日本原子力学会 年会・大会予稿集
2004年秋の大会
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MOX燃料
新型炉,核設計,核変換技術
溶融塩炉,燃焼特性
  • (2)出力密度の向上
    中沢 真一, 三田地 紘史, 山本 高久, 松本 文一
    セッションID: C10
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    著者らはこれまでの研究にて,Pu燃料棒と燃料塩を併用する溶融塩炉を考案し,長期運転可能な炉心例を示したが炉容器あたりの出力が小さいという課題があった.本報では,この炉のコンパクト化及び出力密度の向上を図るとともに,更なる出力密度の向上のため,燃料格子内に黒鉛減速材を含まない炉心を新たに提案した(以下,前者を黒鉛有り炉心,後者を黒鉛無し炉心と表記).
    炉の臨界特性はSRAC95により,燃焼特性はORIGEN2とSRAC95を組み合わせる事により解析を行った。解析の結果,黒鉛有り,黒鉛無し炉心ともに前報の炉心と比べ炉容器出力密度が大幅に向上した.また,両炉心を比較するとUfissileの生産量は黒鉛有り炉心の方が有利であり,出力密度,Puの消費量,MAの生産量は黒鉛無し炉心の方が有利であることが明らかになった.
  • 池内 浩司, 山本 高久, 三田地 紘史
    セッションID: C11
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    溶融塩炉は燃料塩が核分裂反応を伴いながら炉内を循環する液体燃料炉である為,原子炉内は燃料塩の流動,核分裂,熱移動が相互に干渉する複雑な場となっている。本研究では流動,核反応,熱移動の相互干渉を考慮した解析モデルを用い,燃料塩流量が変化した際の小型溶融塩炉の炉心特性を明らかにし,流量操作による炉制御を検討した。
    その結果,燃料塩流量と炉熱出力との間には一次の相関が認められ,燃料塩流量の増加とともに炉熱出力は上昇した。また,炉熱出力が新しい定常出力値273MWに変化する際の整定時間(新しい定常出力値の±5%以内に落ち着くまでの時間)は約100秒であり,炉制御を行う上で十分な安定度,速応性を有していることを確認した。
    本研究の解析より,燃料塩流量を変化させた際の小型溶融塩炉の炉心特性が明らかになった。またBWRと同じように,燃料塩流量の操作により炉出力制御の可能性のある事が示された。
  • (3) 炉心燃焼特性の検討
    三田地 紘史, 山本 高久, 中沢 真一
    セッションID: C12
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    前報に続き環状炉心溶融塩炉を改良し,炉容器出力密度3.82 kW/lを得た。この炉を負荷率0.75で30年間 運転する場合の燃焼特性を求めた。得られた結果を1GWeあたりに換算すると,233U初装荷量は4.1tとなり,30年間の233U補給量は,燃料塩の化学処理を7.5年毎に行う場合で約3.1t,15年毎で約4.4t,化学処理しない場合で約6.3tに増加した。また,30年後に炉内に残留する核分裂性ウランの量は,燃料塩の化学処理を行う間隔により夫々約5.8t, 6.4t, 7.6tとなった。化学処理を7.5年毎に行う場合に較べ,化学処理をしない場合には233U補給量は約2倍に増加し,核分裂性ウランの正味消費量は約1.4t増加した。性能低下を伴うが,黒鉛減速材を交換せず,燃料塩の化学処理もせずに,30年間 炉運転を続ける選択肢も,経済性の観点より検討に値すると思われる。
  • Sidik Permana, Hiroshi Sekimoto, Obara Toru
    セッションID: C13
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    Characteristics for different moderation ratios are investigated with light water and heavy water coolant. Equilibrium state was implemented by four typical fuel cycles. Design parameters are the same for standard PWR design with different moderation ratios and different coolant as shown in table 1 Calculation method was performed by using ECICS (Equilibrium Cycle Iterative Calculation System) to get nuclide densities and uranium supply in equilibrium state and to estimate the required uranium enrichment to keep the reactor on the critical condition. Obtained results are shown in Fig.1 for both light water and heavy water coolant. In required uranium enrichment point of view the light water case has better performance than heavy water case, but in the lower moderator to fuel volume ratio the heavy water coolant has better conversion ratio than light water coolant.
