1 氷見周辺に分布する第四系は西田層,上田子層,国分段丘堆積物,窪層,低位段丘堆積物および冲積層に区別される.2 西田層は新第三紀の富山積成盆地最末期の海退相を示し,その堆積後に構造運動の転換が行なわれた.上田子層は西田層以下を侵蝕した古い谷地形を埋積しており,旧庄川系の礫相で特徴づけられた非海成層である.3 窪層は海抜25〜50mの窪台地(窪面)を構成し,朝日山貝層をふくむ.これは平床層に対比され,能登半島における洪積世後期(下末吉期)の海水準上昇を示すよい証拠である.4 海抜60〜70mの海成段丘堆積物は窪期とは別の海面上昇期(国分期)に,また海抜20m前後の伏木台地(伏木面)は侵(波)蝕面で,窪期における海面降下の過程で,形成されたものであろう.5 繩文前期の海進については,その海面上昇の極頂が+8mに達したことを示す沖布海成段丘沖布面がある.
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