地球科学
Online ISSN : 2189-7212
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51 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • Gaku Shibata, Masahide Akasaka, Makoto Kimura
    原稿種別: Article
    1997 年 51 巻 3 号 p. 173-176
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
  • 狩野 彰宏
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 177-187
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    河川や湖などの淡水環境で生成するトゥファは,土壌層で二酸化炭素を吸収し石灰岩を溶解した水が地表に出た時に堆積する炭酸塩堆積物である.堆積に関係する様々なプロセスは気候の経年変化に影響されるので,トゥファの中には「年輪」とみなされる縞状組織が発達する.トゥファの表面に生息する様々な生物のうちシアノバクテリアは砕屑物のトラップ・カルサイトの核形成・光合成による二酸化炭素の脱ガスという3つの点でトゥファの堆積に貢献している.これら3つの効果の重要性については多くの議論があるが,光合成の効果については多くの事例で疑問が投げかけられている.年輪は精密な時間尺度を提供し,同位体分析や年代測定が比較的容易であることから,トゥファは古気候復元の有力な試料としての可能性を持つ.ただし,古気候復元の方法論についてはまだ確立していない部分が多い.
  • 周琵琶湖花崗岩団体研究グループ
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 188-198
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
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    比良花こう岩体は,白亜紀後期の湖東コールドロン形成に関係した琵琶湖南部花こう岩体を構成する西側の岩体にあたる.岩体は,三つの胴切り断層によって,四つのブロックに分かれている.南側二つのブロックは岩体深部の,中央ブロックは中間の,北側ブロックは浅部の岩相をそれぞれ示している. 岩体を構成する黒雲母花こう岩は,粒度と組織の違いにより五岩型に区分される.後期貫入の揚梅滝型を除き,それぞれの岩相は漸移関係にある.多くの流紋デイサイトや花こう斑岩の岩脈が,岩体の伸びと平行に貫入している.記載岩石学的・地球化学的特徴は,比良花こう岩体が湖東流紋岩類やそれらに関係する花こう岩類とマグマの性質上類縁性を有していることを示している.
  • 梅田 美由紀
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 199-211
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
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    福井県南条山地北西端において,美濃帯南条山地の中生層を不整合に覆う後期漸新世の礫岩層を見い出し,「矢良巣岳礫岩層」と命名した.この礫岩層は,チャート円〜亜円礫が約80%を占め,正珪岩礫を2〜3%含む.正珪岩礫は円磨度が非常に高く,再食礫の可能性が高い.また,赤色チャート(珪質頁岩)礫からはトリアス紀中世を示す放散虫化石が多数得られた.これらの放散虫化石は美濃帯およびその北東延長地域で得られている化石と類似する.日本海拡大初期には,本格的な開裂に先立って形成された地溝に沿って,矢良巣岳礫岩を運搬供給した大河川が流れていたとして古地理を提案する.おそらく矢良巣岳礫岩層は,大陸性大河川の存在を示す最後の礫岩層レリックの一つであろう.
  • 川辺 孝幸, 藤田 至則
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 212-222
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
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    琵琶湖西岸地域の微小地震の1980年から1991年までの12年間の震源分布の特徴をまとめて.震源分布と堆積盆地の地質構造の上部地殻内への延長上で発生していることを明らかにし,微小地震の地史的起源について考察した. 琵琶湖西岸域における震源は,短期間に集中的におこるものも散発的におこるものも両方が,堆積盆地前縁部に発達する断層撓曲などの地質構造要素と調和的な北北東方向の伸びを示し,東に傾斜する複数の集中帯をつくって分布している.このような配列は,2〜3日の間に集中して発生する微小地震群でも散発的に発生する微小地震でも認められる.集中帯の中には,上下に重なる東に傾く複数の面が認められる場合もあり.このような震源の三次元分布からは,微小地震が,堆積盆地前縁部の断層群に関連しておこっていることがわかる.したがって.堆積盆地縁辺部の断層群は,上部地殻内では堆積盆地の沈み込む側に,正断層的に,発達していると推定される.このような微小地震をもたらす堆積盆地前縁部の上部地殻に発達する断層帯は,堆積盆地を発達させていた下部地殻が後背山地側で上昇する流動的に運動することによって,上部地殻が脆性的に破壊する結果であると考えられる.
  • 牧野 州明, 柳田 剛志, 山口 佳昭
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 223-227
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
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    潮岬火成複合岩体を構成する玄武岩は,グラノフィアーによる熱変成作用を受け,その接触部分に累帯角閃石が生じている.累帯角閃石のコアはTiホルンブレンドの組成で,端に向かいエデン閃石,アクチノ閃石へと組成が変化する.顕微FT-IRによると,OH量は累帯構造とは無関係にほぼ一定である.従って,このTiホルンブレンドはTi-チェルマック置換をしていることになる.
  • 牧野 州明, 三好 直哉, 山口 佳昭
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 228-232
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    OHの赤外吸光度と試料の厚さの関係を,別子地域に分布する東平角閃岩体産の角閃石を用いて調べた.角閃石の{110}へき開片の上で,赤外偏光子を使いα'とγ'の吸光度,および赤外偏光子を除いた吸光度を測定した.偏光子が無い場合には,吸光度と厚さは直線関係とならない.一方,α'とγ'の吸光度と厚さに直線関係が得られた.α'の吸光度と厚さには,ωι=Aα'/559.27,の関係がある.ここでω,ι,Aα'はそれぞれ,OH含有量,試料の厚さ,吸光度である.OH含有量の異なる他の角閃石のOH含有量をこの関係式から求めると,その値は,測られた(真空蒸発法)あるいは見積もられた値とほぼ一致する.なお,角閃石では測定に際し0.05mm以上の厚さが必要である.
  • 荒戸 裕之
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 233-244
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    新潟背弧堆積盆地の鮮新〜更新統の層序は,おもに南部の魚沼丘陵地域の地表露頭における岩相層序学的,火山灰編年学的研究により解明されてきた.これに対して,新潟堆積盆地中部の蒲原地域を埋積する鮮新〜更新統は,大部分が平野地下に伏在することから,これまで層序学的研究の対象とされなかった.近年,石油探鉱で得られた地震探鉱データや坑井地質データのシーケンス解析がすすみ,蒲原地域のシーケンス層序学的枠組みが明らかにされてきた.そこで本研究ではそのシーケンス層序を枠組みとして,既存の層序学的データも加味して,蒲原地域地下の鮮新〜更新統と魚沼丘陵地域地表の地層のシーケンス層序対比を行った.この層序対比の結果は,新潟堆積盆地の埋積最末期における古環境変遷過程を研究する上で重要な,詳細でかつ成因論的な層序学的枠組みを提供するばかりでなく,堆積盆地内におけるシーケンス層序学的な地層対比の実例のひとつとなるであろう.
  • 能條 歩, 都郷 義寛, 鈴木 明彦, 嶋田 智恵子, 板木 拓也
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 245-250
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
  • 渡辺 寧
    原稿種別: 本文
    1997 年 51 巻 3 号 p. 251-252
    発行日: 1997/05/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
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