  • 関本 博, 小原 徹
    セッションID: C14
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    CANDLE燃焼を天然ウラン装荷型大型高速炉及びブロック燃料型高温ガス炉に適用し、優れた特性を達成することが可能であることを示した。また初期炉心からのシミュレーションを行い、適当な核種密度の初期分布を見つけた。これらについて報告する。
  • 制御棒体系非均質モデルの検討
    照山 英彦, 西 裕士, 北野 彰洋, 森木 保幸
    セッションID: C15
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    パソコン版対話型「もんじゅ」炉心特性解析システムMEISTER(1)の制御棒体系非均質モデルの改良のために、モンテカルロ法による数値実験を行い検討した。
  • 「もんじゅ」性能試験への制御棒改良体系非均質モデルの適用性検討
    北野 彰洋, 照山 英彦, 西 裕士, 森木 保幸
    セッションID: C16
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    パソコン版対話型「もんじゅ」炉心解析システムMEISTERにて採用されている制御棒体系非均質モデルについて、メッシュ毎に幾何学形状に応じたマクロ断面積を設定できる制御棒改良体系非均質モデルを追加した。このモデルによる「もんじゅ」性能試験解析を行い、適用性について確認した。
高速炉,構造設計,格納容器設計
  • 熱荷重設定に関する指針の開発
    笠原 直人, 柴本 宏, 井上 和彦, 神保 雅一
    セッションID: C17
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    高速炉は高温で運転されることから熱荷重が厳しくなる。熱荷重の発生要因は冷却材温度変化であることから、その予測には流体と構造の両者を評価する必要がある。また、熱過渡応力は温度の絶対値ではなく変化速度や空間分布に依存することから、他の荷重に比較して設計上の見通しが良くない。こうした問題を緩和するため、「実用化高速炉構造設計基準(略称FDS)」策定の一環として、熱流動・構造一貫評価法に基づく系統熱過渡荷重設定法と周波数伝達関数によるサーマルストライピング荷重設定法を開発し、両者を含む「熱荷重設定に関する指針」を策定している。
  • 原子炉液面近傍模擬構造物モデル試験
    長島 英明, 柴本 宏, 井上 和彦, 笠原 直人, 中馬 康晴, 大谷 知未
    セッションID: C18
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    原子炉液面近傍の累積非弾性ひずみ及びクリープ・疲労を保守的で合理的に評価できる非弾性解析法を提案しているが,これらの精度を検証する必要性から構造物モデル試験を計画している。ここでは構造物モデル試験に適用を予定しているレーザースペックルひずみ計測法による高温下でのひずみ計測の可能性を検討し,適用できる見通しを得た。
  • 非弾性解析のための負荷履歴設定法
    柴本 宏, 田中 良彦, 長島 英明, 井上 和彦, 笠原 直人, 大谷 知未
    セッションID: C19
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    実用高速炉の設計合理化を可能とすべく、非弾性解析指針の研究開発を進めている。非弾性解析の設計導入上、負荷履歴効果の保守的包絡法が主要課題である。負荷履歴の設定方針を検討し、“シェイクダウン域を超える負荷を抽出し、大きな負荷で包絡することにより負荷履歴を単純化する”こととした。最大負荷の繰返しのみに包絡できれば、履歴の考慮は不要となる。この仮定が保守的になり過ぎ設計不成立の場合、2種類以上の負荷をひずみが大きめになるように配慮して組合せることとした。そして負荷の組合せ方法を、原子炉下部構造を対象として2直線近似モデルを用い、履歴パターンを変えた非弾性解析を通じて検討した。この結果、_丸1_発生応力が逆向きの負荷を混在させること _丸2_負荷の組合せの種類毎、個別に計算し合算すること が、保守的評価に有効であることが分った。また、構成式の相違が累積ひずみに大きな影響を及ぼすことが明らかになり、軟らかめの構成式を用いた場合、負荷履歴に関する最小限の配慮で保守的なひずみが得られる見通しである。
  • (2)HIPによる試作
    西 義久, 木下 泉
    セッションID: C20
