日本原子力学会 年会・大会予稿集
2010年春の年会
選択された号の論文の665件中1~50を表示しています
第I区分 総論
社会との関わり
コミュニケーション
対話・合意形成
  • 菅原 慎悦, 城山 英明
    セッションID: A13
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    フランスの原子力施設に対しては、地域情報委員会(CLI)という組織を設置することが、法律により義務付けられている。これまで、CLIについては、コミュニケーション的観点から、情報提供のあり方を中心にいくつかの調査研究が行われてきた。しかし、国の規制機関や地方自治体等、関連主体の間でCLIがどのように機能しているかについては、あまり論じられてこなかった。そこで筆者らは、2009年11月に実施した現地調査をもとに、その制度的位置づけや役割等を分析し、そこから導かれる日本の制度設計への示唆について論じる。
  • 北村 正晴, 八木 絵香
    セッションID: A14
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    筆者らは原子力の安全論、技術論に係わる市民・専門家対話を2002年から今日まで実施してきたが、社会的・政治的な合意形成をめざして議論をさらに深化させようとすると、技術論の背後にある価値論、倫理、歴史観、社会的公正、などの基本的問題に立ち入らざるをえなかった。当然ながらこれらの論点について合意を見出すことは、安全論や技術論の場合よりさらに困難であった。この限界への対処方策に関して、市民参加型科学技術評価の意義を、社会的意思決定とは異なった視点から再検討することを試みた。具体的にはサービスサイエンスの視点に立って、従来の対話方式の再吟味と評価を試みた。またその検討を踏まえて、原子力対話場の設計と運用に関する新しい指針の導出を試みた。これらの検討過程と導出された指針について報告する。
  • 山野 直樹
    セッションID: A15
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    原子力の社会受容を目的とした合意形成手法に対しては、様々な研究や取り組みが行われている。他方、社会的意思決定過程に関わる合意形成の研究は、広く公共政策学や科学技術社会論でも議論されている。しかしながら、それらを総合的に俯瞰して捉える体系化はなされていないのが現状ではないか。本研究では、これらを原子力合意形成学として体系化していくための方法論における構成要素について考察する。
  • 狩川 大輔, 鳥羽 妙, 高橋 信
    セッションID: A16
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    複雑かつ広範囲におよぶ論点を含む原子力問題に関する社会的議論を進めていくためには、市民のニーズを踏まえた多様なスキームの対話場を設計・実践し、各々の特徴を生かした効率的かつ効果的な議論を展開することが必要であると考えられる。そのためには、異なる対話スキームの特徴や、設計・運営上の留意点を明らかにしておくことが重要となる。本研究においては、その第一段階としてプルサーマル問題に関する過去の複数の対話実施例に着目し、基本設計やファシリテータの役割、さらには行われた議論の広さと深さの観点から比較・分析を行い、各対話スキームのメリットとデメリット、ファシリテーション上の留意点、より良い対話場を実現するためのさらなる検討課題等について実践事例に基づく抽出を試みた。
経済・法
教育
不拡散・保障措置
第II区分 放射線工学と加速器・ビーム科学
原子核物理,核データ,核反応工学
ニュートリノ・原子核理論計算
核データ・ベンチマーク実験
  • 平山 嵩祐, 内藤 有紀, 渡辺 幸信, Andersson Pernilla, Bevilacqua Riccardo, Gustavss ...
    セッションID: B30
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    ウプサラ大学 TSL 準単色中性子源施設を利用して、シリコンに対する 175 MeV 準単色中性子入射軽イオン(p, d, t, 4He)生成二重微分収量を測定し、測定結果を PHITS コード計算値と比較し核反応モデルのベンチマークを行った。
  • 執行 信寛, 日高 浩介, 平林 慶一, 中村 泰博, 森口 大輔, 平野 秀峻, 平山 嵩祐, 内藤 有紀, 渡辺 幸信, 相良 建至, ...
    セッションID: B31
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    Cu、Tiの厚いターゲットに対して、9MeV重陽子を入射した時の中性子収量を九州大学理学部タンデム加速器実験室で測定した。ターゲットには9MeV重陽子が完全に停止する厚さのCu、Tiを用いた。放出中性子の測定には直径と厚さが共に5.04 cmのNE213液体有機シンチレータを使用し、測定角度は0度から135度までとした。飛行時間法が利用できないため、中性子のエネルギーはシンチレータの発光量スペクトルをアンフォールディングすることで導出した。
  • 近藤 恵太郎, 落合 謙太郎, 鈴木 ちひろ, 八木 貴弘, 大西 世紀, 高倉 耕祐, 佐藤 聡, 阿部 雄一, 今野 力
    セッションID: B32
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    鉛は核融合炉のブランケットにおける中性子増倍材の候補の一つとして検討が進められており、重要な元素の一つである。本研究では鉛の評価済み核データの精度検証を目的として、DT中性子源を用いたベンチマーク実験を実施した。 実験は原子力機構の核融合中性子源施設FNSで行った。厚さ45cmの立方体体系を構築し、反応のしきいエネルギーが0.3MeV以上の放射化箔(In, Ni, Al, Nb, Zr)を用いた体系内の反応率測定と、NE213検出器を用いた体系内の中性子スペクトル測定を実施した。最新の核データライブラリを用いた計算値との比較の結果、JENDL-3.3を用いた計算値は体系が深くなるにつれてMeV領域の中性子束を過小評価する傾向があり、40cm深さで50%近くの大きな過小評価を示すことが分かった。一方、ENDF/B-VII.0とJEFF-3.1を用いた計算値は比較的実験値をよく再現した。
  • 西尾 勝久, 西中 一朗, 牧井 宏之, 光岡 真一, 古高 和禎, 若林 泰夫, 高橋 竜太, 浅井 雅人, 石井 哲朗, 千葉 敏, 廣 ...
