覚で楽しみながら、適切な運動効果を得ることが期待できる。
  • 水津 功
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_90-1_93
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    薪ストーブAGNIは日本特有の環境問題を解決するため、北米・欧州の製品以上の性能を必要とする以下3つの特性を有する。

    1)災害に強い熱源
    2)針葉樹を主燃料
    3)容易な完全燃焼 

    この高性能でチャーミングな薪ストーブは、高度にネットワーク化した都市のライフラインに頼らない災害に強い日本の新しいライフスタンダードを提供し、森の健全化と低炭素社会に貢献する。
  • 杉本 美貴, 曽我部 春香, 田中 理佐子, 中島 弥姫, 石田 暁基, 大久保 爽一郎, 森永 大地
    2018 年 23 巻 1 号 p. 1_94-1_97
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル 認証あり
    本作品は主に受注生産を行っている総合印刷会社の株式会社三光が、新事業となる自社で製造、販売可能な学生用ノートを開発するために、学生参加型の共同研究でノートの商品開発を行ったものである。3㎜LEAF1/1と3㎜LEAF1/4は罫線が3㎜幅のルーズリーフシリーズで、見出しは3行、英数字の小文字は1行で書くなど、書きたい文字のサイズに応じて書き分けることができる。3㎜LEAF1/4は細長いルーズリーフで、3㎜LEAF1/1と一緒に使用し、要点をまとめたり、あと少し書き加えたい時に付け足したり、インデックスとしても利用できる。WHITEは罫線が白い破線で印刷されているノートで、筆記時は罫線に沿って書くことができ、見返す時は無地のノートのようにすっきりして見やすい。いずれも筆記する際の使いやすさと復習時に見返す際の見やすさ、わかりやすさに優れた、これまでにないデザインとなった。
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