大阪大学核物理研究センターの東実験室において、392MeVの陽子線を
51V及び
181Taターゲットに入射し、陽子生成断面積を測定した。またこの結果を過去に行った
12C,
27Alターゲットを使用した同様の実験のデータも示し、これと比較する。さらに、量子分子動力学(QMD)モデルと比較した。加えて、我々の研究室で開発して核内カスケード(INC)モデルとの計算結果との比較も行った。これらの核子多体型のモンテカルロシミュレーションでは、反応においてそのターゲット原子核の基底状態にシミュレーション結果が大きく左右されると考えられる。INC計算コードにおいては基底状態の密度・運動量分布が現実の値に近くなるように分布を作成した。また、QMDモデルの計算コードにおいては、実験再現性を検討する上で、12C等の軽いターゲットの場合、シミュレーションコード内で生成する基底状態に問題があることが確認されているため、そこに着眼してモデルの改善を行い、実験値と比較した。
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