前報に続き環状炉心溶融塩炉を改良し,炉容器出力密度3.82 kW/lを得た。この炉を負荷率0.75で30年間 運転する場合の燃焼特性を求めた。得られた結果を1GWeあたりに換算すると,
233U初装荷量は4.1tとなり,30年間の
233U補給量は,燃料塩の化学処理を7.5年毎に行う場合で約3.1t,15年毎で約4.4t,化学処理しない場合で約6.3tに増加した。また,30年後に炉内に残留する核分裂性ウランの量は,燃料塩の化学処理を行う間隔により夫々約5.8t, 6.4t, 7.6tとなった。化学処理を7.5年毎に行う場合に較べ,化学処理をしない場合には
233U補給量は約2倍に増加し,核分裂性ウランの正味消費量は約1.4t増加した。性能低下を伴うが,黒鉛減速材を交換せず,燃料塩の化学処理もせずに,30年間 炉運転を続ける選択肢も,経済性の観点より検討に値すると思われる。
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