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    HIP(Hot Isostatic Pressing;熱間等方加圧法)を用いたプレートフィン型の高速炉用高信頼性蒸気発生器(SG)の概念を提案し、伝熱管の候補材である改良9Cr-1Mo鋼およびSUS316鋼による試作を実施した。顕微鏡観察、引張り試験、およびマイクロビッカース硬さ試験の結果から、熱交換プレートの基本的な製作性について確認した。
  • 単純化BWR用格納容器の一考察
    落合 兼寛, 片山 光夫, 新野 毅
    セッションID: C21
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    鋼製ライナーの代替として樹脂を使用し、コストの上昇を低減しながら原子炉格納容器を大型化して、運転員の安心感を高めるコンセプトについて、単純化BWRをモデルとして検討した。
SASS,炉内実証試験
  • (1)全体計画
    内田 昌人, 小竹 庄司, 揃 政敏, 吉田 昌宏, 碇本 岩男, 加藤 潤悟, 原田 清, 福家 賢
    セッションID: C22
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    キュリー点方式の電磁石を利用した自己作動型炉停止機構(SASS)は、実用化段階の高速増殖炉の受動的停止機構として研究開発を進めている。平成15年度には、炉外における各種材料試験、要素試験、システム試験が完了し、照射影響の確認を除いてSASSの設計手法の妥当性を確認することができた。本報では、これまでに実施した研究開発結果についてその全体概要を報告する。
  • (2)材料試験
    原田 清, 澤畑 雄一, 小竹 庄司, 内田 昌人, 碇本 岩男, 加藤 潤悟, 福家 賢
    セッションID: C23
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    キュリー点方式の電磁石を利用した自己作動型炉停止機構(SASS)は、実用化段階の高速増殖炉の受動的炉停止機構として、昭和61年度から研究開発を進めている。本概念は、炉心冷却材の温度上昇に速やかに応答し、投入される負の反応度も大きく、かつ、炉内でのリセット性やテスタビリティがあり、制御棒切離しの不確かさが少ないという特長がある。本報では、SASS構成要素である温度知合金、鉄芯材等の主要材料につての磁気特性等、材料特性試験結果を報告する。
  • (3) 要素試験/システム試験
    加藤 潤悟, 碇本 岩男, 小竹 庄司, 内田 昌人, 原田 清, 福家 賢
    セッションID: C24
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    キュリー点方式の電磁石を利用した自己作動型炉停止機構(SASS)は、実用化段階の高速増殖炉の受動的停止機構として、昭和61年度から研究開発を進めている。本概念は、炉心冷却材の温度上昇に速やかに応答し、投入される負の反応度も大きく、かつ、炉内でのリセット性やテスタビリティがあり、制御棒切離しの不確かさが少ないという特長がある。各種の要素試験(保持力特性試験、応答特性試験)により実用炉での要求条件を満足するSASS設計の確立と、システム試験(Na中耐熱・耐熱過渡試験)による炉停止システムとしての信頼性検証が行われた。その結果、SASSの制御棒吸着保持性能やATWS事象を模擬した熱過渡時の温度応答特性が十分な性能であることを確認した。また実機と同等の使用環境下において約30ヶ月の耐久試験を行い、SASS性能が安定していることを確認した。以上から十分な性能と信頼性を有するSASSの設計手法の妥当性を検証するとともに、実用化段階のFBRへ導入できる見通しを得た。
  • -(1) 試験計画ー
    高松 操, 関根 隆, 内田 昌人, 小竹 庄司
    セッションID: C25
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
     核燃料サイクル開発機構と日本原子力発電(株)では、高速増殖炉(FBR)のさらなる安全性向上を目的に、キュリー点電磁石を用いた自己作動型炉停止機構(SASS:Self Actuated Shutdown System)の開発を進めている。高速実験炉「常陽」では、本炉停止機構の試験装置を設置し、本開発の最終ステップとして、その信頼性の実証や機能の確認を行う。
  • _-_(2) 試験装置据付と特性試験_-_
    飛田 茂治, 長井 秋則, 西野 一成, 仲井 悟, 内田 昌人, 小竹 庄司, 原田 清
