アフリカ研究
Online ISSN : 1884-5533
Print ISSN : 0065-4140
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2010 巻 , 77 号
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論文
  • 南谷 貴史
    原稿種別: 論文
    2010 巻 (2010) 77 号 p. 1-18
    公開日: 2013/12/06
    ジャーナル フリー
    アフリカの不良環境に対する数々の耐性とアジアイネの多収性を併せ持ち,アフリカにおける「緑の革命」を担う新品種として有望視されるネリカは,1990年代後半から西アフリカ諸国を中心として普及が開始され,現在でも多くの普及プロジェクトが継続されている。その栽培面積は2006年時点で約20万haと見積もられているが,ネリカの品種特性や普及の現状については明確な情報が不足していることもあり,今なお不明な部分が多い。
    本稿では,ギニアにおけるネリカ普及プロジェクトサイトにて実施した農家経営調査を通して,ネリカ普及の実態に接近するとともに,在来品種と比較した収益性や農村社会におけるネリカの位置づけを考察する。調査分析の結果,プロジェクトによる肥料の提供と種子の買い取りによりネリカ栽培に一定の収益性は認められるものの,肥料・除草剤の投入効果が低いこと,支援に頼ることなくネリカ栽培を自立させている農民は多くはないことが確認された。一方で,ネリカの生育期間の短さは「飢餓期」を克服し得る最大の長所であり,地域社会の食料安全保障と農村生活の質の向上に貢献することが期待される。今後ネリカの普及を進展させるためには,種子・肥料の提供を中心とする面的拡大を優先した現状の普及活動から,研究機関への協力と栽培適地における技術移転を優先した支援活動への変換が求められているといえる。
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  • 松浦 直毅
    2010 巻 (2010) 77 号 p. 19-30
    公開日: 2013/12/06
    ジャーナル フリー
    多くのアフリカ諸国でみられるように,アフリカ中部のガボン共和国では,病気の治療や家族関係,仕事,そして政治的な問題の解決のためにおこなわれる伝統儀礼が,広く人びとのあいだで信じられ,利用されている。なかでも「ピグミー」と呼ばれる人びとは,豊富な植物の知識をもち,超自然的な力をそなえた存在として特別視されている。
    本稿では,ガボン南部のピグミーの1グループであるバボンゴの伝統儀礼について,以下の2点を明らかにする。(1)バボンゴは,周縁的な村に暮らしていながらも,伝統儀礼を通じて政治的な権力者を含めた都市の人びととの関係を築いている。(2)現金収入の乏しい村に暮らすバボンゴにとって,伝統儀礼が貴重な収入源となっている。
    これまでの研究では,ピグミーが周縁的な存在であるために,外部世界と関わるには近隣農耕民に対して政治的に依存せざるをえないこと,近代的な国家システムへの参与が困難であることが指摘されてきた。しかしながら,ガボン南部のバボンゴは,周縁的な存在であるために逆に外部の人びとから伝統儀礼が価値づけられ,その能力が頼られることで,農耕民に依存することなく外部世界とかかわり,伝統儀礼の担い手として独自の社会的地位を築いているといえる
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  • 黒崎 龍悟
    2010 巻 (2010) 77 号 p. 31-44
    公開日: 2013/12/06
    ジャーナル フリー
    本論文では,タンザニア南部ムビンガ県で実施された参加型農村開発(SCSRDプロジェクト)の事例を対象としながら,住民主体の農村開発に向けて,農村開発プロジェクトを実施する側が意図していなかった成果(副次効果)を重視することの意義を示した。ムビンガ県では,1990年代中ごろ以降に実施されてきた農村開発の影響で,キクンディ(kikundi)と呼ばれる農民グループが農業技術やマイクロファインスの普及活動の母体として定着しつつあった。そのなかで同プロジェクトは,地域社会全体のキャパシティ・ビルディングを念頭に,まず環境保全と地域経済の活性化を具体的な目標として,それに関連する諸活動を推進した。プロジェクトの実施に呼応するように多くの住民が複数のキクンディを組織したものの,活動が進展するにつれて彼らの目的が融資の獲得であることが明らかになった。一方,プロジェクト・スタッフは住民の提示した養魚活動とプロジェクトが推奨する諸活動を関連させながら住民の意向に柔軟に対応していった。本論文では,住民がスタッフとのそうしたやりとりを経て,キクンディを単に融資の受け皿から,自発的な活動の母体として位置づけていったプロセスを明らかにするとともに,キクンディ間のネットワーク形成をプロジェクトの副次効果のひとつとして提示した。副次効果の内容には,ときに住民主体の重大な変化が内包されていることがある。農村開発の効果の多面的理解のためにも,副次効果の発現するプロセスの分析を重視する必要性を指摘した。
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