OHの赤外吸光度と試料の厚さの関係を,別子地域に分布する東平角閃岩体産の角閃石を用いて調べた.角閃石の{110}へき開片の上で,赤外偏光子を使いα'とγ'の吸光度,および赤外偏光子を除いた吸光度を測定した.偏光子が無い場合には,吸光度と厚さは直線関係とならない.一方,α'とγ'の吸光度と厚さに直線関係が得られた.α'の吸光度と厚さには,ωι=A
α'/559.27,の関係がある.ここでω,ι,A
α'はそれぞれ,OH含有量,試料の厚さ,吸光度である.OH含有量の異なる他の角閃石のOH含有量をこの関係式から求めると,その値は,測られた(真空蒸発法)あるいは見積もられた値とほぼ一致する.なお,角閃石では測定に際し0.05mm以上の厚さが必要である.
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