地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
56 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • Dicky MUSLIM, 小林 岳, 内山 美恵子, 三田村 宗樹, 吉川 周作
    原稿種別: 本文
    2002 年 56 巻 6 号 p. 321-332
    発行日: 2002/11/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    神戸地域では1995年の兵庫県南部地震後に,数多くの深層ボーリングや反射法地震探査が行われている.神戸地域で行われた反射法地震探査断面を用いて,その層序的特徴から地震探査層序区分を行い,この区分と岩相層序との関係について検討した.その結果,神戸地域の地震探査層序は,連続性の良い反射面がほとんど見られないseismic zone Nと連続性の良い反射面が多く見られるseismic zone Pに2大区分され,seismic zone Pは連続性や反射面間隔のパターンからsub-seismic zone P1,P2に区分されることが明らかになった.岩相層序との対比からseismic zone Nは都島累層,seismic zone Pは田中累層に当たり,sub-seismic zone P1はMa-1〜Ma2層,sub-seismic zone P2はMa2〜Ma12層の層準に相当する.この区分は,隣接する大阪平野の地震探査層序区分とよく類似している.
  • 関東山地団体研究グループ
    原稿種別: 本文
    2002 年 56 巻 6 号 p. 333-346
    発行日: 2002/11/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    関東山地北部の東御荷鉾山および西御荷鉾山周辺には,三波川帯ミカブユニットのミカブ緑色岩類が分布する.ミカブ緑色岩類の上位には砕屑岩層がみられ,西御荷鉾層と命名した.この西御荷鉾層は下位から,赤色泥岩,珪質岩類,砂岩シルト岩互層およびシルト岩から構成される.赤色泥岩は,ミカブ緑色岩類の玄武岩質凝灰角磯岩の上に整合で重なる場合,玄武岩質凝灰角礫岩と互層する場合,ミカブ緑色岩類最上部の玄武岩質凝灰角礫岩や西御荷鉾層の珪質岩類に珪質な赤色泥岩としてはさまれる場合がある.したがって,西御荷鉾層はミカブ緑色岩類と整合一連であり,三波川帯に所属することが明らかとなった.西御荷鉾層最下部の赤色泥岩は赤鉄鉱や黒色不透明鉱物を多量に含み,ミカブ緑色岩類の火山活動に関連した熱水による酸化的な環境で堆積したと考えられる.赤色泥岩にはジュラ紀新世を示す放散虫化石が含まれていることから,ミカブ緑色岩類火山活動の終息時期はジュラ紀新世である.また,赤色泥岩には自形の石英結晶粒子が含まれている.この結晶および西御荷鉾層中に挟まれる珪長質凝灰岩の起源は,アジア大陸東縁におけるジュラ紀新世,燕山変動期の中〜珪長質火山活動の火山灰の可能性がある.ミカブ緑色岩類の火山活動および西御荷鉾層の堆積場は当時のアジア大陸東縁からそれほど遠くない位置と推定される.
  • 平社 定夫, 石田 吉明, 小泉 潔, 倉川 博, 武藤 博士, 小幡 喜一, 三谷 豊
    原稿種別: 本文
    2002 年 56 巻 6 号 p. 347-358
    発行日: 2002/11/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    埼玉県秩父盆地新第三系桜井層に大露頭があらわれ,数多くのカレントリップルマークが観察された.研究地域の堆積相は,礫岩(Cg),含礫砂岩(Sp),塊状砂岩(Sm),砂岩泥岩互層(I)および砂岩泥岩細互層(Im)の5つに区分される.これらの堆積相の特徴から堆積環境は,上部〜中部海底扇状地のチャネル・レビーシステムで解釈される.リップルマークは砂岩泥岩互層(I)に集中的に出現することから,上部〜中部海底扇状地の自然堤防,および,すでに埋積されたチャネルを覆った堆積層に形成されたことが考えられる.また,リップルマークはブーマシーケンスのカレントリップル部(C)に相当し,流痕とリップルマークの示す古流向はほぼ同じである.これらのことから,リップルマークは低密度重力流による一連の堆積作用で形成されたものと考えられる.
  • 石井 陽子
    原稿種別: 本文
    2002 年 56 巻 6 号 p. 359-373
    発行日: 2002/11/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    ODシリーズと呼ばれる9本の深層ボーリングが,1960年代に大阪平野の地盤沈下対策のために掘削された.その研究成果によって大阪平野地下の鮮新・更新統の概要が明らかにされたが,火山灰分析が行われたものはOD-2コアのみ(吉川ほか1987)であり,丘陵部で確立された大阪層群(鮮新・更新統)の火山灰層序との対比は困難な状況であった.本研究で使用したOD-5コアは尼崎市戸ノ内で掘削され全長702mに及び,数多くの火山灰層が挟在されているが,火山灰分析は行われていなかった.OD-5コアの火山灰層序を確立することで,大阪平野地下における地質層序の精度の向上に貢献することができる.OD-5コアの掘削位置は大阪地域と神戸地域の接点にもなり,両地域の層序の対比を行う上で重要な位置にあたる.本研究では15層準の火山灰層から得られた17試料の粒度組成,鉱物組成,火山ガラスの形状と屈折率,重鉱物組成を明らかにした.その結果,大阪層群のイエロー火山灰層,ピンク火山灰層,光明池II・III火山灰層,山田II・III火山灰層,アズキ火山灰層,盆ノ池火山灰層,鳴尾浜IV火山灰層を見いだすことができた.また,火山灰層序を用いて21層準の海成粘土層の対比を行った.さらに深層コア間のみで対比可能な未命名火山灰層が存在することが示唆された.本研究の成果によって大阪層群の火山灰層序の精度を向上させるきっかけを得ることができた.
  • 原稿種別: 付録等
    2002 年 56 巻 6 号 p. 376-
    発行日: 2002/11/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
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