    セッションID: B33
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    原子力機構では、核子移行反応によって中性子入射核分裂断面積を導出する代理反応研究を計画している。これは、半減期が短いなどの理由で標的試料の作成が困難な原子核の中性子入射核分裂断面積を決定するため、同じ複合核を重イオン入射核子移行反応によって生成し、複合核の核分裂崩壊比を実験的に導出して中性子入射断面積を決定するものである。今回、239U(n,f)の導出を目的とする238U(18O,16O)反応実験を、原子力機構タンデム加速器施設において行ったので結果を報告する。
代理反応の理論
  • 1. 代理比反応法の妥当性
    千葉 敏, 岩本 修
    セッションID: B34
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    代理反応と中性子入射反応におけるスピン・パリティー分布の違いの影響を調べた。その結果、代理比反応が1)この論文で導いた弱いWeisskopf- Ewing条件を満たす、2)二つの代理反応で生成する複合核のスピン・パリティー分布が等価であり、3)中性子反応と代理反応における平均的なスピン値の違いが10$\hbar$程度以内であれば成立することが分かった。期待される精度は、核分裂断面積に対して5\%、中性性捕獲断面積に対して10\% 程度である。これに対し、代理絶対反応法の適用は、代理反応と中性子反応で生成するスピン・パリティー分布が等しいか、違いを理論的に補正しなければ困難である。
  • (2) 統一模型による代理反応の記述
    有友 嘉浩, 千葉 敏, 橋本 慎太郎, 宇都野 穣, 小浦 寛之
    セッションID: B35
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    代理反応を用いて中性子入射反応を議論する際、生成複合核の角運動量分布、および複合核からの分裂片の質量分布、角運動量分布、角度分布等の物理量の情報は非常に重要である。これらの物理量を精度良く扱える計算手法を確立しモデルを構築することが本研究の目的である。代理反応における核子移行過程、複合核の生成崩壊過程等、全過程を連続的に取り扱うため、動力学的計算を導入した「統一模型」の適応を検討し計算を行った。具体的には核子移行反応を考慮したランジュバン方程式を用いて、原子核の形状の変形空間内を移動する軌道計算を行った。ポテンシャルはtwo-center shell modelを用いて計算した。さらにこのような多次元変形空間内を移動する軌道を解析を行うことで、反応のメカニズムをも議論する。
  • - 3. 直接過程によって生成される励起状態の研究 -
    橋本 慎太郎, 千葉 敏, 有友 嘉浩, 宇都野 穣
    セッションID: B36
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    代理反応法を適用して間接的に中性子入射反応の断面積を導出する際、核子移行などの代理となる反応を理論的に解析する必要がある。特に、生成される残留核の励起状態のスピン・パリティ分布を把握し、中性子入射反応との違いについて理解することが重要となる。本講演では、我々が代理反応として考えている2核子移行反応を直接過程で記述した場合に、生成される終状態の分布を議論する。
  • 4. 殻模型による酸素同位体の多粒子多空孔状態の統一的記述
    宇都野 穣, 千葉 敏
    セッションID: B37
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    原子力機構極限重原子核研究グループでは、中性子入射反応断面積を直接測定することが困難な原子核に対し、代理反応法と呼ばれる間接測定法にて断面積を得る研究を進めている。この講演では、代理反応で採用される入射粒子酸素同位体について、殻模型を用い、高い励起エネルギーの状態を含めて統一的に記述した結果について講演する。
  • 5. 崩壊様式の理論的推定
    小浦 寛之
    セッションID: B38
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/13
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    代理反応のような重イオン合成反応の場合、その反応過程は接触、融合、蒸発過程に分類することができる。最後の蒸発過程においては高励起状態の情報(原子核の状態密度など)をおさえ,同時にそこからの崩壊様式を適切にとらえることが肝要である。特に代理反応の本来の目的を考えれば、合成された複合核は未知核種または情報が乏しい場合が一般的である。本発表において,特に未知核種の崩壊様式の理論的推定について,大域的原子核質量模型を用いて検証する。
革新炉用核データ
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