    セッションID: C26
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
     核燃料サイクル開発機構と日本原子力発電(株)では、高速増殖炉(FBR)のさらなる安全性向上を目的に、キュリー点電磁石を用いた自己作動型炉停止機構(SASS:Self Actuated Shutdown System)の開発を進めている。高速実験炉「常陽」では、本炉停止機構の試験装置を設置し、本開発の最終ステップとして、その信頼性の実証や機能の確認を行う。
鉛ビスマス,小型高速炉
低減速スペクトル,BWR,燃料無交換
  • _-_限界出力相関式の改良_-_
    山本 泰, 白川 健悦, 久保 伸二, 師岡 愼一
    セッションID: C37
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    沸騰水型原子炉(BWR)の技術を生かし転換比を高くしプルトニウムを有効活用する低減速スペクトルBWRの開発が進められている。低減速スペクトルBWRでは、従来のBWRと異なり燃料棒を三角格子配列として燃料棒の間隔を極力狭め中性子の減速材である水を排除して高速スペクトル化することにより転換比を高める設計となっている。この低減速スペクトルBWRの成立性の鍵の1つは除熱性能である。そこで、これまで実施した稠密バンドルの限界出力測定データを用いて稠密燃料バンドルに適用可能な限界出力相関式について検討した。その結果、Arai式をベースに流路形状効果、および径方向位置効果を付加することにより、これまでの測定データを良好に予測可能な限界出力相関式を構築できた。
  • 平衡炉心設計
    櫻井 俊吾, 平岩 宏司, 山岡 光明, 山本 泰
    セッションID: C38
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    原子力学会2004春の大会(O25)において、低減速スペクトルBWRの特徴であるストリーミングチャンネルを層状に配置した場合の平衡炉心特性を報告した。本報では、三次元多群炉心シミュレータNEREUSTMを用い、ストリーミングチャンネルをチェッカーボード状に配置した場合の平衡炉心設計結果を報告する。本報では短尺燃料(ストリーミングチャンネル)をチェッカーボード状に配置した炉心を対象に解析した。取出平均燃焼度45GWd/t(ブランケット部を含む)で運転月数12ヵ月(サイクル燃焼度7.5GWd/t)の条件のもとで評価した。径方向出力分布平坦化のため、反応度の高い燃料割合をを炉心の外周部高めるとともに、1/8炉心対称性を持つように燃料を装荷している。ただし、各象限の境界上に新燃料がくる場合には新燃料が面隣接することを避けるため、対象性をわざと崩している。平衡炉心設計の結果、現行BWRの炉心設計条件を満足する平衡炉心が設計できた。
  • TRACG02modT1コードによる三次元過渡解析
    安部 信明, 武内 豊, 櫻井 俊吾, 平岩 宏司, 師岡 慎一
    セッションID: C39
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    1. はじめに 低減速スペクトルBWRでは従来のBWRと異なり、熱中性子以外の高速中性子・共鳴中性子の挙動が重要になってくる。本報では中性子挙動を多群三次元、熱水力挙動を三次元で解く三次元核熱結合解析コードTRACG02modT1を用いて実施した過渡解析結果について報告する。TRACG02modT1コードは近代ノード法(解析的多項式ノード法)に基づく三次元炉心シミュレータNEREUS相当のモデルを組み込み、ストリーミングチャンネルを有する本炉心の過渡解析も評価可能である。2. 解析モデルおよび条件 低減速スペクトルBWRに対するTRACG02modT1のノード分割を図1に示す。低減速スペクトルBWRプラント全体をノードに分割して非均質非平衡二相流の流体保存則を解き、各部の圧力・流量・温度変化を求める。原子炉圧力容器は軸方向15、径方向4のVSSLコンポーネントで三次元的に模擬している。低減速スペクトルBWRの208体の燃料集合体(通常燃料チャンネル132体、ストリーミングチャンネル76体)は軸方向のレベル4から7の間に各燃料集合体の出力に応じて11のCHANコンポーネントで模擬した。炉心はBWR炉心設計手法を用いて求めた平衡炉心であり、図1のように通常燃料チャンネルとストリーミングチャンネルは千鳥格子状に配列され、中性子挙動は3群モデルで評価した。3. 解析結果 低減速スペクトルBWRの代表的な過渡変化として原子炉冷却材流量の部分喪失(再循環ポンプ3台リップ)を選定した。