本研究は婦人科待合へのアロマテラピーの導入と受診者満足度との関係を明らかにし,婦人科待合へのアロマテラピー導入への実際の適応のあり方を検討することを目的とした。対象は2020年11~12月に婦人科待合を利用した女性受診者200名とした。調査開始前にアロマライトを用い,婦人科待合内に精油の香りを拡散させた。その後,婦人科待合へのアロマテラピー導入に対する満足度や香りの強さや好みなどを問う質問紙調査をおこなった。アロマテラピー導入に対する満足度は「とても満足」(33.7%),「やや満足」(34.2%),「どちらともいえない」(30.6%),「やや不満」(1.0%),「とても不満」(0.0%)であった。アロマテラピー導入が当センターへの満足度を向上させているかについては「向上させている」(78.6%),「向上させていない」(18.4%)であった。アロマテラピー導入が満足度を向上させているかどうかは,対象者の香りの強さの感じ方において有意な関係がみられた(カイ二乗値=15.36, p<0.001)。以上より,婦人科待合へのアロマテラピー導入は受診者満足度に寄与している可能性が示唆された。今後は実際の導入のために香りの強さや使用する精油の種類の検討が課題である。
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