アフリカレポート
Online ISSN : 2188-3238
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ISSN-L : 0911-5552
63 巻
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特集 TICAD9をめぐって
論考
  • 太田 至
    原稿種別: 論考
    2025 年63 巻 p. 1-15
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
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    現在、グローバルに拡張する資本主義が世界中の辺境地に進出し、「資源のフロンティア」が形成されている。ケニア北西部に位置するトゥルカナ社会は、植民地期から現在まで政治的・経済的・社会的に周縁化されてきた歴史をもつ。しかしながら、この地域では2010年頃から多国籍企業が原油探査を開始し、現地住民は急激で予測が困難な経済的・社会的変化を経験している。本稿では、辺境の社会の若者たちが原油探査という未知の状況に果敢に立ち向かい、石油生産の利益配分を獲得していった軌跡を記述する。多国籍企業は当初、操業に対する住民の承諾を得るために現地の政治家などを優遇する戦略をとった。しかし、エリートだけが不当な便益を得ていると感じた一般住民は、道路封鎖などの「実力行使」によって企業の操業を妨害し、利益の配分を要求するようになった。また、現地の若者たちは自分の会社を創設し、さまざまな交渉をとおして多国籍企業の下請け仕事を勝ち取った。本稿ではこうした「実力行使」と下請け仕事の獲得を石油開発への「参入を求める闘い」と位置づけ、トゥルカナ社会の若者たちが未経験で不慣れな状況にいかに対処したのかを論ずる。

  • 丸山 淳子, 八塚 春名
    原稿種別: 論考
    2025 年63 巻 p. 16-28
    発行日: 2025/03/05
    公開日: 2025/03/05
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    日本の大学におけるアフリカ教育をめぐっては、カリキュラム・制度の不十分さ、および、教える人びとのあいだのネットワーク不足が指摘されてきた。これに対して本稿は、大学の外部に位置するNPOを活用することが、これらの課題に対処し、アフリカ研究を教えるための、アカデミアの外にも開いたネットワーク形成・維持につながることを明らかにした。具体的には、市民のアフリカ理解促進を目指してきたNPO法人アフリック・アフリカの活動と、大学教育の現場が接合した教育実践例を収集分析した。その結果、多くの大学で、アフリック・アフリカのウェブサイト上に蓄積されたエッセイや料理レシピなどを教材とするものと、講師派遣や写真展などを組み合わせたイベント型教育が実践されていた。また、これらは、大学生にとって身近でイメージしやすい題材を扱ったもので、アフリカへの親しみをもたせることに有効であった。本稿は、実践例の詳細を報告するとともに、NPOの活動実践を大学教育に還元することによりアフリカ教育の充実が図られる可能性について論じる。

  • 高根 務
    原稿種別: 論考
    2025 年63 巻 p. 49-60
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/07/31
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    現代ケニアの小規模コーヒー生産者協同組合は、政府による強い規制の下で、コーヒー流通において独占的な地位を与えられている。この流通制度は、小規模生産者に販売先を保証するとともに、中間買付業者による安価での買いたたきを防いで生産者を保護する効果を持つ。その一方で、コーヒー代金支払の遅延、コーヒー販売先に関する選択肢の欠如などの問題点も内包している。協同組合を中心としたこの流通制度は植民地時代に形成され、コーヒー部門とは直接関係のない外的要因の変化や、時代ごとの政府の戦略の影響を受けながら、現代まで一貫して継続している。他方で協同組合による流通独占は、組合の競争力欠如や自律性の阻害を生じさせて組合運営を非効率化・弱体化させるリスクを内包している。

時事解説
  • 吉﨑 日菜子
    原稿種別: 時事解説
    2025 年63 巻 p. 42-48
    発行日: 2025/03/18
    公開日: 2025/03/18
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    2024年12月7日のガーナ総選挙にて新大統領に当選したジョン・マハマ(John Mahama)は、特定のセクターにおける8時間3交代制の24時間稼働を促進する「24時間経済(24-hour economy)」政策を主力政策として掲げている。同政策は24時間稼働に向けた法および環境の整備のほか、24時間経済を導入する企業への支援策で構成されている。政策の主目的は雇用拡大および生産性向上であり、その背景にはガーナが長年抱える雇用問題と、進まない輸入代替および輸出志向型工業化がある。これらの課題に対し、同政策は単に深夜帯の経済活動を推奨するだけでなく、事業コストを下げる数々の施策によって働きかける狙いがあるとみられる。他方、ガーナでは2022年末の債務危機を経て財政再建が目下の課題であることから、歳出を拡大しうるこれらの施策がどこまで実現されるのかは疑問が残る。

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