図2に主要パラメータの変化を核ポイントモデルと比較する。主要パラメータの変化は核ポイントモデルと三次元核熱計算モデルでほぼ同じである。しかしながら、三次元核熱結合モデルの方が原子炉出力の低下が小さく、その結果、MCPRの低下が大きい。原子炉出力の低下が三次元核熱結合で小さいのは本手法での等価的なボイド反応度係数が核ポイントモデルでのボイド反応度係数より小さいことによる。また、三次元核熱結合モデルでは原子炉出力と炉心流量のミスマッチが大きいことと、MCPRが発生するホット燃料集合体の出力低下が小さいことにより、ΔMCPRが大きくなっている。4.まとめ 低減速スペクトルBWRの代表的な過渡変化を多群三次元核熱結合手法で評価した。その結果、過渡特性な観点から低減速スペクトルBWRのプラント成立性の見通しを得た。
  • 自然循環運転可能な1350MWe超ウラン核種多重リサイクルBWR炉心の設計
    竹田 練三, 青山 肇男, 三輪 順一, 池側 智彦, 大久保 努, 内川 貞夫, 岩村 公道
    セッションID: C40
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    自然循環炉心冷却方式で、電気出力1350MWe,炉心から取り出される燃料の平均の燃焼度45GWd/t,負のボイド係数を有し、連続運転期間18ヶ月でPu残存比1.03の全超ウラン核種を多重リサイクルするBWR炉心の概念をまとめた。
  • 日比 宏基, 関本 博
    セッションID: C41
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    1.0以上の高転換比と負のボイド反応度係数を両立する水冷却増殖炉の研究が行われ、いくつかの炉概念が提案されている。いずれの炉概念も、Na冷却炉に比して、炉心核特性に対する燃料・炉心仕様の感度が高いという特徴を有している。そこで、炉内での中性子反応挙動の詳細分析を行った。その結果、Na冷却炉なみに低減速化した場合でも、共鳴反応エネルギー領域にある中性子の寄与が大きな影響を及ぼすために、Na冷却炉とは異なる核特性挙動を示すことが明らかになった。
  • 原研FCAを用いた臨界実験体系の検討
    山岡 光明, 横山 次男, 森木 保幸, 岡嶋 成晃, 森 貴正, 竹田 敏一, 北田 孝典, 土石川 雅一, 松村 哲夫, 名内 泰志
    セッションID: C42
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    超小型高速炉4S(Super Safe, Small and Simple)では高い安全性の確保と長寿命炉心の実現をめざしている。そのキー技術である「反射体制御炉心」の核特性評価技術を確立するために、日本原子力研究所の高速炉臨界集合体FCA(Fast Critical Assembly)を用いた臨界実験を計画しており、前報では、Pu燃料を用いる燃料無交換炉心を模擬するため、FCAの燃料所有量の制約条件を考慮して設定した濃縮UとPuを含む一領域からなる基準炉心を示した。本報では反射体核特性やナトリウムボイド反応度の定量的な模擬性の観点から検討して、最終的に選定した実験体系の特徴と模擬性について述べる。
  • Naボイド反応度誤差低減手法
    土石川 雅一, 竹田 敏一
    セッションID: C43
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    長寿命小型高速炉ではNaボイド反応度の正確な評価が必要とされる。よって、新しい手法を導入する。この手法において、非漏洩・漏洩成分におけるバイアス因子は高速臨界集合体の解析値と実験値より導出する。そして、得られたバイアス因子を、対象の炉心のNaボイド反応度の計算に適応させる。Naボイド反応度の予測誤差は理論的に導出されている。今回は、その手法をZPPR-9のNaボイド反応度に用いた。従来のバイアス因子はボイドパターンにより3~4%異なった。しかし、今回の手法では、バイアス因子はほぼ同じ値を示した。Naボイド反応度の予測誤差を従来手法で得られたものと比較を行った。炉心の中心側のボイドパターンの場合、今回の手法でのC/E値は予測誤差の範囲で実験値と近い値を示した。しかし、従来手法では、すべての予測値は予測誤差範囲で実験値と一致しなかった。しかし、軸ブランケット内もしくは周辺でのボイドパターンでは、予測誤差の低減は成し遂げられなかったため、今後さらなる研究が必要である。
  • 燃焼特性に対する断面積の感度評価
    松村 哲夫, 名内 泰志, 横山 次男, 竹田 敏一, 岡嶋 成晃
    セッションID: C44
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    燃料無交換炉心での燃焼欠損反応度について、影響の大きい核種および反応を明らかにするための感度解析を実施し、本炉心ではU238の捕獲反応とPu239の核分裂断面積の感度が卓越していることを示した。
超臨界圧軽水炉,DMS
  • 石渡 祐樹, 岡 芳明, 越塚 誠一
    セッションID: C45
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    高温超臨界圧軽水冷却減速炉の過渡時スクラム失敗事象(ATWS)の解析を行った。様々な過渡事象をスクラム不作動を仮定して解析した。ATWSには事故時の判断基準が適用され、被覆温度は1260℃以下、圧力は最高使用圧力27.5MPaの1.1倍以下である。超臨界圧軽水炉のATWS時の挙動は軽水炉と比べて緩やかであり、代替操作を行わずとも最高被覆温度は「外部電源喪失」の約890℃で判断基準の1260℃を十分に満足した。これは超臨界圧炉の安全上の大きな特徴である。BWRで厳しい加圧事象ATWSは超臨界圧炉では厳しくない。ATWSを検知して自動減圧弁を開くATWS対策を導入した解析では最高被覆温度は更に低くなり、「炉心流量部分喪失」の約740℃に抑えられた。制御棒を挿入せずに最終的に冷態停止を達成するためのパラメータを評価した。保守的な仮定をしてもABWRと同じ設計パラメータで十分に冷態停止が達成できることを確認した。
  • Tin Tin Yi, Seiichi Koshizuka, Yuki Ishiwatari, Jie Liu, Yoshiaki Oka
    セッションID: C46
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    The stability characteristics of high temperature supercritical pressure light water cooled reactors (SCLWR-H) are studied by a linear frequency domain analysis. The thermal-hydraulic stability and coupled neutronic thermal-hydraulic stability are investigated for full power normal operation as well as partial power operations at constant supercritical pressure.
  • 山路 哲史, 亀井 一央, 岡 芳明, 越塚 誠一
    セッションID: C47
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    高温超臨界圧軽水炉(SCLWR-H)のプラントシステムは気水分離が無い貫流直接サイクルであるため、炉心設計では炉心平均冷却材出口温度の高温化が重要である。炉心最外周部では出力分布の勾配が大きいため、従来の設計では1つの燃料集合体を仕切り板で4区画し、それぞれ異なるオリフィスにより冷却材流量を配分していたが、炉心平均冷却材出口温度は500℃にとどまっていた。
    本研究では炉心平均冷却材出口温度を高温化するため炉心最外周部燃料集合体を下降流冷却とし、下部プレナムでダウンカマー水と混合した後、炉心中央部の燃料集合体を上昇流で冷却する方式により炉心平均冷却材出口温度530℃の平衡炉心が成立することを炉心設計により示した。
    燃料設計の考え方は軽水炉燃料と同様で、炉心設計基準は従来の設計と同じく、定格運転時で燃料棒被覆管表面最高温度650℃、最大線出力密度39kW/m、正の水密度反応度係数(負のボイド反応度係数)、炉停止余裕1%ΔK/K以上である。炉心設計は従来の設計と同様に、3次元核熱結合炉心計算を用いて行った。
  • 開発目標とプラント概念
    富永 研司, 守屋 公三明, 松浦 正義, 飯村 芳則, 肥田 隆彦
    セッションID: C48
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
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    電力需要の伸び鈍化および電力市場の自由化により、投資リスク低減の観点から中小型軽水炉DMSを開発した。DMS概念の構築に際しては、スケールディメリットを克服するためにシステム・機器の徹底的な小型化・簡素化を図るとともに、建屋配置の標準化・建設の統合モジュール化を追及した。
  • 原子炉システム・安全系概念
    横内 滋, 安田 賢一, 畠山 由紀夫, 松浦 正義, 安藤 浩二, 保志 貴司
    セッションID: C49
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    経済性の高い中小型炉を開発することを狙い、DMSの原子炉システム概念と安全系概念の検討を行った。原子炉システムは自然循環方式の採用などにより大幅な簡素化が可能となり、RPV小型化を達成する見通しを得た。また、簡素化を行った安全系概念においても炉心冠水維持を達成可能なことを確認した。
  • 配置・建設概念
    清水 雄亮, 飯村 芳則, 平子 静, 岡野 敬, 安田 雄二, 松浦 正義, 三好 勝正
    セッションID: C50
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
     中小型炉DMSの開発にあたり、建設物量の低減,建設工期の短縮を主眼とした建屋配置・プラント建設コンセプトの概念計画を行った。
     まず小型原子炉圧力容器の採用や主蒸気管本数の低減、圧力容器と格納容器の偏心配置などによりコンパクト原子炉格納容器の概念を確立した。これにより原子炉建屋は現行大型炉に比べて出力当たりの建屋容積比を同程度まで低減できた。
     次に原子炉格納容器及びその周囲の生体遮へい壁を鋼板コンクリートにより一体モジュール化する手法や、電気品設備エリアへの多層複合モジュール工法の採用などにより、25ヶ月工程(岩盤検査_から_運開)を実現可能とする建設概念を構築した。
     上記の建屋配置・プラント建設コンセプトにより、中小型炉DMSにおいて高経済性を有し早期建設可能な建屋配置・プラント建設概念を確立した。
高温ガス炉,HTTR,燃料サイクル
加速器駆動,核変換
  • (1) 計画の全体進捗状況
    大井川 宏之, 大内 伸夫, 菊地 賢司, 辻本 和文
    セッションID: C56
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    マイナーアクチニドを効率よく核変換することを目的とした加速器駆動核変換システム(ADS)について、その工学的成立性評価に資するための技術開発を平成14年度から3年計画で実施している。技術開発の対象は、「超伝導陽子線形加速器(LINAC)」、「鉛ビスマス共晶合金(LBE)」、「未臨界炉心技術」の3分野である。超伝導LINACに関しては、主要な構成要素であるクライオモジュールの試作が完了し、性能試験を実施中である。LBEについては、ループを用いた腐食試験、LBE中の材料疲労試験、ビーム窓部の伝熱流動試験、LBE中のPoの蒸発率測定等を進めた。未臨界炉の構造検討では、熱出力800MWのタンク型LBE冷却ADSについて、特にビーム窓とホットスポット燃料ピンの冷却性能を中心に成立性を検討した。未臨界炉の炉物理の観点からは、KUCAを用いて未臨界度測定手法の開発を実施すると共に、共分散ファイルと感度解析結果を用いた核特性予測精度評価を開始した。
  • (2) 超伝導加速器の開発
    大内 伸夫, 赤岡 伸雄, 浅野 博之, 植野 智晶, 長谷川 和男, 野口 修一, 加古 永治, 斎藤 健治, 宍戸 寿郎, 大久保 光一 ...
    セッションID: C57
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    加速器駆動核変換システム用超伝導加速器の開発として、クライオモジュールの開発と超伝導加速器のシステム設計を実施している。クライオモジュール開発では、超伝導空洞の単体性能試験及びクライオモジュールの組立を終了した。システム設計では、100_から_1500MeV領域のビーム軌道解析を実施した。
  • (3) 鋼材腐食試験
    鎌田 勤也, 北野 照明, 小野 幹訓, 菊地 賢司, 倉田 有司
    セッションID: C58
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/11/19
    会議録・要旨集 フリー
    加速器駆動核変換システム(ADS)の実用化のために必要とされる鋼材腐食データを取得することを目的に、流動鉛・ビスマス下でビーム窓候補材料の腐食試験を実施した結果を報告する。
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